ロシア編 5

2008年11月 17日 (月) 17:46
まもなく着陸というアナウンス。窓から下を見ると、黒く雪原が見えるだけ。やはりマイナス30度らしい。6時着陸。ターミナルに移動する気配はなく、どうやらバスかなと思ったら、機内アナウンスで、ターミナルまでは歩きということがわかる。乗客からは思わず笑い声が。さあ、いきなり零下30度の洗礼を受けることになる。コートを着込み、リックから帽子をだして、防備。外に出て、タラップを降りるといきなり寒さがやってくる。これまでに経験したことのない寒さ、なにか胸がつまる感じである。200mぐらい歩いたところにターミナルの入り口があるかと思ったら、いきなり出口であった。そこでミキオと声をかけられる。国立サハサーカスの総裁のセルゲイであった。早朝にも関わらず、わざわざ迎えに来てくれたのだ。彼とは4年ぶりに会うことになる。いきなり出口はいいのだが、荷物を受け取らなくてはならない。セルゲイは車で待っていた方がいいというので、車で待機。20分ぐらい経ったところで、荷物受取所らしきところで人の動き。どうやら荷物が出てくるようだ。しかしこれまで車ではなく外で待っている人たちがいるのに驚く。なんとか荷物をとってタグと照合してもらう。町の中心までは15分ぐらいだという。暗くてよくわからないが、ヤクーツクの町の中心は、なにか日本の街道筋の町並みに似ているような感じがした。町の中心をちょっと過ぎたところにサーカス場があった。立派なものである。我々の宿舎はサーカス場に隣接したサーカスホテル。まだ新しく立派なものである。部屋に案内される。広い部屋だし、とにかく新しい。ただ全館禁煙なのが辛いかも。14時まで休んでくれということでセルゲイと別れる。荷物を整理して、ベットに横になる。11時すぎに目が覚める。いつものようにストレッチして、シャワーを浴びて、コーヒーを飲む。
14時部屋のあるロビーで昼食。ここでマンモスの骨でつくったミニュチュアの象をもらう。食事のあと、セルゲイの書斎に案内される。15時から子ども向けのショーを観覧。6歳の子どもが主人公のドラマ仕立てのショー。サーカスのショーは、断片的で主にストーリー仕立てのショーを楽しんでもらうというのが狙い。子どもが25人近く出ていて、皆子どもらしく失敗してもめげずに、明るく演じているのが気持ちいい。ショーが終わってからまたセルゲイのキャビネットでいろいろ雑談しながら打ち合わせ。サハサーカスは来年で15周年を迎える、そしてサーカス場ができてまだ4年目という若いサーカス団。いろいろな要素がかみ合って、ペレストロイカ以降解散に追いやられた旧ソ連のサーカス団が多いときに、逆に急成長を遂げたサーカス団。その原動力はセルゼイと奥さんなのだが、セルゲイにはまったく気負いが感じられない。なにより大きいのは中国のサーカス学校に20人もの若者を派遣し、4年間みっちり教え込んでもらったことなのだが、一人一年5000ドルという大金を国が負担してくれたということも大きい。土台をつくって、それから演出家を育てるために、モスクワの演劇学校に人を派遣したり、あわてて世界に飛び出すのではなく、しっかり基礎をつくろうというのがスゴイ。
セルゲイの言葉で印象的だったのは、まさか15年前15人ではじまったサーカス団が、こんな新しいサーカス場をつくってもらうまでなるなんて信じられないという言葉だった。自分がやったというのではなく、あくまでも自然体で臨む姿勢、それがひとつの智恵になったのかもしれない。突然ヤクーツクの新聞社の取材を受けることに。
18時いよいよサハサーカスのショー。貴賓席について公演のはじまるのを待つ。セルゲイがまず挨拶に立つ。彼はここで今日は遠く日本からお客さんを迎えての特別の公演ですと挨拶、世界でも有名なサーカスプロモーターということで、紹介を受け、立って挨拶することに。こんなことは久しぶり。
いよいよショーがはじまる。いきなりとんでもないハイワイヤーの演技。一部はシベリア風を意識しての演出。音楽もコスチュームもみんなこちらがやりたいようなつくり。とにかく野性的で、パワフル、若さを感じる。写真を撮りながら見ていたのだが、だんだんテンションが高くなってくる。ビデオを撮影していた同僚も同じよう。20分間の休憩に入る。こっちはすっかりハイテンション。また別の新聞社の取材が入る。ハイテンションのまま取材に答える。最後のジギドも見事な芸であった。ニクーリンサーカスよりも間違いなくはるかにいい番組である。
セルゲイと同じくゲストに来た国立ヤクーツク大学の哲学科の先生と夕食。この先生しゃべりだしたらとまらない。東洋の智恵(ムンドレンナスチ)のことを盛んに力説する。彼はこのサーカス団の番組づくりにいろいろアィディアを出しているらしい。
先生と別れて、残ったウォッカをセルゲイと同僚とで空けたところでお開き。
部屋に戻って少し横になる。夜腹痛で目が覚める。時差克服に失敗したのか、はたまた調子こいてウォッカと一緒に飲んだ、コムス(馬乳酒)が合わなかったのか、胸がやけるような苦しみ。ゲームをしながら痛みが和らぎ、眠気がやってくるのを待つ。3時ぐらいに少し楽になり、就寝。
  • URL:http://yaplog.jp/deracine/archive/1590
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