レッドクリフ大原和津PartT』

May 13 [Tue], 2014, 9:14
男義の世界「三国志」の中で最も有名な「赤壁の戦い」を描いたこの映画は、良くも... 男義の世界「三国志」の中で最も有名な「赤壁の戦い」を描いたこの映画は、良くも悪くもジョン・ウー作品であり、呉宇森作品ではない. そんな風に感じました. そしてこれは日本公開版だけなのか、エイベックスの無粋すぎる字幕対応に心底怒りを覚えた映画でもありました. 正直言いまして、三国志、男義、そして映画字幕に対して大変失礼なことをしたエイベックスは映画界から永遠に去ってほしいです. まずオープニングから三国志の説明が入ること自体が無粋極まりないです. この映画を見るなら大前提として三国志の基本的なことは知っておくのは当たり前. それを説明するというのは三国志好きや歴史好きに対して失礼です. さらにTV放送じゃないんですから、いちいち登場人物の名前と立場をふりがな入りの字幕で説明する必要もなし. しかも曹操や孫権に至っては後半でも何度も字幕説明が入る無粋ぶり. エイベックスは三国志を知らない若い女性にも見てほしかったのかも知れませんが、そちらが主要客層ではないのですから、ここまで一般観客を小バカにしたような字幕対応は正直気分悪いです. で字幕対応の無粋ぶりを一切無視して映画そのものを見ても、やっぱりジョン・ウーはこういう映画に関してはちょっと畑違いだと思いました. というのも張芸謀監督の 『王妃の紋章』 と比べても大人数のシーンに全く迫力がなく、兵士役のエキストラの演技も粗くて酷いです. でもその代わりジョン・ウーの映画監督としての魅力である個々の描き方は凄く格好いいんですよね. 特に関羽と趙雲の格好良さは格別. 槍を持ち、舞うように戦うその姿には見惚れてしまいましたよ. その他にも張飛、甘興、魯粛も個性を重んじた描き方がされていて、曹操軍を砂煙の向こう側で待ち伏せ攻撃した戦いも大興奮しました. でも個人的に呉宇森作品に感じなかったのは『男たちの挽歌』の時のような血と汗と湿気が混じったような臭さがこの映画にはないこと. 私がジョン・ウーではなく呉宇森作品に求めるのはその生と死が同時に感じられるこの臭さ. これがないといくら呉宇森と表記されていても、「ジョン・ウーが中華圏に戻ってきた~! 」とは思えないんですよ. 果たして水上戦がメインになるPartUではその臭さが味わえるのでしょうか? そして何よりも一番気になるのはリン・チーリン演じる小喬. 激安 いや小喬を演じるリン・チーリン. だって彼女って本当に美しくて、曹操でなくてもその気持ちが分かるほどに色っぽくて魅力的なんですもん. 特に夫の周喩を治療するシーンは「きっとあの髪もいい匂いがするんだろうな~」と思いながら、羨ましく見惚れてしまいました. 尚香役のヴィッキー・チャオもいいですが、個人的にはもうリン・チーリンが大好きになりました. あと改めて三国志の世界を見ていて思ったのですが、この時代は本当に謙遜と尊敬の念が人を作っていたんですね. 自分の弱さを隠し相手の弱点を探る現代とは違い、自分の弱さを認めながら相手の長所に敬意を払う. だからこそ軍師・周喩と策師・諸葛孔明の間に友情が生まれたのでしょう. 草鞋を編む劉備、子供に勉強を教える関羽、書に長ける張飛、英断を迫られた孫権、そして共に琴を奏でた周喩と孔明. 戦いをメインにした映画ながら、個々を多方面から魅力的に描く監督の演出力がPartUでも発揮されることを祈りつつ、一度でいいから個人的にリン・チーリンに包帯を巻いてもらいたいと心底願ってしまう、そんな映画でした. 深夜らじお@の映画館 はこの映画よりもリン・チーリンを応援します.