(無題)

January 30 [Fri], 2009, 15:44


風は冷たく僕はもっと冷たい。
すこし頭が痛い気がする。
すこし自分が自分じゃない
気がする。
気がするだけ。


気がするだけ?


「僕は」


ぼくは


「えーっと」


えーっと…


「名前…」


なまえ


「なんだっけ」


分かんない


空は青く太陽は高く遠い
とりあえず右足を前に
おもいっきり力を入れて
踏み出してみた。


そこは僕の知らない場所だった。




ここはたぶんビルの屋上。
少し寂れた街だ。
白いペンキ塗りの鉄製の柵は
錆びていて風でギシギシと鳴る
こんな脆い柵じゃ
誰も救えやしない。


「ここどこだよ」


「なんでここにいるの」


「僕って?」


膝を抱える、言葉を零す
ギシギシ鳴る柵より小さな声で
また風が吹く、僕は気付く



「記憶喪失ってやつですか」



強く風が吹いた
僕は仰向けに倒れる
空を見上げた
雲で太陽が隠れる

周囲が少し暗くなって一瞬で空気が変わった
クラクション、鳥の声
木の葉が擦れる音、風の音



「さよなら」




僕はギシギシ言う柵に飛び込んだ


あなたに僕は救えない
そんな脆いあなたじゃ
僕は救えないんだ
そんな脆いあなたを
掴めないのも僕なんだ


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