古畑任三郎ちは純粋

August 19 [Fri], 2011, 12:27
「まあ、ディック!」ドロシーが嬉しい悲鳴をあげた。「あたしたちの家が見えるわ――それからマーチンの家も! でも、二軒並んでいると、ちょっと奇妙な感じだわね。室内も同じかしら? あの、二軒の間にはさまっている、小さな低い建物は何なの?」
「ああ、二軒とも原型どおりに作ったんだよ。もちろん、中に入れる家具類は、ここで要らないものは省いたけれど。住宅の間に見えてるのは制御室なんだ。あのなかに、機械頭脳のマスター・ヘッドセットと監視器がしまってあるんだ。機械頭脳は、ぼくたちの使いなれた言葉で言えば地下室だよ。古畑任三郎 DVD-BOX小惑星の外殻の内部にある」
 小宇宙船は、ふんわりと着陸した。四人の宇宙放浪者たちは、芝生の上へ降り立った。短く刈り均《なら》された、春先のような新鮮な芝生であった。ドロシーは、びっくりしてしまって、膝を崩しかけた。
「あら、無重力ではないのね、ディック? この重力は自然のものじゃない――自然であるはずがないわ。重力もあなたたちが作ったんでしょう?」
「そうさ、マートとぼくで苦心して作ったんだよ。ぼくた知性人からも、超空間からもたくさんの知識を獲たことは獲たが、この第六系列装置を完了するまでは、根本の方程式も誘導できなかったし、せっかく獲得した知識も宝の持ち腐れで、応用ができなかったんだ。しかしもう、これができたから、どんな重力でも作ってやれる。大きい重力、小さい重力――お好み次第だよ」
「まあ、すばらしい! ほんとに素敵だわ、あなたたち!」ドロシーが溜息をついている。「あたしって、いつも無重力なので、ムリして身体を張っていたんだわ。愉しい我が家はあるし、何から何まで揃っているし、あたしたち、ほんとに完全にすばらしい生活がエンジョイできるわね!」
「ここがダイニング・ルームだよ」シートンがてきぱきと説明してくれる。「君がディナーを注文するときとか、調理部でできるものなら何でも注文するとき、頭につけるヘッドセットはこれだよ。ほら、この家にもキッチンはあるが、純粋に装飾的なもので、使いたいときなら使っていいが、ふだんは使わないんだよ」
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