私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日とはいかないと思いますが、それに近いかたちで更新をしていくつもりです。

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バーバラ村田朋未通しを見る / 2010年02月08日(月)
運命をにぎる一週間が始まった。とにかく悔いのないようにやらないと、身体に気合を入れるために朝ひとっ走り。10時出社。ここへ来て10日から始まるバーバラのチケット申し込みの伸びが急。初日の公演は売れ切れまじかになっている。ギリギリにならないということはあるが、いいことである。今日の撮影の前に、いままで来ていた映像をチェック、最終的な指示をメールで送る。トゥイチーにとっても今日は長い一日になるだろう。
いままで全然見れてなかったバーバラの通しを見に、荻窪まで。19時から通し。明るい稽古場でのリハなのにもかかわらず、もの凄い劇的緊張感がある、身体で表現しきっている、サクサホーンとピアノの生演奏が伴奏ではなく、バーバラの身体に共鳴し、さらに身体の表現に奥行きを与える。70分これだけ集中させるとは見事である。それにしても村田君、きれいだったなあ。身体で演じきっているそのことが彼女の美を内面から引き出したのかもしれない。
こっちまで火照ってしまった。バスで荻窪まで出て、荻窪に下宿時代によくいっていた丸福のラーメン屋をのぞくと、なんと明後日まで休み。がっくり・・・・隣の中華屋でハンチャンセット。ぜんぜん半チャンではなく、一人前ずつある。600円と格安なので期待はまったくしてなかったのだが、ラーメンとチャーハンの単品としてはまったく自己主張せずふつうなのだが、チャーハンを口にいれてラーメンをすすると、これがなかなかいける。ちょっと得した感じである。
荻窪の駅のまわりはずいぶん変わったが駅はあのときのまんま、いいではないか。23時帰宅。今日は呑まないでおこう。
 
   
Posted at 12:20 / お仕事日誌 / この記事のURL
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あんにょん由美香 / 2010年02月07日(日)
作品名 「あんにょん由美香」
演出・構成 松江哲明 出演 林由美香 ユ・シンソン 他
制作年 2009 119分

いつも通訳してくれるKさんから面白い映画ですよと教えてもらってから、半年あまり、やっと見ることができた。教えてもらった時は東中野のポレポレでやっていたのだが、タイミングが合わず、姫路にいる時に大阪でやっていたのだがやはり行けず、やっと横浜のジャック&ベティにかかったので見に行ってきた。なぜこんなに執念をもやしたかというと、なにより大好きな女優林由美香をめぐる映画だったからだ。あまりにも早い急な死により女優として名を残すことになったといえるかもしれないが、この世にいないということは事実。この映画は韓国でつくられた林が主演したエロ映画『東京の人妻』の関係者をたどりながら、彼女と深い関係にあった男たちも登場、彼女について語ったり思い出ある場所を訪ねたりと、林由美香への慕情を昇華させている。面白い手法だった。男たちが語っていく林由美香のなかに、林という女性がもしかしたら空虚をかかえ生きていて、男たちの関係性のなかに生きるすべを見出していたのではと思うようになってきた。林を失ったという喪失感を男たちはみんな抱えている。そのなんともいえないむなしさがにじみ出ている。それはきっとこの映画に関わった人たちの思いなのだろう。もうひとつ面白かったのは、この映画の縦糸となっている『東京の人妻』という映画に携わった人たちの物語である。この映画に出演し、林と絡みを演じた日韓の若い俳優さんがちょうどこの時子供が生まれ生活のために出演していたこと、この映画への出演がきっかけとなって韓国の俳優さんはこれ以上俳優として生きることができなかった。それは韓国ではそれだけエロ映画に出ること自体が、恥だったということだ。監督がかなりいい加減な人ぽっかったなあ。とてもいい映画だと思うし、演出した松江も才能があると思う。ただシナリオにはなかったラストシーンを撮りなおすというのはどうだったのだろう。別に無理やり美談に仕立てなくてもよかったのではないだろうか。これがなくても十分に林への思いは画面からにじみ出ている。
ラストシーンがとても好きだったし、この映画に携わった人たちの映画への思いを感じた。沖縄首里の本当に壊れそうな古い映画館で林の3本立てをやっているシーンなのだが、映写機がカラカラと音を立ててまわり、狭い通路、壊れかけて椅子、この雰囲気いいよなあ。いまはなきかもめ座を思い出した。 
 
   
Posted at 00:29 / 観覧雑記帳 / この記事のURL
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火を熾す / 2010年02月06日(土)
書名 「火を熾す」   著者 ジャック・ロンドン 翻訳 柴田元幸  
出版年 2008     出版社 スイッチ・パブリッング

自分が好きそうな作家なのに゛たぶんいままで読んでいなかったと思う。なぜだったのか。買う動機を与えてくれたのは、朝日の土曜版で書店で働く人が推奨する本を紹介で、この著作がでていたからだ。そこで敗け続けた男たちの世界を見事に描くというような感じで書いていたので、これは読まなければと思ったわけだ。それ以前にも本屋で見かけて気にはなっていたのだが、この書店の一押しが効いたといえる。感謝しないと。ここには9篇の短編小説が収められている。アラスカを舞台にした厳しい自然の前で屈する男たちの姿を描いた作品「火を熾す」や「生の掟」は、バイコフの自然観に共通するものがある。メキシコ革命の時に革命のためにかませ犬のようにリングにあがっていたボクサーと白人ボクサーとの熾烈な闘いを描いた「メキシコ人」はファイティングシーンが、フラッシュバックの手法を見事に駆使、あきさせない、そして見事にボクサーの内面まで描く。また中年のこれもかませ犬に落ちぶれたボクサーが伸び盛りの若いボクサーと空腹のなかで闘うさまを描いた『一枚のステーキ』の切ないことよ。ミッキー・ルークの「レスラー」を思い出してしまった。この他にも生まれた時からお互いに勝つことだけしか考えていないふたりの男が、いかにして存在を不可視にするかという命題に向かい、まったく違うやり方で解決するという「影と閃光」は、マレービッチの晩年の冒険「黒の上の黒」「白の上の白」を思い起こさせる。これとアイルランドの野人と成功したビジネスマンを両方に重ねもつ男の生活を追った「世界が若かったとき」は、ホフマン風のゴシック小説となっている。なかなか達者な作家だったようだ。長谷川濬がきっと愛してやまない作家だったのではないだろうか。

 
   
Posted at 23:40 / 買った本・読んだ本 / この記事のURL
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アートタイムスがまた / 2010年02月06日(土)
今日も寒い。金沢緑地までジョギング。メールをチェック、例によってトゥイチーからメール。ひとつ処理しなくてはならないことがある、9時すぎに電話して了解をもらう。古書ほうろうにアートタイムスを置いたことがいろいろまた広がりをみせている。以前彷書月刊でデラシネ通信のことを紹介してくれたナンダロウアヤシゲさんが、ほうろうでアートタイムスを購入してくれ、それをご自分のブログで紹介してくれている。
http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/
いいものに仕上がったし、このように喜んでいただける人がいるわけだから、こうした人たちのところに確実に届くようなことを考えていくことが一番大事なことになる。いろいろと教えてもらった。
お昼を食べてから、黄金町のジャックアンドベティーへ。14時55分からの開演なのだが、小一時間時間があったので伊勢佐木町の古本屋をのぞく。吉村さんの本が100円、亀井さんの大黒屋光太夫が300円だったので、可哀相になり購入、それと前から気になっていた本を1000円で購入。このところ気をつけて見ている長谷川伸の全集のことを聞いてみる。揃いだと2万円ぐらいまでになっているという。そういえば先日三吉演芸場に出演していた大衆劇団の俳優さんが来て、長谷川伸の本を探していたという。半年間追い求めていた『あんにょん由美香』をやっと見ることができた。いい映画だった。帰り上大岡で日本酒とジョギング用の靴下を勝って帰宅。魚屋さんが今日のお勧めということで持ってきた大間のまぐろの刺身を食べながら、一杯。
 
   
Posted at 11:25 / お休み日記 / この記事のURL
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本所しぐれ町物語 / 2010年02月05日(金)
書名 『本所しぐれ町物語』
著者 藤沢周平  出版社 新潮社(新潮文庫)  出版年 2009年(52刷)

精神的にかなり追い込まれた時期、通勤の帰り道に読んだこの珠玉の連作集にずいぶん癒されたような気がする。そして元気、というか生きることのいとおしさを教えてもらった。本所すみれ町界隈に住む庶民の哀歓を綴ったものなのだが、なぜこんな短い文章のなかにこれだけの情感を交錯させることができるのだろうかとまさに溜息ものの文章にうならされながら、ここで描かれている庶民たちの生き方に時には自分の人生を重ね合わせながら、気持ちが入っていく。一度となく若い男のあとを追って家を出て行った妻を結局は迎え入れようとする男、夫が魔がさし、近所の後家さんと同衾しているのを目撃してしまった妻、浮気を重ねる若旦那、さらには借金ばかりつくって死んだ親父の借金を自分の身体を売って完済した少女など、決して恵まれていないながらも懸命に生きる庶民たちの姿が生き生きと描きだされる。中年の域にさしかかり、妻との暮らしに倦み、昔心を交わした女性と再会するも、話がかみあわず、そのまま別れる中年の男が、やはり妻と一緒にこれからも一緒に生きていくしかないと悟るところを藤沢はこう書く。「ほかならない、それがおれの人生なのだ。そう思うとやりきれない気がしたが、どこかに気ごころの知れたほっとした思いがあるのも否めなかった」
諦めるということが、ひとつの生きる智恵だということをほのめかすこんなところに、人間を思う優しさがある。
 
   
Posted at 15:28 / 買った本・読んだ本 / この記事のURL
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グッドアイディアが / 2010年02月05日(金)
昨日トゥイチーといろいろメールのやりとりをしているうちに、例によってふたり同時におなじことを思いつく。朝メールを開くと、トゥイチーからこんな風にやるという細かい内容のメールが長々と来ている。これはかなり自分でもいいアイディアだと思うもの。かなり追い込まれていたがなにかこれが突破口となった観もある。これも最近のおなじみのパターン、モスクワ時間午前10時、日本の17時ぐらいからトゥイチーとチャットのようなメールのやりとりが始まる。スカイプという便利なものもあるのだが、自分にとってはロシア語にするなかで頭が整理もできるし、確認もできるのでいいと思う。映像の編集のための素材を届けに四谷三丁目に寄ってから帰宅。
家でまた映像を見ながら、細かい指示をロシア語にして流しておく。本人は留守の様子。
アートタイムスを置いていただくことになった千駄木の古書ほうろうさんからメール、確かにアートタイムスを受け取ったということと、なんと5号と3号がその日に売れたといううれしいニュースも。恐るべしツゥイッターということかも。でもこんなかたちでつながりができて自分も嬉しい。
 
   
Posted at 11:24 / お仕事日誌 / この記事のURL
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再びニクーリンサーカスへ / 2010年02月04日(木)
今日は朝も寒い、走っていると息が白くなる。これはずいぶん久しぶりのことである。メールを開くとトゥイチーから何本もメールが入っている。最後のメールは、今日は全部送るのは無理、まる一日半寝ていない、疲れた、限界、ごめんとあった。疲労の極に達したのだろう。例によってダウンロードに時間がかかる。2本ダウンロードしてUSBに入れてから出社。同じようにまたダウンロードして、雑用を全部済ませてから映像をチェック。間違いなく良くなっている。もう少しだ。またロシア語でダメだしと激励の長文のメールを書く。会いたいと言っていたサーカスのアーティストと面談。いろいろ面白い話を聞かせてもらった。今日はニクーリンサーカスを見ることになっている、水道橋に来たのでナウカ書店に置いてあった「アートタイムス」3号を回収、5冊売れていた。たいしたもんである。アートタイムスは置くところへ置けば、きっと売れるそんな気がする。久しぶりにロシア語の本を見る。やはり本屋はいいもんである。
18時半アリシェールからチケットを受け取り、ニクーリンサーカスを見る。客席は7割ぐらい、前回来たときよりは全然人が入っている。ショーの内容もテンポが出て前よりはよくなっている。公演後近くのかつ吉というところでアリシェールを交えて食事。美味しいお店だった。24時ころ帰宅。またトゥイチーからメールが入っていた。すっかり元気になったようだ。
 
   
Posted at 10:45 / お仕事日誌 / この記事のURL
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ナレーション録音 / 2010年02月03日(水)
走っている時は、さほど寒さを感じなかったのだが、2月に入って一番寒かったかも。今日からいよいよいろんな意味で佳境に入る、身震いがしてくる。動き出すのは夕方からになるので、日中はデラシネ通信号外を作成、来週公演がある『よるべない女たち』の勧誘メール。少しアドレスを整理する。16時半から桃太郎のナレーション撮り。西田さんがまえに仕事で一緒だった劇団の女優さんと、音響さんが来社。スタジオというわけにはいかないので、会社内の音の出るものをシャットアウト。冷蔵庫のコードを抜くときに、まちがって音響さんのMacのコードを引き抜き、シャットダウン、復旧に少し時間がかかりドキドキしたが、なんとか復旧。モスクワの時の公演の様子を見てもらう。女優さん最後の瞬間移動のトリックで思わず歓声をあげる。朝日の夕刊の記事で桃太郎のことを知って気になっていたという。実際の雰囲気も掴めたところでいよいよ音撮り。途中2、3アクシデントはあったが小一時間ほどで作業完了。女優さんと制作の人の西田さんはそのまま近くの居酒屋へ。音響さんは編集作業。声の強弱が一定していることに感心、舞台だけでなくテレビの仕事をやっていないとこうはいかないという。アドリブも入れてくれたり、サルモードになってくれたり、一生懸命やってもらえたのがうれしい。トゥイチーから写真が送られてくる。電話で確認。これから彼の長い一日が始まったことになる。出来上がったCDをもらってから居酒屋に合流。出来をすごく気にしていたが、もちろん音響さんも言っていたように完璧。制作さんと地方公演の営業の苦労話で盛り上がる。焼酎一本空いたところで、お開き。なんと外はみぞれ。代々木から帰る。メールをチェック、トゥイチーからとりあえず写真が届いていた。
 
   
Posted at 11:46 / お仕事日誌 / この記事のURL
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雪の朝 / 2010年02月02日(火)
起きて外を見ると、庭にうっすらと雪が。新聞を取りに庭を歩くが、凍っていないようだ。外の道の雪も溶けている。次女の受験には影響はないだろう。日本の受験制度も少し考えものだ、雪とかインフルエンザとかそんなのが重なる時期にやるのもいかがなもんだろう。通勤電車で、ジャック・ロンドンの「火をともす」を読み始める。その中の「メキシコ人」を読んで興奮。エイゼンシュタインが芝居にしたことがあったが、これはまさにモンタージュ。カットが目まぐるしく変わるクライマックスシーンの見事なこと。エイゼンシュタインは映画で撮るべきだった。10時出勤。今日は嵐の前の静けさとなる一日となる。相変わらず返事のないローマに催促のメールを出しておく。
都内の方が横浜よりは雪が残っているが、夕方にはほぼなくなる。
 
   
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たった独りの引き揚げ隊 / 2010年02月01日(月)
書名 「たった独りの引き揚げ隊−10歳の少年、満洲1000キロを征く」
著者 石村博子   出版社 角川書店  出版年 2009年

本屋で偶然見かけて購入したのだが、この本と出会えたことに感謝しないといけない。いったん読み出したら、もう止まらなくなってしまった。ビクトル古賀がこのノンフィクションの主人公なのだが、彼のことは何度かテレビで見たことがある。コサックの血を引くサンボリストということで、以前から興味はあったのだが、その彼が、11歳の時ソ連軍の進攻の時、家族とはぐれ、満州国の対ソ最前線地であったハイラルからハルビンを経て、新京、奉天とひとりでおよそ1000キロの道を歩ききり、ひとりで日本に帰ったというまさに信じられないような旅をして生き延びたとは・・・ほんとうに驚いた。ベタの聞き書きにせずに、ある程度彼の話をかみくだき、物語仕立てにしたため、とても読みやすいものになっている。ソ連軍が進攻してから、彼の幼年時代に大きな影響を与えた祖父のフョードルのことを語りながら、コサックの歴史と満洲時代のコサックについて立ち戻ったのは、構成上とても良かったと思う。ビクトルがこのあと親と別れ、ひとり歩いて満洲の1000キロの道を走破できたそのサバイバル術が、このコサックの教えにしたがったものであったからである。
ぜひたくさんの人に読んでもらいたい本であるし、ネタバラシになるのであまり本編の内容に触れておかないでおく。
いま長谷川濬の評伝を書いている自分にとって、この本はビクトル古賀の希有な冒険談だけでなく、ハイラルやコサック、さらには三河という長谷川濬にとっては重要な意味をもつ場所やことがらについて貴重なそして生の情報をもらえたこともありがたかった。
ロシア人と日本人のハーフであったがために満洲の地をひとり歩かざるを得なくなるのだが、彼の目から見た戦乱の時代の日本人の姿も興味深かった。
一つだけ難を言えば、タイトルもう少しなんとかならなかったのだろうか。副題もあるのでわかるとは思うが、ちょっともったいない。



 
   
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