JIS化見据え、反射率表示が増加 2011年製品トレンド(遮熱塗料特集2011)

May 23 [Mon], 2011, 12:59
屋根用高日射反射率塗料は、ウレタン系から弱溶剤2液をメインとするシリコンタイプが主流となり、耐久グレードでの高付加価値化が進んでいる。 ただメーカーの開発動向においては、既に水系、弱溶剤系ともにウレタン、シリコン、フッ素と各樹脂系製品を揃えつつあり、耐久グレードによる品揃えはほぼ完了した感も。一部、制定を控えるJISに対応しようと顔料設計を見直し、日射反射率性能の向上を図る動きもあるが、汎用化が進む市場にあって横並び感が強まっている。 そこでメーカー各社は、外壁、舗装を含めた用途開発を積極化。遮熱タイプの防水トップコートも加えるなど、建築塗装領域での遮熱提案を本格化させている。 また、それと連動して遮熱専用ブランドの立ち上げが活発化。外壁用、舗装用などの遮熱製品を統合し、提案力を高めるのが狙い。また日射反射率をカタログに表記し、性能の"見える化"を訴求したり、常備色を拡充するメーカーも増えるなど、差別化を見出すための販売施策が鍵を握っている。
〈原料〉

高反射率塗料に有用な顔料技術 テイカ
テイカの赤外線遮蔽酸化チタン「TITANIX JR−1000」の需要が旺盛だ。
一般の顔料級酸化チタンに比べ、暑さのもととなる赤外線領域の波長の反射率が極めて高い。顔料級酸化チタンの数倍の大きさに成長させる焼結法を開発したことで実現した。加えて得意の表面処理技術で易分散性を両立、塗料を始め舗装材、遮熱フィルムなど需要が増大している。
中でも「今年度は特に塗料分野での採用の伸びが大きい」(担当者)とコメント。背景として「高日射反射率塗料の規格化の動き」を挙げる。JPMAからJISへと塗膜明度と日射反射率との相関で規格化が進展。「規格クリアへ向けた塗料メーカー各社での開発へのモチベーションが高まっている」と見ているためだ。


高日射反射率塗料開発において「TITANIX JR‐1000」は優位性がある。例えば酸化チタンのみの含有塗膜の場合、顔料級酸化チタン塗膜が明度80以上で日射反射率80%の基準値をかろうじてクリアするのに対し、同品は反射率にして10ポイントほど高い反射率を確保。しかも高反射率を維持したまま明度をコントロールすることも可能だ。この余裕差が「塗料設計において自由度を提供、JR−1000ならではの性能本位で採用が増大している」とのことだ。
同社では「粒径コントロール、表面制御による易分散など、幅広い明度、色域に対応し、高日射反射率塗料の開発に有用な技術として磨きをかけていきたい」と意欲的だ。

需要伸長、多色顔料に強み シェファードカラー
シェファードカラーは、リーマンショック以降、回復基調に転じており、昨年は過去最高の売上高及び生産量を記録するほどの好調ぶりを見せている。
PCM向けに中国、インドの他、ASEAN地域で旺盛な需要を抱える一方、大手化学メーカーが収益改善による生産統合を行っていることが、少量多品種生産を得意とする専業メーカーの強みを際立たせている。


遮熱顔料においては、現在黒色遮熱顔料で世界トップシェアを誇っており、同社全製品群の30%を占めるまでに成長。イエロー、ブルー顔料を含めた多色遮熱顔料においては50%を超えており、ワールドワイドでの遮熱市場の拡大が成長に結びついている。
国内においても2008年レベルに回復しており、「昨年は前年比30%以上の伸び」(シェファードカラージャパン・柴原社長)と好調さをアピール。現在、国内では遮熱顔料として「オレンジ10P320」「クロムフリーブラック10C924」「ブルー10F545」の3製品を新製品として投入している。


オレンジは、総太陽光反射率58%を保持し、黄鉛、カドミ、クロム代替顔料としての利用が期待。ブラックは、2年前より実施しているクロムフリー開発ワーク中のEX1391(試験室番号)を今春から新製品として上市する予定。既に製品在庫生産を完了しており、本格採用が間近となっている。
ブルーは、有機フタロシアニン代替としての利用が可能で、FDA認可品。食器やガラスなど、食品用プラスチック分野での採用を目指している。

〈塗料〉

低汚染性のプラス効果 エスケー化研
エスケー化研の遮熱塗料シリーズは屋根用「クールタイトシリーズ」、外壁用「クールテクト工法」、屋上防水「クールタイトHI工法」がラインアップされている。同社はトップランナーの1社で、遮熱販促に力が入っている。
昨年1年間の出荷実績は、数量ベースで2ケタの成長を維持し、同社の製品群の中でも遮熱シリーズは成長が顕著。「当社のセールスポイントは低汚染とともに、屋根・屋上・外壁のトータルシステムとして展開できるところにある」と担当者。屋根と外壁とセットにした採用も増えてきている。


今後ともキャンペーンを通じ、販促に更に注力するとともに、総合仕上材メーカーの強みを十分発揮できるスタイルを強化していく方針。総合力こそが同社の差別化のテコといえる。
屋根用遮熱シリーズでは、アクリルシリコン系並びにふっ素系の水性バージョンをラインアップ、溶剤タイプとしてはポリウレタン系、アクリルシリコン系、ふっ素を揃える。金属屋根塗り替え防食工法「クールタイトEL工法」も用意されている。


外壁用は水性と弱溶剤系を揃え、最近伸長が著しいのが屋上防水・遮熱工法「クールタイトHI工法」。JIS A6021(建築用塗膜防水材)該当品で、遮熱機能に低汚染をプラスした点が評価されている。
「流れとしては汎用化が進む中でいかに独自性を出していくかが問われてきている。エスケーブランドとしての認知度を重視したい」(担当者)。Jubileeレディーズシリーズ

総合力を高め、需要を拡大 神東塗料
「需要は堅調に伸びている」(担当者)と話す神東塗料の遮熱塗料事業。金属屋根向けのプライマーには、酸化チタンを配合した白色の2液弱溶剤エポキシさび止め「マイルドサンカットプライマー」を投入し、上塗りと合わせた塗装システムとして、日射反射率効果を高めている。
「サンカットシリーズ」をはじめとする遮熱塗料は、水系、弱溶剤系(1液、2液)ともに同社が得意とするアクリルシリコン樹脂塗料を中心とした品揃えが特徴で、屋根用の他、外壁用、プラント向け、舗装用をラインアップ。特に外壁用として投入した水系無機有機ハイブリッド塗料「水性サンカットトップセラ」は、コストを抑えつつ、フッ素を上回る耐候性が得られることで、他社にない差別化製品に据えている。


現在、需要先として同社がメインとするのは企業物件。材料販売を核にしつつも指名活動を強化することで実績が増加。またプラントなどの改修に遮熱機能を付与した仕様が採用されるなど、ゼネコンの評価を高めている。
今後、需要拡大のポイントとして掲げるのは外装マーケットの底上げ。「遮熱塗料製品だけでなく、汎用メーカーとしての総合力を生かし市場の変化に対応した品揃えを図っていくことが重要」とコメント。特に改修市場においては、外装、内装を含めた1ストップで対応できる品揃えが勝機になると見ている。
JISについては、現在水系無機有機ハイブリッド塗料、アクリルシリコン樹脂塗料製品で取得を予定している。

水系シリコン技術で差別化 水谷ペイント
屋根用塗料を主力分野に据える水谷ペイント。多様なユーザーニーズに応える豊富な品揃えを武器に、専業メーカーとしての存在感を高めている。
遮熱塗料の需要動向については「昨年と比べて屋根用塗料全体の需要が回復してきている。遮熱塗料も堅調に伸びているが、一般屋根用塗料に占める割合はそれほど高くない」(担当者)と説明。遮熱製品に限らず、適材適所の製品開発を推進することで屋根用塗料全体の底上げを志向しており、遮熱塗料製品においても、性能、コストに応じた品揃えを図る一方、独自技術による差別化の方向を見据えている。


同社が差別化に見据えるのは、内製化技術を擁するシリコン樹脂の重合技術。「市場ではシリコン製品の需要が伸びており、当社としては水系技術とシリコン技術を強みに屋根塗装で懸念される水系のイメージを払拭していきたい」と意欲を見せる。
現在、シリコンタイプの遮熱塗料として、弱溶剤2液型「快適サーモSi」、弱溶剤1液型「デルニエX 遮熱色」「水系ナノシリコン 遮熱色」をラインアップ。更に工場屋根向けに遮熱顔料反射とメタリック反射のダブル効果で温度上昇を抑制する弱溶剤2液シリコン変性タイプの「ハイパー遮熱Si」とナノシリコン樹脂エマルション「水系ハイパー遮熱Si」を上市する。
今後も水系シリコン製品の販売展開を積極化することで環境と性能の両立を訴求していく方針。更には外壁用の投入を検討するなど用途展開による需要拡大も視野に入れている。

設備向け耐熱効果を提案 日本テレニクス
日本テレニクスは遮熱塗料「セラミックコートSE40」を上市しており、屋根や設備向けで拡販を図っている。
同品は水性特殊シリコン樹脂エマルジョンをバインダーとして、NASAで研究開発された耐熱技術を応用した40μmの微小中空セラミックバルーンと、熱反射機能顔料及び高機能遮熱性リン片状粉体を併用する。そのため、優れた遮熱効果と耐久性を実現した。
標準膜厚は0.4mmで、日射反射率(近赤外線領域)は塗膜色N6.1で90.7%の優れた反射率と通過熱は9.3%を示す。


同社ではさまざまな用途として提案を行っている。屋根や外壁に塗装することで夏場の室内温度の低減効果に寄与することをアピールするとともに、設備の劣化防止効果や放熱・火傷防止としても提案を進めている。
同品にはセラミックビーズのサイズや固体量が異なる「同SE40L」や「同SE40W」をラインアップしており、「使用用途や設備の温度帯によって使い分けている」(長友栄治社長)。
また、耐熱260℃を実現したのが「セラミックコートSE250」。種類やサイズの異なるセラミックビーズの混合の相乗効果により優れた遮熱効果と耐久性を実現した水性コーティング材。
ボイラーやプラント用途として、3層、4層と塗り重ねることで塗装表面の温度上昇を妨げ、火傷対策としても適している。
従来、同社では責任施工体制で営業展開してきたが、今年からは材料販売を開始し事業拡大を図っていく。

3年で売上3倍目標 ミラクール
ミラクールは屋根用、道路用に加え、陸上競技場などのフィールド用の3分野で展開。いずれの分野でも2ケタ成長を持続しているが、道路用とフィールド用での実績が特に拡大してきている。
道路用はニッポコーポレーションとタイアップして展開しており、自治体での採用拡大が追い風となっている。自治体の場合、比較データによる性能チェックが必ずあり、いずれのテストでもミラクールは上位にランキングされるなど、性能の信頼性が定着。「これまでの実績データの厚みが他社製品との差別化になっている」と担当者は自信を見せる。


またアスレチックフィールド用ではユニークな展開を見せている。競技場施設専門会社とタイアップし、フィールドの遮熱に最適条件を設定、その効果を最大限発揮させることで、高い評価を得てきた。最近の実績では岐阜の陸上競技場フィールド約3万゚に採用されるなど、大型物件から中小物件まで採用されるケースが増えている。「フィールド遮熱は特殊な条件があるので、専門ノウハウが不可欠。競合他社が容易には参入できない」。
コアの屋根用は代理店ネットワークを通じ販売する比率が高い。このため代理店のインセンティブに力を入れる。「ミラクールを扱ってメリットのある販促を重視」とのスタンス。代理店との協力関係を強めていく。
同社の中長期目標は3年で3倍の売上規模に置く。「3本柱の展開を拡充することで達成したい」(担当者)。

塗膜防水、舗装向けに展開 インターナショナルペイント
インターナショナルペイントは、遮熱塗料製品として「IPライトプルーフ遮熱」「IP遮熱アスファルトコート」の2製品をラインアップしている。
「IPライトプルーフ遮熱」は、ローラー施工による厚膜施工を可能にした水系1液型厚膜簡易防水材「IPライトプルーフシリーズ」の遮熱型。「販売量が伸びている」と好調さを強調する。
同品は、特殊遮熱顔料の採用により太陽光反射を高め、遮熱効果を発揮する他、均一な厚膜仕上げにより断熱効果を保持する。またUV抑制効果を持つ特殊アクリル・UVハイブリッドエマルションを主成分としたことで、紫外線による塗膜劣化を抑制する。


用途は屋上・ベランダ・開放廊下の塗膜防水、旧防水工法(シート防水など)の再生・保護など。施工は素地調整後、「IP含浸シーラー」を塗布し、砂骨ローラー(細目)による同品の2回塗り仕上げ。常備色はグレーのみ。
「IPアスファルトコート」はアスファルト舗装専用遮熱塗料として開発した水性1液有機・無機ハイブリッド型エマルション塗料。
特殊遮熱顔料が太陽光を反射し、夏場におけるアスファルト面の温度上昇を抑制。また熱、紫外線、酸化などによる劣化に対しても長期的に保護する。
同品は速乾架橋反応技術とシロキサン結合の相乗効果を生かすことで軽歩行可能約3時間と速乾性を実現。また優れた耐磨耗性を保持する他、通気型塗膜を形成するため、降雨時においても乾燥時同等のノンスリップ効果が得られる特長を持つ。常備色は3色。

品揃え拡充、施工対応力強化 大日精化工業
遮熱塗料「クールライフDX」を展開する大日精化工業。これまで関連会社である九州大日精化工業が製品化し、特定顧客向けに販売していたが、顔料メーカーとしての優位性が生かせるため、同社グラビアインキ事業部として本格展開を始めている。
需要動向について担当者は、「塗り替え市場の活性化とともに、遮熱塗料市場はまだまだ伸びる。現在、汎用性を高めた調色システムを検討している」と新たな市場形成も見据える。 
現在は、同社の顧客先である印刷工場をメインの需要先として実績を伸ばしており、ネットワークを持つ需要領域での展開に特化することで、販売拡大を目指している。また「クールライフDX」以外の水性コート材の提案も積極化。商材の拡充を図ることで、受注対応力を強化したいとの狙いがある。


「ダイステンダー」は透湿・撥水性コンクリート用塗料で、打ち放しコンクリートの素材感を生かしつつ、撥水性を付与するのが特長。クリヤーに専用の調色用カラー材を添加するだけでカラー着色も可能にする。「以前から設計指定製品に入っており、PRを強化することで採用につなげたい」と話す。
また常温型水性無機質塗料「ダイスコート800 遮熱シリーズ」、スーベリア・アクリルエマルジョン塗料「ローンコート 遮熱シリーズ」は昇温防止塗装システムとして展開するアスファルト向けカラー舗装材。上塗り塗料には、選択的に赤外線を反射する透過顔料を使用することで、太陽熱エネルギーの吸収を抑える特長を有している。

劣化具合にあわせラインアップ充実 エーエスペイント
エーエスペイントはセメント瓦及び洋風コンクリート瓦の塗り替え専用塗料「Sun瓦シリーズ」を展開している。昨年は戸建需要の回復傾向が見られ、Sun瓦シリーズの売上も微増となった。
同シリーズで売れ筋商品となっているのはセメント瓦用の下塗り塗料である「Sun瓦エクセルガード」。
同品はカチオン形厚膜水性エポキシ樹脂塗料で、同社がラインアップしているセメント瓦用下塗りの中でも比較的劣化程度の激しい瓦向け。膨れや剥がれ、割れなどがあり、表面の凹凸が激しい状態に適している。


その他の下塗り塗料としては、溶剤形特殊エポキシ樹脂系の「Sun瓦エクセルシーラー」とカチオン形水性アクリルシリコン樹脂系の「Sun瓦エクセルシーラーW」を上市している。
上塗り塗料としては、アクリル樹脂塗料「Sun瓦Aトップ」、2液形ポリウレタン樹脂塗料「Sun瓦Uトップ」、1液形水性シリコン樹脂塗料「Sun瓦Sトップ」、2液形弱溶剤シリコン変性樹脂塗料「Sun瓦Xトップ」を上市。
中でも大きな伸びを見せているのが「同Xトップ」。優れた耐候性としっかりとしたツヤ仕上げが好評で、前年比で15%増と堅調な動きを示す。
一方、洋風コンクリート瓦用の下塗り用として、溶剤形浸透特殊エポキシ樹脂塗料「Sun瓦洋瓦シーラー」を展開している。更に今後はより劣化程度の激しい洋風コンクリート瓦向けとして、厚付けできるプライマーの開発を検討、対応力を高めていく意向。

改正省エネ法追い風に 日本特殊塗料
遮熱塗料のトップランナーの1社である同社にとって、「遮熱のニットク」をアピールしていくため、製品ラインの拡充とともに販促での差別化が重要なポイントになってきている。
昨年打ち出した改正省エネ法をからめた遮熱効果によるCO2削減に関しては反響が大きく、そのフォローに追われる一方で課題も鮮明になってきた。この方向ではシミュレーションしてプロモーションする力が試される。同社は特約店と一体となって展開する形をとっているが、プロモーションする力のない特約店との差が大きく出ることになる。このため同社は営業サポート体制をより強化し、ユーザー対応力を向上させていく。


もうひとつの課題は遮熱効果の見える化にある。シミュレーションでは省エネやコスト効果にポイントを置いているが、ユーザーニーズは千差万別のため、個別対応力が必要になる。従ってターゲットユーザーを絞り込んだ展開で営業効率を向上させなくてはならない。この辺も特約店の理解を深めていくテーマとなっている。
屋根から床・壁までのトータルシステムの品揃えの中で、同社の特色となっているのが塗膜防水の遮熱バージョン。塗膜防水材メーカーとしては主力メーカーの一角を占め、この分野の伸びが堅調なためFRP防水を含め展開を強化していく。
今後同社は最終ユーザーである消費者へのダイレクトマーケティングに更に注力していく方針。消費者の認知度が競争力に直結すると見ている。

ブランド展開が奏功、戸建向け急伸 日本ペイント
一昨年秋、遮熱塗料ブランド「サーモアイ」を立ち上げて以来、著しい販売拡大を遂げている日本ペイント。「戸建て向けが半分を超えた」(担当者)と競合他社が工場や倉庫などの企業物件を主戦場とする中、施主目線の販促物づくりや専用ウェブサイトの開設などが奏功し、住宅分野を中心に需要を伸ばしている。
遮熱塗料市場について「既存の屋根用塗料の需要も落ちていないことから、遮熱塗料は新たな需要を掘り起こす牽引役になっている」とコメント。夏場に過酷な作業環境を強いられる施工業者の評価を勝ち得た一方、施主目線に立ったブランドづくりが施工業者の提案力をサポートしたことも販売拡大の要因となっている。


 「サーモアイ」の特長は、上塗りのみでなく、下塗りにも遮熱性能を持たせた点。上塗りと下塗りの相乗効果により日射反射性能を向上。更に下塗りを白色にしたことで、「施主に施工工程が説明しやすくなった」など施工業者の評価も得ている。
また常備色40色のカラーバリエーション(床用8色)も魅力の1つ。「調色技術はメーカーそれぞれのノウハウの塊。遮熱塗料のために既存の調色システムを変更することは困難」と屋根色、外壁色を揃えた豊富なカラーバリエーションが優位性に寄与している。
カタログ類も充実。イラストをふんだんに用いることで塗料の機能を分かりやすく説明するなど、施主目線にこだわったマーケティングを徹底している。

金属向けにオール水系仕様を構築 トウペ
「トアスカイコートシャネツシリーズ」を展開するトウペ。昨年、濃色を中心とした標準色10色に新たに淡彩10色を加えカラーニーズへの対応を強化するとともに、色見本カタログに明度及び日射反射率(近赤外線領域)を表示するなど、JIS制定を想定した対応を行っている。
需要動向に関して担当者は、「当社としては、業界平均の伸びを見せている。特に改正省エネ法を契機にISO取得企業やVOC対応企業など環境対応に先進的な企業での引き合いが高まっている」と説明。また工業用塗料及び化成品部門での顧客企業や古河機械金属グループでの採用を伸ばすなど、同社のネットワークを生かした展開に弾みをつけている。


品揃えとしては、ポリウレタン樹脂、シリコンアクリル樹脂、ふっ素樹脂と性能ニーズに応じた弱溶剤2液形製品を揃える一方、水系高耐候ハルスハイブリッド樹脂高日射反射率塗料「トアスカイコートシャネツ W−HALS」をラインアップしている。
同品について「シリコン並のコストながら、性能はシリコン以上」と性能とコストパフォーマンスの優位性を強調。また水系2液形エポキシ樹脂塗料「トアガイアプライマー」を開発したことで、金属屋根塗装におけるオール水系仕様を構築している。これにより、「ダクトからの吸排気を行う食品工場等では、溶剤臭を敬遠する。オール水系であることのメリットは大きい」と臭気を嫌う工場物件での拡大に手応えを見せる。JISは全品目で取得予定。

機器収容金属ボックス向けに特化 NTTアドバンステクノロジ
NTTアドバンステクノロジは遮熱塗料「サーフクールS」を上市しており、NTT金属ボックスをメインターゲットに営業展開を進めている。
通常、建材用遮熱塗料には断熱性が付与されることが多いが、同社の遮熱塗料には断熱性を付与せず放熱性を重視していることが大きな特徴。
通信機器を収容する金属ボックスに放熱性の高いサーフクールSを施工することで、近赤外線領域の太陽光を高い効率で反射させるとともに金属ボックス内機器の熱を外部に放出させることで金属ボックス内の温度上昇をより抑制し、通信機器の故障を低減させる。
塗料タイプは弱溶剤のアクリルシリコン系樹脂で、特殊顔料を配合した反射層の下塗りと透過層の上塗りの2層工程となっている。色相は白、N7グレー、グレー、ブルー、グリーン、ベージュ、ワインレッド、チョコレートの8色に対応している。N7グレーの日射反射率は60.1%を示す。施工方法はローラー、刷毛、スプレーに対応している。


温度の低減効果は白熱灯照射による室内試験ではN7グレーの場合、一般塗料の同色と比べて塗膜の表面温度で30℃以上の低減が認められる。
NTT金属ボックスは前回の塗装から10年弱が経過しており、同社ではサーフクールSでの塗り替え提案に注力している。
同社では通信機器等を収容した金属ボックス向けにターゲットを絞った製品開発並びに営業展開を進めていく。

実績強みに信頼高める 大高商会
NASAが開発した4種類の特殊セラミックを配合した遮熱・断熱塗料「クールサーム」を展開する大高商会。日射反射率特性を含む多様な遮熱特性を武器に実績を重ねている。現在、100社の代理店ネットワークを擁する。
特殊セラミック微粒子は熱伝導しない性質を持ち、可視光線、近赤外線、放射熱とそれぞれの熱侵入に対する反射特性を保持。「クールサーム」においては、空調費で38%〜40%の省エネ効果が得られた実績を持つ他、実曝10年で日射反射率80%以上と高い反射率保持性能も特長となっている。


「二酸化チタンの反射力に頼るだけの商品が多い中、『クールサーム』は特殊セラミックの熱反射率(短波長)、熱放射率(長波長)と低熱伝導率が長期にわたる遮熱効果に大きく働いている。透過率においても二酸化チタンの15%に比して、わずかに5%と3分の1であり、太陽熱が屋根鉄板に達する率が少ない」と機能優位性を訴求。
現在、主材層を覆うトップコートには弱溶剤2液型ウレタンシリコン樹脂塗料を標準仕様に組んでいるが、水性1液フッ素樹脂塗料もラインアップ。表面の白化を抑えた20年以上の高耐久仕様で付加価値提案も進めている。
「市場では国産遮熱塗料が全般に信頼を落としている中、当社にとっては、性能の違いを見せつけ評価を得るチャンス」(野尻賢二社長)と意欲を見せる。現在は、熱遮熱技術を生かした用途展開を積極化する他、バンコク、上海に拠点を設けるなど海外事業も本格化させている。

ニッチ展開で存在感高める 大同塗料
今年、プライマーレスの瓦用塗り替え塗料「ハイルーフ マイルドシリコン」及び「ハイフール マイルドいぶし」を発売した大同塗料。塗装が懸念されるいぶし瓦や陶器瓦に対し、プライマーなしでの施工を可能にしたことで、新たな需要創出に踏み出した。
同社は、自社技術を生かしたニッチ市場の開発を得意としており、主力事業の1つに据える屋根用塗料分野も同様。豊富な品揃えを誇る一方、企業物件や文教施設に特化した営業展開を図ることで存在感を高めている。同業者による競争が激しさを見せる遮熱塗料市場においても、ニッチ領域における用途展開で差別化を図っている。遮熱塗料においては昨年、遮熱専用カタログとなる「Daido Thermo Technology」を刷新。屋根用、舗装用、プールサイド用と遮熱塗料製品を統合させることで、施主やユーザーに対してブランドイメージを訴求するとともに、認知度向上に努めている。


水性及び弱溶剤系を中心にフッ素、シリコン、ウレタンの各樹脂系製品を揃える中で主役を担うのは、2液NADタイプの「屋根クールネオ」。同品は遮熱性と防食性を兼ね備えているのが特長で、長年工場物件を手がけてきたノウハウが生かされている。これまでの累計施工面積は150万m2を超えており、企業ユーザーの信頼を勝ち得ている。
また昨年は猛暑の影響により「プールコート プールサイド遮熱工法」が大人気。今年は更なる需要拡大を見込むなど、販売拡大に弾みをつけている。

"塗るエアコン"拡大の兆し ダイキン工業
"塗るエアコン"(商標登録)と銘打ち、空調事業のノウハウを強みに遮熱塗料の需要開発を積極化するダイキン工業。「今年に入って順調に案件が増えている」(担当者)と需要拡大に手応えを見せている。
これまで同社の遮熱事業は関連会社の付帯事業として展開してきたが、数年前に同社で事業化し、需要開発を開始。同社が主力とする空調事業との提案を図ることで、企業物件を対象とした省エネ提案に磨きをかけている。


の鍵を握るのが高精度な省エネ効果のシミュレーション技術。空調事業で培ったシミュレーシン技術を導入し、エアコンの馬力、建屋内の労働人数、屋根の素材、開口部など効果に影響を及ぼすさまざまな因子を項目に加えることで正確なデータを算定する。また中国に遮熱塗装を施した実験棟を保有し、実地テストの成果を反映することで、データの精度を高めている。
「ゼッフル遮熱塗料」は、4フッ化フッ素樹脂塗料を上塗りとする高耐候性遮熱塗料で、下塗り、中塗り、上塗りの3つの層が太陽光を反射し、室内への熱侵入を抑える特性を持つ。特に同社は、機能優先の観点から色相は白を中心とした淡彩色(6色)を揃えており、懸念される酸化チタンの劣化に対してもフッ素樹脂が保護し、15年耐久を実現する。
既に屋根の他、石油タンク、客船、タンカーなどの防食分野で採用を拡大しているが、防水トップコートの投入も視野に入れるなど、更なる用途拡大に挑む姿勢を見せる。JISは取得予定。Pearl Masterレディースシリーズ

断熱塗料ガイナ、更なる高みへ 日進産業
多機能断熱塗材「ガイナ」の勢いが止まらない。毎年30%以上の伸長を続け、材料販売で10億円規模に達している模様。名実ともにこの分野のトップブランドに成長している。
"塗装"というシンプルな方法で断熱性を付与できることから大手リフォーム会社などでの取り組みも本格化。また、同品の扱いを希望する塗り替え元請けスタイルの塗装業者も増加を続けており、住宅部門での需要は飛躍的に伸びている。
更に住宅以外でも同品の断熱効果と多機能性に対する期待が高まっている。大手商船会社では輸出用自動車運搬船の甲板に同品を塗装。赤道直下を通過する際、60度以上になる甲板下の作業場を40度以下に下げられる環境改善がメリット。


つくば大学大学院・人間総合科学研究科の田神教授は、体育館の屋根に同品を塗装することで屋根からの輻射熱を抑え、熱中症予防に効果があるのではないかと研究を始めた。
断熱効果以外では、結露抑制を期待し、国宝寺院内のミュージアムに使われた事例がある。文化財の保存環境では虫やカビの発生を抑えるため結露対策が必要。結露は室内空気と壁面の温度差によって引き起こされるが、同品を内壁に塗装することで温度差の門際を解消。指定した設計者も驚くほどの効果を見せているという。
断熱を始め結露対策、防音、防臭など「人間の求める快適性を追求できる材料としてイノベーションを起こしたい」と更なる高みを目指す。Sea Dwellerシリーズ

キルコート、工業用機能材として展開 日発販売
日発販売は、シンマテリアルの断熱塗料「キルコート」を独自のアプローチで展開している。一般的な遮熱・断熱塗材が建物の屋根や壁など"現場施工"を主体に展開されているのに対し、同社ではさまざまな製品へのプレコートといった工業用機能材料としての展開を進めている。「具体的な製品名を明かせる段階ではないが、例えば各種の建材など製品化段階でキルコートを使用することで、断熱・保温など高機能、高付加価値化が可能な要素技術として各種製品メーカーに提供、大型の引き合いが増えている」(担当者)とのことだ。


ルコートは特殊エマルジョンに微細な中空ビーズを配合した高遮熱・高断熱塗料。断熱機能の付与を目的に中空ビーズを配合した塗材は多数販売されているが、他社品との決定的な違いは「中空ビーズの含有量の圧倒的な多さ」で、高断熱、更には保温効果によるエネルギー使用量の削減で大きな力を発揮する。
開発者のシンマテリアルではビーズの選定において発想を転換、高含有でありながら塗膜形成不良を起こさず、一般の無機ビーズでは不可能な塗膜伸縮率200%以上を実現。更に特殊エマルジョン樹脂によりタイルの接着剤と同等以上の付着強さを発揮、促進耐候4,000時間以上の耐候・耐久性など、これまでの断熱塗材の概念を覆すパフォーマンスを発揮。こうしたキルコートならではの特性が各種工業製品の要素技術としての展開を可能ならしめている。
Submarinerシリーズ
原色を共通化、調色対応に磨き 大日本塗料
遮熱塗料「エコクールシリーズ」を展開する大日本塗料。新しく改訂した色見本カタログでは、屋根用、外壁用の標準色それぞれに日射反射率を明記するなど、性能の"見える化"に努めている。
カタログ表記によると、黒色となる「ECOファインブラック」は明度30で近赤外線日射反射率68.6%を確保。他の濃色系もいずれも68%以上とJIS原案基準を遥かに超える反射率性能を有している。カタログでは色相ごとに、明度、全波長日射反射率、近赤外線日射反射率を表示することで、施主やユーザーにとって、分かりやすい内容となっている。


更に同社は、標準色以外の調色対応も可能としている。同社が遮熱色の調色対応を実現した背景には、遮熱顔料の共通化にある。白、黒、赤、緑、青、黄の各原色ともに高日射反射率性能を有している顔料を採用したことで、「お客様の望む色を出すことができる」(担当者)と少量調色への対応を実現。製品自体の差別化が難しくなる中にあって、調色対応力を1つの武器として、戸建て分野での需要拡大に結び付けたい考えを示す。 
また今春には外壁向けの新製品として「遮熱フィラー」を発売する予定。日射反射機能を有した同品は、2〜3mmの膜厚を形成し、模様付けなど多彩な意匠仕上げを実現。また厚膜による断熱性を付与した。
JISについては、最も人気の高い弱溶剤形シリコン樹脂系遮熱塗料「エコクールマイルドSi」で取得する予定。

断熱+遮熱で差別化 東日本塗料
東日本塗料が展開する「断熱+遮熱」工法が好調だ。「遮熱だけではインパクトが弱い。断熱と遮熱を組み合わせた工法が市場での差別化につながり、施主から評価されている」(担当者)として、工場屋根を中心に引き合いを増やしている。
断熱効果を持たせるのは、1液水性反応硬化型シリコン変性アクリルエマルション断熱塗材「断熱コート」。シリコン変性アクリルエマルション樹脂に熱伝導率を低減させる有機無機ハイブリッドバルーンを配合している。更に熱エネルギーとなる赤外線を反射させる遮熱顔料を使用しているため、遮熱性能も有している。
一般単層弾性に比べ熱伝導率が0.12W/m・kと小さく優れた断熱性能を有している。


断熱コート仕上げとしても展開するが、同社ではトップコートに遮熱塗料を施工する工法を積極的に提案する。
中でも「遮熱塗料のスタンダードとなった」(担当者)のが超耐候性ハルスハイブリッド型トップコート「シャーパートップ遮熱」。ハルスハイブリッド型樹脂の使用により、優れた耐候性を兼ね備えた遮熱塗料となっている。
同社ではデータに基づいた営業手法を身に付けるため、ロールプレイングを実施し、施主や販売店向けのプレゼン手法を磨いている。そこには技術担当者も同席し情報の共有化を図るとともに、より技術的なアプローチを心がけ、「地域性や相手によって条件がさまざまなので、それぞれに合わせた提案を重視している」(担当者)。

屋根、壁ともにシリコン製品を充実 スズカファイン
 

今年に入って北海道から沖縄まで約2,000名の取引先に製品説明会を実施してきたスズカファイン。単層弾性仕上塗材「セラビューレシリーズ」に新たに高日射反射率機能を付与した水系1液形シリコン樹脂塗料「セラビューレCOOL」を加え、屋根用、壁用ともに遮熱塗料製品のラインアップの強化に努めている。
遮熱塗料の需要動向について担当者は「昨年度比で20%以上の推移で伸長している。これまでは企業物件がメインだったが、ここにきて戸建向けも伸びてきている」と好調さをアピール。戸建て屋根用として水系反応硬化形「クールトップSi」、屋根・壁面両用として弱溶剤2液形「ワイドシリコン遮熱」、弱溶剤1液形「1液ワイドシリコン遮熱」、屋上防水層用として水系反応硬化形「クールトップ#300Si」、壁用として水系反応硬化形上塗材「カベクールSi」など、耐候性・耐汚染性にも配慮したアクリルシリコン樹脂タイプの品揃えを図っている。


同社では、カラーニーズへの対応を強化するとともに、更なる遮熱性能向上について開発を継続。またカタログ刷新も予定するなど、市場競争力を高める意向だ。JISについては、主力製品である「クールトップSi」「1液ワイドシリコン遮熱」などの取得を検討。
 この他、歩道用水系塗料「クールトップホドウ」、塗布型制振防音材「シャオンクール」、塗膜防水材用「水性ボウスイトップCOOL」など、遮熱機能を生かした用途拡大で実績を重ねている。
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