序章 

November 13 [Sat], 2004, 10:47
風が森を駆け抜け、葉の音が闇夜の静寂を裂いていく・・・。
どことも知れぬ深い森の中、一人の青年が焚き火に前に座っていた。
その青年の隣には、一つの鞄と・・・鞘に入った、一本の剣があった。
「今日は・・・大丈夫だったな・・・。」
そうつぶやきながら焚き火に薪をくべた彼は、ゆっくりと空を見上げた。
青髪の青年の眼前には、数え切れないほどの星が輝いていた・・・。


   Double Braver・序章  邂逅


その森の、また別の場所・・・。一人の少女が、暗闇を駆け抜けていた。
「こ、こっちに来ないで!!」
黒髪の少女は後ろを振り返りながら叫ぶ。その手には、黒く光る銃が握られている。
しかし突然、彼女の体は突風によって前方へと吹き飛ばされた。
「きゃあ!!」
少女は左肩から地面に叩きつけられる。彼女はその左肩に手を添えながらも、すぐに立ち上がる。
その背後に、体長十数メートルもある影が現れた。
それは、何体もの生物が合成されたような姿だった。
頭部に牛・鷲・ライオンの頭があり、尻尾は一匹の蛇となっていた。
その気配に気付いた少女は、後ろを振り返って銃を構える。
「来ないで!!これ以上寄ったら撃つわよ!!」
しかし、この魔獣・・・キマイラはその言葉を受け入れない。むしろ、頭部の鷲は大声で笑っている。
キマイラは奇声を発しながら、ゆっくりと少女に近づいていく。
「来ないで!!!」
少女が引き金を引く。銃弾は牛の目を貫き、キマイラは叫び声を上げながらうずくまる。
その姿を見て、少女は再び逃げ出そうと後ろを向いた。
しかしその直後、彼女はキマイラの豪腕に殴りつけられた。
「う、うう・・・。」
すぐに立ち上がろうとする少女。しかし、体が言うことをきかない。
さらに、さっき打った左肩に激痛が走り、彼女はその場に座り込んでしまった。
後ろを振り返れば、怒りに狂ったキマイラが再び腕を振り上げていた。
「いやぁぁぁぁ!!!」
少女は頭を抱え、目をふさいだ。

第1章・No.1 

November 18 [Thu], 2004, 18:29
「お願いします!!」
宿屋のカウンターで、少女が頭を下げる。その姿を見て、宿屋の主人が眉をひそめる。
「だけどねぇ・・・君も、今の状況を知らないわけはないだろ?」
主人の言葉に、少女・・・セラは頭を上げる。
「最近は反乱続きで、警察もちゃんと機能してない状況なんだ。
 そんな中、素性のわからない者を泊める訳にはいかない。
 うちの店の中で何か起こっちゃ困るからね。」
主人がタバコに火をつけながら話す。セラがカウンターを乗り出す。
「だから、私はただの旅行で・・・!」
「このご時世に、旅行する人がいるかい?」
主人の切り返しに、セラは口を閉ざす。そのとき、裏の扉から女将が入ってきた。
「泊めてやりなよ、あんた。野宿させるのはかわいそうだろ?」
「だが、もしものことを考えると・・・。」
「大丈夫さ。ここはまだ政府軍がいるし、部屋もまだ空いてるしさ。」
女将の言葉を聞き、主人がしぶしぶ宿帳を差し出す。
「あ、ありがとうございます!」
「泊める代わりに、ここを出るまで部屋から出ないでくれるかな?
 騒ぎを起こしてもらいたくないからね。」
主人が眉をひそめながら話す。セラは、肩を小さくしながら宿帳に名前を書き込んだ。


   Double Braver・第1章  赤髪の悪魔


「・・・はぁ・・・。」
すっかり暗くなり、明かりのともった夜の町を眺めるセラ。
森の中で青年と別れた彼女は、彼の言うとおりの道を歩いて森を抜け出した。
そして、その場で一番近かったこの町にたどり着いたのであった。
「・・・きれい・・・。」
彼女がつぶやく。ここは魔法都市であり、街には魔力を用いた灯りが設置されている。
機械都市に育ったセラにとって、そのやわらかい光はとても新鮮だった。
彼女は、その光で彩られた街をぼんやりと見つめていた・・・。

第1章・No.2 

November 18 [Thu], 2004, 18:36
「・・・大丈夫か!?」
どれだけ時間がたったのだろう。彼女の耳に、聞き覚えのある声が入ってきた。
「なぁ!生きてるか!?」
その声に、彼女はゆっくりとまぶたを開ける。
そこにいたのは、森で出会ったあの青髪の青年・・・クルスだった。
「よかった!大丈夫か!?」
「あ、あなたはあの時の・・・。」
セラが消え入りそうな声を出す。それを見たクルスは、彼女の体に右手を当てた。
「待った!じっとして・・・。」
そういうと、彼は目を瞑って何かをつぶやき始めた。彼の右手が光り始める。
「今ここで傷つきし者に、癒しの光を与えよ!ケアルガ!!」
クルスの右手にあった光がセラの体に伝わっていく。
その光に包まれると、彼女は自分を襲っていた痛みが消えていくのを感じた。
「あ、ありがとう・・・。」
自分の体を包んでいた光が消えた後、セラが礼を言う。その声には、先ほどより力がある。それを聞き、クルスは安堵の表情を浮かべた。
「ど、どうしてあなたがここに・・・?」
「それより、ここは危険だ。立てるか?」
セラの問いかけを、クルスは自分の言葉でさえぎった。
彼女はすこし眉をひそめたが、すぐに彼の質問に答えた。
「まだ、ちょっと立てないかも・・・。」
「それじゃ・・・。」
そういうと、彼は背負っていた鞘を腰につけなおし、セラを背におぶった。
クルスの素早い行動に、彼女は驚きと戸惑いを覚える。しかし、それと同時に妙な安心も感じていた。
「とりあえず走ってこの街を抜けよう。揺れるだろうから、痛かったら言ってくれ。」
「は、はい・・・。」
そう話すと、彼は全速力で街の中を駆け始めた。
セラの顔が少しだけ赤くなっている。しかし、クルスはそれに気付いていなかった。

第2章・No.1 

November 27 [Sat], 2004, 13:36
「ねえクルス・・・。あなたはどうして旅をしてるの?」
夕方、森の中で二人が薪を集めている時にセラが突然問いかけた。
クルスはセラのほうをちらりと振り向くが、すぐに足元の木の枝を拾い始めた。
「それじゃ、君はどうして旅をしてるんだ?」
「そ、それは・・・。」
彼の言葉に言葉を詰まらせるセラ。もう、何回目の行動だろう?
「な、それぞれ、明かしたくない理由っていうのがあるんだ。しかたないだろ?」
どうも話が進まない。2人で旅を始めて数日になるが、彼は自分のことを話そうとしない。
今まで、何度もセラは彼の過去を知ろうとしてきたが、こうやって話を切られてしまっていた。
「う、うん・・・。」
結局、その話を終わらせるセラ。彼女の心の片隅には、小さなわだかまりがとどまっていた・・・。


   Double Braver・第2章  疾風の剣士


「そういえば・・・。」
夜も更け、2人で焚き火を囲んでいた時にセラが再び問いかけた。クルスが彼女の顔を見る。
「・・・あなたが私を助けるために使ったのって、魔法だよね?
 確か魔法って、魔物くらいしか使えなかったんじゃ・・・?」
そう、彼らの住む世界において、魔法は人にあらざるものが使う秘術である。
魔法を使う魔族などに対抗するために、人間が発達させたもの・・・それが機械だった。
「・・・あなたは、一体何者なの?」
セラが続けざまに問いかける。しかし、また話を切られるだろうと予想していた。
「・・・俺の故郷は、辺境の村・フォルガバード・・・。」
そのとき、クルスが小さくつぶやいた。突然の彼の告白に、驚くセラ。
「遙か昔、人間の中にも魔法を使える者がいたんだ。
 だが、時が経つにつれてその数は減っていき、機械を用いる者が増えてきた。
 機械勢力による迫害を受けた俺達の祖先は、辺境の地に逃げた。
 そこで・・・俺達は小さいながらも、村を作ったんだ。」
彼は空を見上げながら話す。セラは、そんな彼の姿をじっと見つめていた。

第2章・No.2 

November 27 [Sat], 2004, 13:44
「改めまして、セラの兄のフェロッズです。」
クルスに手を差し出すフェロッズ。クルセも手を出し、彼の手を握る。
「ど、どうも・・・。それにしても、君に兄貴がいたとは・・・。」
セラのほうを向きながら、クルスが頭を掻く。その姿を見て、セラが微笑む。
「いつか言おうと思ってたんだけど、言う機会がなくて・・・。」
「まぁ、いいじゃないですか。こうして会えたんですから。」
フェロッズの言葉に笑い出す三人。
「ところで・・・。これからどうします、セラ?」
笑いが収まった後、少し真剣な顔になったフェロッズがセラに話しかける。
「うん・・・一体どこに行けばいいんだろう・・・?」
二人の様子を見て、深い事情があることを感じるクルス。
「一体何があったんだ?レジスタンスであるあなた達が、旅をするなんて・・・。」
自分の旅の理由を明かしていない負い目もあったが、彼は素直に聞いてみた。
セラの顔に迷いの色が出てくる。彼女はふと、兄の顔色を伺った。
「わかりました。話しましょう・・・。」
セラのほうを向いてうなずいた後、彼が口にした言葉はこれだった・・・。

第3章・No.1 

January 27 [Thu], 2005, 20:26
「フォルガバードまでは、あとどれくらいなの?」
「ん〜・・・。あと、3日くらいかな。」
木漏れ日が差し込む森の中、セラが問いかけてきた質問に、クルスが答える。
「しかし、そんな隠れ里のようなところに私達が行っても大丈夫なんでしょうか?」
クルスの少し後ろを歩いていたフェロッズが不安げに話す。
クルスは彼のほうを振り向き、笑顔を見せる。
「大丈夫。辺境の村とはいっても、閉鎖的な集団じゃないから。
 俺を信じて、な。」
その直後、彼らの目の前が突然明るくなる。
3人は森を抜け、その目の前には果てしない平原が広がっていた。
ところどころには紫色の花が咲き、平原を彩っている。
「きれい・・・。」
「けど、見通しがいいですね・・。政府軍に見つかったら、どう逃げるか・・・?」
フェロッズが眉をひそめる。その姿を見て、クルスが口を開く。
「でも、フォルガバードへ行くにはここを抜けるしか道が無い。
 なるべく急いで抜けよう。」
そういうと、彼は平原を駆けはじめた。セラ・フェロッズの二人も、先を行くクルスの後を追い始めた。


   Double Braver・第3章  覚醒


「それにしても、どうして君は旅をしているんですか?」
しばらくしてフェロッズがクルスに追いつき、彼の隣を併走しながら話す。
「そ、それは・・・。」
「私達の旅の理由は話したよ。今度は、君が明かす番じゃない?」
答えに詰まるクルセの後ろから、今度はセラが話しかける。
しばらく、全員が黙り込んだままの疾走が続く。
「・・・悪い。どうしても、話せないんだ・・・。」
そういって、走る速度を上げて2人からはなれるクルス。
フェロッズと顔をあわせた後、セラは先を走るクルスの後ろ姿を見つめていた。

第3章・No.2 

January 27 [Thu], 2005, 20:30
「く、クルス・・・?」
隣で彼の変わる様を見ていたセラは、知らず知らずのうちに彼から離れていた。
髪の色が完全に赤に変わった後、彼は何事もなかったかのように立ち上がった。
その目からは、いつもの彼からは感じられない、底知れぬ殺気がみなぎっている。
「な、なんだお前は!?」
すぐそばにいるウルザが、赤髪の青年に銃口を向ける。
その姿を見て、赤髪の青年が小さく笑みを浮かべた。
「・・・邪魔だ。」
そういうと、彼はウルザのほうに掌を向ける。その掌から、灼熱の業火が放たれた。
「ぐあああ・・・あ・・・。」
炎の中でもがいていたウルザだが、すぐにその場に倒れこんで動かなくなった。
「う、撃てぇ!!!」
政府軍将官が兵士に号令をかけた。包囲する兵士の全員が引き金を引く。
しかし、弾丸は全て青年の前で動きを止め、地面に落ちていった。
「・・・消えろ。」
そういうと、彼は包囲する兵士の中に突撃していった。
その腕は、次々と彼らの体を貫通していく。彼の手にかかって、死なない者はいなかった。
「や、やめて・・・!!」
フェロッズの肩を借りて立ち上がっていたセラが、小さくつぶやく。
「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
彼女の声が平原に響き渡る。その声を聞き、赤髪の青年の動きが止まった。
「・・・くっ!」
再び頭を抱えるクルス。
しばらくその状態を続けた後、彼はその場に膝をつき、倒れこんだ。
「クルスさん!!」
セラを座らせ、クルスのもとに駆け寄るフェロッズ。
多くの兵士とともにうつぶせに倒れる彼の髪は、再び鮮やかな青に戻っていた。
「・・・これは・・・。」
そういいながら、セラの方を振り返るフェロッズ。彼と同じく彼女も、戸惑いの表情を浮かべていた・・・。

第4章・No.1 

February 02 [Wed], 2005, 0:24
 「ここが・・・フォルガバード・・・。」
森から出たフェロッズが、目の前に現れた光景に足を止めた。
前を歩いていたクルスも立ち止まり、彼のほうを振り返る。
「そう、隠された魔道士の村・・・俺の故郷さ。」
フェロッズに遅れて、セラも森から出てくる。彼女も足を止め、前を見てため息をつく。
「・・・きれい・・・。」
3人の目には、山の斜面に作られた小さな集落が映っている。
機械都市であるキスレブよりは栄華も感じられず、観光地とはお世辞にもいえない村。
だがセラにとっては、静かな時が流れる平和な場所のように感じられた。
「あそこが、村の入り口だ。」
そう言いながら、クルスが村の一点を指差す。村を囲む塀の中、そこだけ塀が途切れていた。
「ねぇ、早く行こうよ!」
セラがうれしそうな声を出し、入り口に向かって走り出した。フェロッズもそれに続く。
「あ・・・。ちょ、ちょっと・・・!」
走り出した2人を見て、クルスが急に慌てだす。彼もすぐに、前の2人を追った・・・。


   Double Braver・第4章  はるかなる故郷、そして迫害


「ちょ、ちょっと!!2人とも待ってくれ!!」
村の入り口を目の前にして、クルスが2人に追いついた。
呼び止められ、フェロッズが彼のほうを振り向く。
「ど、どうしたんですか、そんな顔をして・・・?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ・・・。」
ひざに手をつき、肩で息をするクルス。その姿を見て、セラが彼に近づく。
「どうしたの?早く村の中に入ろうよ。」
「その前に・・・。ここでお別れだ。俺はもう行くよ。」
「え!?」
クルスの言葉を聞き、驚きを隠せないセラ。フェロッズも驚き、すぐに反論する。
「ど、どういうことですか!?せっかくの故郷なんですから、ゆっくりしていけば・・・!」
「いや、そういうわけにはいかないんだ。すぐに、ここを離れないと・・・。」
そういうと、クルスは村に背を向けて歩き出した。しかし、セラがすぐに彼の前に出てくる。
「どうして!?理由を教えて!!」
「そ、それは・・・。」
「・・・クルス?クルスか?」
クルスが答えに困っているとき、村の入り口から声が聞こえた。
クルスが振り返ると、そこには彼と同年齢くらいの、黒髪の青年が立っていた。

第4章・No.2 

February 02 [Wed], 2005, 0:32
「あ、あの・・・私たちは・・・?」
そのとき、フェロッズが申し訳なさそうにアルスに話しかけた。アルスが彼のほうを振り向く。
「ああ、とりあえず・・・。セリス、お前の家に案内しろ。
 後で、詳しい事情を聞きましょう。」
アルスの言葉を聞き、頭を下げるセリス。その姿を見た後、アルスはクルスのほうを向く。
「さぁ、すぐにここから出て行け。2度と、我々の前に現れるな。」
「・・・はい。」
クルスは頭を下げると、森のほうへと歩き始めた。その途中で、セリスとすれ違う。
(・・・あの2人を、頼む・・・。)
すれ違う瞬間、クルスがセリスに小声で話しかける。
セリスも、背を向けるクルスに対して話しかけた。他の誰にも聞こえないほどの小さい声で。
(後でティナをそっちに送る。森の中で待っていろ。)
その声を聞き、クルスは小さくうなずいた。そしてそのまま、森の中へと消えていく。
セラとフェロッズは状況を飲み込めないまま、彼の後ろ姿を見つめていた。


「ただいま〜。」
「おかえり〜。って、その人たちは?」
セリスの方を向いて、首をかしげる少女。緑色の髪をし、年齢はセリスに近そうだ。
「ああ、ちょっと事情があってさ・・・。さぁ、どうぞ中へ。」
そういって、セラたちの方を向くセリス。2人は頭を下げ、家の中に入ってきた。
「こ、こんにちは・・・。」
どうやら、人見知りなところがあるらしい。少女は少し慌てながら2人に頭を下げた。
「まぁ、詳しい話は後で話すよ。とりあえず・・・。」
そういうと、セリスは少女の方へと近づいて耳打ちをした。
「クルスが森の中にいる。会いに行ってきな。」
セリスの言葉を聞き、目を見開く少女。少女はゆっくりと、セリスのほうを向く。
「僕は大丈夫。さぁ・・・。」
うなずきながら、セリスが話す。その姿を見て少女もうなずき、家から出て行った。

第4章・No.3 

February 02 [Wed], 2005, 0:37
「そうやってクロスは村の半分を破壊して・・・、元の、クルスに戻ったんです。
 俺もティナも、長老たち村の指導者もなんとか無事でした。
 これから、みんなでクルスを助けて、一緒に村を立て直す・・・そう思ったのに・・・。」
「村の評議会が、クルスに追放処分を言い渡したの。」
突然、入り口から声が聞こえる。3人がそちらのほうを見ると、そこにはティナが立っていた。
「長老達は・・・クルス一人より、村のみんなを優先したの。
 危険であるというだけの理由で、評議会は彼を冷遇した・・・。
 つらかったのは私達よりも、自分の手で親や友達、村の人を殺してしまった彼だったのに・・・。」
そういって、ティナもセリスの隣に座る。彼女の目には、涙がたまっていた。
「処分に反対したのは・・・僕と、ティナだけだった。他のみんなは、処分を黙認したんです・・・。
 あのときほど、僕は怒りを覚えたことは無い・・・!!」
セリスの声に熱が入る。セラは、さっきからずっと黙り込んでいる。
「そして、クルスは追放されました。あいつは、文句も何も言わなかった・・・。
 それからこの村は、何もなかったかのように今までと同じ生活をしているんです・・・。」


4人の間に、重い空気が流れる。そのとき、入り口のドアをたたく音がした。
ティナがゆっくりと立ち上がり、ドアを開ける。そこには、重装備をした男が立っていた。
「ネルスさん・・・。」
「やぁティナ。ここに、今日村に来た2人組がいるだろ。長老が、彼らに会いたがってるんだが・・・。」
男の声を聞き、セリスが立ち上がる。そして入り口にいるネルスの方を向き、口を開く。
「わかりました。僕がお連れするんで、ネルスさんは長老にそう伝えてください。」
「ああ、わかった。」
男が道を走り出す。それを見た後、セリスがフェロッズたちのほうを向く。
「それじゃ、行きましょう。ただ、この話は長老の前ではしないように。
 彼らは、このことを闇に消し去ろうとしていますから・・・。」
そういって、セリスが家を出た。セラとフェロッズも続いて家を出ていく。
長老の家への道の中、セラの心にはある一つの決意が芽生えようとしていた・・・。
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