三毛猫1 

2005年08月03日(水) 2時40分
誰かが三毛猫に言いました。

「じゃあ頑張らないの?
 どうにもならなくても頑張ることに意味がある」

と。

「よしじゃあ頑張るよ」

その結果、三毛猫は二三ヶ月のあいだ監視カメラのついた闇の中へ。
麻痺して動けない彼の餌箱には虫がわき、兄弟達は目の前で殺されました。
そして三毛猫は悟ったのです。
首輪と鎖はつけたまま絶対服従しかないってね。

そんな三毛猫でも何かを思ったり考えたりすることはできます。
でも怒りは消え、哀しみも無くなってゆきました。
残ったのは大きな大きな空虚感。

頑張る。
何を。
何の為。
誰の為。

そうして色褪せてゆく小さい箱の中。
大きなTVがあったって、流行りの服を着れたって、ふかふかのベッドや洒落たローボードが置いてあったって、三毛猫には興味がありません。

「どうでもいいよ、なんだっていいよ。
 欲しいものはここに何ひとつ無いじゃないか」

そのうち三毛猫は何かを魅ることや望むことをやめました。

時々、三毛猫のところへ犬が遊びにやって来ます。
彼をとって食うわけでもなく、小さな箱にある窓越しに外の話を聞かせてくれるのです。
その犬がどういったつもりでそんなことをするか分かりませんが、三毛猫はこの犬が好きで、同時に嫌いでもありました。

 −さて問題です。
 「猫が好きで、同時に嫌いでもありました」はなぜでしょうか−
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