潰瘍性大腸炎とクローン病の新薬フィルゴチニブがフェーズ3へ

2016年10月13日(木) 18時06分
ガラパゴス社は新薬フィルゴチニブで、クローン病患者の第3相臨床試験「DIVERSITY」(NCT02914561)と、潰瘍性大腸炎の第2b/3相臨床試験「SELECTION」(NCT02914522)を開始するため欧米の当局と調整が完了した。

フィルゴチニブはJAK1(ヤヌス・キナーゼ1)の選択的抑制剤です。インターロイキンなど炎症誘発性サイトカインはシグナリング経路で炎症に至ります。ヤヌス・キナーゼ1はこのシグナル伝達に関わる酵素なので、これを遮断することで、クローン病で有効性を示す最初のJAK抑制剤です。

臨床試験は、中等度から重症の活動性クローン病において、抗TNFαを未使用あるいは効果がなかった患者さんへ、フィルゴチニブ(1日1回100mgと200mg)と対偽薬を服用させ、効能と安全性を評価します。

まだ治験は開始していませんが同社は今年後半に、最初の患者さんに服用させると思います。

このスタディの1.300人の患者の集団は、米国、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、カナダとアジア太平洋で編成されます。

潰瘍性大腸炎患者の「SELECTION」臨床試験では、優越性・非劣性が検証できそうもないかどうかの分析を必要とします。そして、それはフェーズ2bで行われます。

米国において、少なくとも1つの抗TNF剤とvedolizumabの効果が無かったならば、200mgのフィルゴチニブで治療されます。
フィルゴチニブの第3相プログラムは男性患者の精巣の安全性分析も取り入れます。

「アメリカと全ヨーロッパの当局との議論の結果は、私たちの協同パートナーであるギリアド社が、IBDでのフィルゴチニブをさらに評価するのを可能にします」と、ピート博士(ガラパゴス社 主任役員)はプレス・リリースで言いました。
「FITZROY」臨床試験第2相においてクローン病患者で報告される、臨床徴候の改善、生活の質、内視鏡検査が、次のステップをサポートします」とも言いました。

ガラパゴス社は、「FITZROY」臨床試験(欧州消化器病学会週間での174人のクローン病患者におけるフィルゴチニブ第2相臨床試験)から、内視鏡改善と他の重要な所見を最近報告しました。

ガラパゴス社とギリアド・サイエンシズ社は、炎症性疾患のためにフィルゴチニブの進展と商品化のために、グローバル・パートナーシップを開始しました。
8月に、ギリアド社は慢性関節リウマチの治療のために、フィルゴチニブの「FINCH」第3相プログラムを開始しました。

--------------------以下はわかりやすくするための独自解説です

JAKこと、ヤヌス・キナーゼを阻害するのは、ファイザーの「ゼルヤンツ」という薬もそうで、関節リウマチの薬として使われています。
注射ではなく低分子の経口薬で生物学的製剤ではないです。

「JAK経路を阻害することでシグナル伝達を抑制し、サイトカインの過剰産生を抑制する」という作用機序ですが、
これはものすごく細かい段階を端折って乱暴にいうと、

細胞と炎症性サイトカイン(TNFα、IL-6など)があるとします。

1・サイトカインは細胞膜を通過できないので細胞膜の表にある受容体にくっつく
2・くっつくと、情報を伝達するためにJAKという酵素を使ってシグナル伝達をして、細胞の中にある核に伝わる
3・情報が伝わると細胞は活性化して増えたり、自らも炎症を作り出すサイトカインを出すようになってしまう
3・よって、炎症を引き起こすサイトカインであるインターロイキン(特にIL-2,IL-4,IL-7)の情報伝達をJAKが行っているので、これを阻害すると炎症を抑えることができる

 ということです。
 レミケードなどこれまでの抗TNFα阻害剤などは、細胞膜の表の受容体にTNFαやインターロイキン6などサイトカインくっつくことを阻害していましたが、JAK1阻害剤は、受容体が炎症を出させる情報を、細胞の中に伝わらないようにする、という違いがあります。

クローン病の抗ヨーネ菌薬の治験加速化へ

2016年10月12日(水) 18時12分
欧米で、RedHill Biopharma社の開発したクローン病治療の抗生剤合剤「RHB-104」によって26週間でCDが寛解導入できるか、その安全性と有効性を評価するフェーズIIIが行われています。
2016年10月10日の情報では
「(速度を速めるため)途中解析の結果がすごく効いたか無効かによっては早め(2017年第二四半期)に試験を終了するかも」
とのこと。

対象は中程度から重度のクローン病患者(18〜75歳男女)。
RedHill Biopharma社はイスラエルの製薬企業です。
試験薬のRHB-104は抗生物質の3剤(clarithromycin, rifabutin, clofazimine. クラリスロマイシン 95 mg、リファブチン 45 mg、クロファ ジミン 10 mg)を合わせたものです。

ヨーネ菌とクローン病には関連あるのではということが前提で、抗MAP菌薬として治験しています(10・10)

●真菌がクローン病に関与している可能性

2016年10月07日(金) 14時30分

米の真菌研究者らが、クローン病患者及び家族、そして健康者の微生物叢を調べ、一つの真菌と2つの細菌がCD病患者とその家族に多かったと発表。
分析された真菌はカンジダ・トロピカリスで、細菌はエシェリヒア属大腸菌と霊菌(セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens))だった。

北フランスとベルギー地域のCD患者20人及び病気にかかっていない一親等の28人の9家族と、同地域の健康な非CDの4家族21人で糞便を比較して分析した。

・CD患者及びその家族では、細菌叢ではなく、真菌叢が一緒の集団だった。
・家族(CD患者及びその家族)と非家族では微生物叢が異なっていた。
・CD患者では有益な細菌が減少し、大腸菌と霊菌が増加していた。
・CD患者では真菌のカンジダ・トロピカリスが家族よりかなり豊富だった。
・豊富な真菌カンジダ・トロピカリスは明らかに大腸菌と霊菌に相関していて、腸で相互作用があることが示唆された。


これまでマウスでは真菌がIBDを悪化させることがわかっていた。またCDに対する細菌の研究はされてきた。今回人間においてCDにおける細菌と真菌の関係性を明らかにしたのは初めて。この結果は真菌と細菌の役割を考えさせられ、新しい治療と診断検査法の開発につながるかも知れないとした。

米国ケース・ウェスタン・リザーブ大学のM. Ghannoum 皮膚科教授が9月20日に『mBio』で発表した。

※細菌と真菌の違い
細菌は核膜と小胞体とミトコンドリアがない。染色体が1つ。
真菌は核膜と小胞体とミトコンドリアがある。染色体が複数。
真菌は白癬菌やカビや酵母菌など
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