10-顔を洗いに出ている間に、

June 27 [Thu], 2013, 12:10

女中が手早く蚊を畳
たたアディダス スニーカー

んで床を上げている。そこを通り抜けて、唐紙を開けると、居間である。
 机が二つ九十度の角を形づくるように据えて、その前に座布団が鋪
adidas スニーカー

いてある。そこへ据わって、マッチを擦って、朝日を一本飲む。
 木村は為事
しごとアディダス クライマクール

をするのに、差当りしなくてはならない事と、暇のある度にする事とを別けている。一つの机の上を綺麗に空虚にして置いて、その上へその折々の急ぐ為事を持って行く。そしてその急ぐ為事が片付くと、すぐに今一つの机の上に載せてある物をそのあとへ持ち出す。この載せてある物はいつも多い。堆
うずたかadidas カントリー2

く積んである。それは緩急によって畳
かさ
ねて、比較的急ぐものを上にして置くのである。
 木村は座布団の側にある日出
ひので
新聞を取り上げて、空虚にしてある机の上に広げて、七面の処を開ける。文芸欄のある処である。
 朝日の灰の翻
こぼアディダス キャンパス

れるのを、机の向うへ吹き落しながら読む。顔はやはり晴々としている。
 唐紙のあっちからは、はたきと箒
ほうき
とのアディダス スーパースター
音が劇
はげ
しく聞える。女中が急いで寝間を掃除しているのである。はたきの音が殊に劇しいので、木村は度々小言を言ったが、一日位
くらい
直っても、また元の通りになる。はたきに附けてある紙ではたかずに、柄の先きではたくのである。木村はこれを「本能的掃除」と名づけた。鳩
はと
の卵を抱いているとき、卵と白墨の角を
おと
したのと取り換えて置くと、やはりその白墨を抱いている。目的は余所
よそ
になって、手段だけが実行せられる。塵
ちり
を取るためとは思わずに、はたくためにはたくのである。
 尤
もっと
もこの女中は、本能的掃除をしても、「舌の戦
そよ
ぎ」をしても、活溌で間に合うので、木村は満足している。舌の戦ぎというのは、ロオマンチック時代のある小説家の云った事で、女中が主人の出た迹
あと
で、近所をしゃべり廻るのを謂

うのである。
 木村は何か読んでしまって、一寸
ちょっと
顔を蹙
しか
めた。大抵いつも新聞を置くときは、極
ごく
apathique
アパチック
な表情をするか、そうでなければ、顔を蹙めるのである。書いてあるのは毒にも薬にもならないような事であるか、そうでなければ、木村が不公平だと感ずるような事であるからである。そんなら読まなくても好さそうなものであるが、やはり読む。読んで気のない顔をしたり、一寸顔を蹙めたりして、すぐにまた晴々とした顔に戻るのである。
 木村は文学者である。
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:dvhfj5555
読者になる
2013年06月
« 前の月  |  次の月 »
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
最新コメント
ヤプミー!一覧
読者になる
P R
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
http://yaplog.jp/dvhfj5555/index1_0.rdf