桂吉坊がきく藝

2009年07月 08日 (水) 19:32
書名 「桂吉坊がきく藝」
著者 桂吉坊   出版社 朝日新聞出版  出版年 2009年

澤田さんと対談をさせてもらった時「論座」で連載していたので、連載当時から読んでいたが、あらためてまとめて読んでみると、聞き手である桂吉坊だからこそ聞けた芸の達人たちの芸談集だったことがわかる。小沢昭一、茂山千作、市川團十郎、竹本佳太夫、立川談志、喜味こいし、宝生閑、坂田藤十郎、伊東四朗、桂米朝という重鎮たちを相手に、ただ受けに回るのではなく、懐に飛び込むようにして芸談を聞き出しているのは見事である。最初の頃は聞くのに専念していた観がある吉坊が、この飛び込む戦術に変化していくのは、談志を相手にしたころからだった。談志が、この坊主ちょっとやるなあと真剣になっていく様がとても面白かった。吉坊とこの達人たちの対談を企画した視点がなかなか鋭かったといえよう。小沢さんが最初だったのだが、対談の名手でもある小沢さんがひとつ極意をさらっと披露している。
「みんな言いたいことがあるんだ。もう分かっているようなことでも、それを、ふーんなんてうなったり、のけぞったりして聞くと、どんどん出てくるだよね。それを聞いて、その後ちょっと本人も言いたがらないことについて質問をする・・・・こっちはそれが聞きたいんだよ。そうするとしゃっべってくれる。何か心がほぐれてくるんじゃないかしらね」
うーんと、うなってしまう。
満足度 ★★★

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