メジャーいけば楽

August 26 [Fri], 2011, 13:29
 彼は船の後部通路にそって無造作《むぞうさ》に進み、いまはからっぽになっている戦闘員室にはいった。ここでハンモックに横たわり、加速帯をとじ、スパイ光線を制御《せいぎょ》室に放射した。すると、海賊の船長の映像プレートの中に、下方の惑星のけわしい地形が映っているのが見えた。メジャー DVDパイロットはそこへ向けて一マイル、一マイルと船を降下させているのだ。キニスンは考えた。こいつは強引《ごういん》な降下だ。パイロットはなかなかよくやっているが、わざとむずかしい方法をとっているのだ。船をまっさかさまに降下させているが、そうせずにもう一度惑星のまわりに螺旋をかいて、それから下部ジェットを噴射《ふんしゃ》させながら滑走して《らく》なのだ。下部ジェットは、そのような目的で設計され取りつけられているのだから。だが、パイロットはわざわざ困難な方法をとりつづけ、船は制動ジェットの激しい噴射の反動ではねあがり、とびあがり、きりきりまいして、急速に降下していった。パイ
ロットが船を水平にして通常の着陸姿勢をとったのは、あの巨大な火口の一つの中にはいりこんで、あのへりよりずっと下に降りてからだった。
 キニスンは船の速度がまだ速すぎると思ったが、海賊船のパイロットは自分のしていることをよく知っていた。船はその巨大な縦穴をまっすぐに五マイルも降下してやっと底に達した。縦穴の壁には多数の窓がついていた。船の正面には巨大な気密境界《エア・ロック》の外側のドアがぼんやり浮きあがっていた。それが開き、船は着陸台もろともその内側に引きこまれ、巨大なドアが後ろでしまった。これが海賊の基地であり、そしてキニスンはその中にはいったのだ!「アテンション!」海賊の船長が叫んだ。「ここの空気は致命的《ちめいてき》に有害だから、宇宙服を着《つ》けて、かならず酸素タンクをみたしておくこと。われわれのための部屋があって、そこの空気はいいが、わしが命令するまでは、ちょっとでも宇宙服を開いてはならん。集合! 五分以内にこの制御室にこないものは、船に残ってなりゆきにまかせることになる」 キニスンはすぐ心をきめて、乗組員といっしょに集合することにした。船の中にいたのでは何もできなかったし、もちろん船内は点検されるだろう。彼は充分空気を持っていたが、宇宙服はどれも似たりよったりだし、海賊たちが彼を疑ったときは、レンズが警告してくれるだろう。集合したほうがいい。もし点呼があったらだが……そのときはそのときで、なんとか切り抜けられるだろう。
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