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【日本版コラム】PIIGS諸国の状況は日本への警鐘 / 2010年07月01日(木)
ジョンF. ヴェイル・日興アセットマネジメント インベストメントストラテジーグループ・グループマネジャー

 財政不安が懸念される欧州のいわゆるPIIGS諸国(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)の状況は、日本への警鐘でもある。第1は税収である。

 ギリシャが危機に直面しているのは、徴税額の少なさなどでここ数年間深刻だった財政赤字を踏まえると、不思議ではない。日本も適正額の税収を上げなければならないことを理解する必要があるだろう。増税は歓迎されないが、適切に実施すれば、危機を回避するための最善の方策であると思われる。もちろん、日本は発行された国債の大半が国内で消化されていることからPIIGS諸国ほど深刻ではないが、日本の貯蓄率は低下しており、日本国債に対する高い需要は永遠には続かない。

 第2は、日本製品に対する世界市場の需要と日本の競争力である。

 PIIGS諸国の危機を契機に、欧州とIMF(国際通貨基金)は経済成長を犠牲にしてでも財政再建をまずすべきとの考えになっている。緊縮財政に伴う世界的な成長鈍化は、欧州向けの日本の売上高(輸出と現地生産の双方)をある程度減少させる可能性が非常に高い。同時に、現在のユーロ安は海外市場での一部の日本製品の競争力を削ぐ。一部のケースで日本企業の利益率は低下すると思われる。欧州はまた、米国企業の売上高に占める割合が高いことから、米国企業の減収も米国経済にある程度影響を及ぼすだろう。これに伴い日本製品に対する米国の需要はやや低下すると思われる。結果として、日本の経済成長は2010年の今後の期間はやや減速することが見込まれる。ただ、景気が二番底に向かうとは考えていない。

 一方、好材料としては、PIIGS諸国の中で最悪の状況にあるギリシャが、課税回避とそれに関連する不正行為の防止対策により成果を上げていることである。財政赤字は5月までの1年間に前年比39%減少した。これについては不思議なことにこれまでほとんど報道されていない。ギリシャの財政赤字はIMF/EUが設定した目標よりも少ない。収入は前年比9%増と目標をやや下回ったが、支出は11%減と年間削減目標の5%減を大きく下回った。

 こうした状況を世界各国の投資家が知れば、欧州に対する楽観論が高まるだろう。これは、欧州の経済または通貨が今後1、2年に大幅に回復するということではないが、ストライキの拡大または政治家の方針転換がなければ、危機感は収まるだろう。政治家の方針転換の可能性は大きくないと楽観しているが、政治的な緊張が非常に高いことから、今後の推移を注意深く見守る必要がある。高所得層に対する増税を低中所得層よりも大幅に行い、不必要な政府支出を削減するといった、バランスの取れた財政改革が実施されることが重要である。

 米国、日本およびその他の諸国は、財政再建の取り組みをほとんど始めていないという状況だ。財政緊縮政策に重い腰を上げる時には、つい最近のギリシャの経済および金融危機に似た状況になっているのか。米国と日本が危機に陥る可能性は低いだろう。しかし、できるだけ早急に財政問題への取り組みを始める必要がある。ギリシャが財政再建に成功すれば、すべての国々が恩恵を受けるだろう。したがって、国際社会はギリシャのつまずきを責めるのではなく、時間を与え、改革努力を強く促すべきである。

 日本は、経済成長を損なうという理由で財政改革の回避を主張する人々の話に従うべきではない。もちろん、財政改革はその性質から短期的には成長を損なうであろうが、ギリシャ国民は過去、財政改革反対派の主張を聞きすぎたと思われ、現在その代償を支払っている。

【6月30日11時18分配信 ウォール・ストリート・ジャーナル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100630-00000011-wsj-bus_all
 
   
Posted at 04:11/ この記事のURL
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