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2007.12.19 [Wed] 13:51

プラトンは、うつろいゆく地上の感覚的事物を永遠不変のイデアの写しであると捉えた。プラトンにとってイデアは永久不変かつ完全な、地上の感覚的事物の父祖である。地上の事物はその誕生時はイデアに最も近しいものであるが、地上は万物流転の世界であるから、何ものも変化を免れない。そして最初期の感覚的事物こそイデアに最も近いものであるなら、すべての変化は悪い方向への変化、事物の堕落たらざるをえない。プラトンは「全ての変化は悪である」とした。プラトンは国家についても権力者の内部闘争によって堕落していく運命にある、という歴史法則を提示した。最も古代の国家形態、スパルタなどの設計主義的国家体制を最上の国家であると考え、そしてすべての変化を防ごうとした。そのために彼が持ち出すものが共産制であり、支配者-被支配者(労働家畜)の厳格な階級制度であり、選ばれた哲人王であった。「無知の知」を唱えたソクラテスの高弟が、少数の選ばれた哲人による多数者の支配を提唱したことは、皮肉としか言いようがない。プラトンがソクラテス的思想から脱却し全体主義国家を構想した背景には、最愛の師ソクラテスがまさに民主主義によって死に追いやられた事実、ペロポンネソス戦争後の三十人僭主制によるアテナイの政治的混乱による挫折、があるのだろう。プラトンの一連の著作の中にソクラテス的思想から主知主義的・設計主義的社会主義思想への変貌を見る時、私はプラトンの哀しさを感じずにはいられない。