コンタクトが原因に!?まぶたのたるみ眼瞼下垂の原因と症状

December 01 [Tue], 2015, 21:01
目の周辺は皮膚が薄く、目のふち(眼瞼縁)がどこにも固定されず宙に浮いている状態になっているため、たるみなどの加齢性変化(老化現象)が目立ちやすい部位です。まぶたがたるむと老けてみえるだけでなく、頭痛や肩こりなどの原因になることもあります。ここでは、「まぶたのたるみ」・「眼瞼下垂」の症状や原因について解説します。
まぶたの構造

まぶたの皮膚は、まつ毛側に近づくにつれて薄くなり、眉毛側は分厚く固い皮膚となっています。薄い皮膚のすぐ下には皮膚と密に癒着している「眼輪筋(がんりんきん)」※1というまぶたを閉じるための筋肉があります。

眼輪筋の下には脂肪層があり、脂肪層の下には目のふちに「瞼板」(けんばん)※3という軟骨があります。まぶたを開けるのに使われる筋肉には、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)※4とミュラー筋※5の2つがあります。これらは共に瞼板(けんばん)に付着しています。

眼瞼挙筋(がんけんきょきん)は、まぶたや眼球の運動に関わる「動眼神経」が支配しており、自分の意志でまぶたを開けたり閉じたりするための筋肉です。ミュラー筋は自律神経が支配しているため、自分の意志で動かすことはできません。このミュラー筋がまぶたの開閉にどのような役割を果たしているのかについては諸説があり、結論は出ていません。

また、額の筋肉である「前頭筋」も眉毛を上げる作用があります。眼瞼下垂などでまぶたが開けにくい状態では、前頭筋を使ってまぶたを上げることが癖となり、額のしわが深くなります。
眼瞼下垂(がんけんかすい)とは?

上まぶたが下垂し、まぶたが開きにくくなることで、物が見えにくい状態が「眼瞼下垂」と呼ばれます。眼瞼下垂は新生児から高齢者まで発症することがある、極めて対象の広い疾患です。そのためもあって、眼瞼下垂の原因や症状は様々であるそうです。

そこで、眼瞼下垂の症状や原因、治療法について、「六本木境クリニック」院長、境隆博先生にお話を伺いました。

境先生は、形成外科医および美容外科医として「眉下切開」などまぶたのたるみ治療の豊富な経験を持ち、刺青除去手術などにおいて日本で屈指の技術力をお持ちのドクターです。
ドクターに聞く!眼瞼下垂の原因と症状

Q:眼瞼下垂の症状は個体差が多く、治療方法にも様々な方法があると聞きます。まずは眼瞼下垂の種類や症状、原因について教えてください。

境先生:眼瞼下垂には、生まれつき下垂している「先天性眼瞼下垂」と「後天性の眼瞼下垂」があります。先天性眼瞼下垂は、生まれつき目が開きにくい状態で、左右差がある場合が多く見られます。また、「真性眼瞼下垂」「偽性眼瞼下垂」という分類もあるようです。
先天性眼瞼下垂

先天性の眼瞼下垂では、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)をコントロールする動眼神経の分岐の異常や、眼瞼挙筋自体が低形成(組織の発育が不十分であること)であることが原因とされています。
後天性の眼瞼下垂

後天性の眼瞼下垂は、大きく分けると大多数の「腱膜(けんまく)性眼瞼下垂」とその他の眼瞼下垂に分けられます。腱膜性眼瞼下垂は、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)と瞼板(けんばん)の接合部分が伸びたり、ゆるんだりして、瞼板が正常に持ち上がらず、まぶたが開きづらくなっている状態です。

腱膜性眼瞼下垂の原因としては、挙筋腱膜が薄くなったり、断裂したり、瞼板との付着部分が離れてしまうことなどが推定されています。腱膜性眼瞼下垂は、加齢やコンタクトレンズ・花粉症やアトピーなどで目をこすることにより生じるとされています。近年、ハードコンタクトによると思われる若い人の膜性眼瞼下垂が増えていると言われています。

後天性の眼瞼下垂には、上述の腱膜性眼瞼下垂の他、その数は少ないのですが、けがによる「外傷性眼瞼下垂」、神経の命令がまぶたの筋肉に伝わりづらくなる重症筋無力症、目を動かす筋肉に炎症が発生する甲状腺眼症(バセドウ病眼症)、まぶたに腫瘍ができ、重みで下垂する眼瞼腫瘍などがあります。
偽性眼瞼下垂

眼瞼挙筋などに直接異常が生じる「真の眼瞼下垂」とは異なり、「偽性眼瞼下垂」と呼ばれる病態もあります。顔面神経麻痺やまぶたのけいれんが原因で発生することもありますが、圧倒的に多いのが眼瞼皮膚弛緩症(まぶたの皮膚のたるみ)です。

眼瞼挙筋などに直接異常が生じる「真の眼瞼下垂」とは異なり、「偽性眼瞼下垂」と呼ばれる病態もあります。顔面神経麻痺やまぶたのけいれんが原因で発生することもありますが、圧倒的に多いのが眼瞼皮膚弛緩症(まぶたの皮膚のたるみ)です。
眼瞼下垂で多いのは?

Q:眼瞼下垂で多い症例は、どの種類のものでしょうか?

境先生:加齢・老化によって様々な原因でまぶたが開きにくくなることを総称して「老人性眼瞼下垂」(加齢性眼瞼下垂)と呼んでいますが、これが最も多い眼瞼下垂です。老人性眼瞼下垂(加齢性眼瞼下垂)は、単一の病態ではないことが多く、腱膜(けんまく)性眼瞼下垂と眼瞼皮膚弛緩症(まぶたの皮膚のたるみ)の両方を併発していることが大多数です。

臨床の現場では、この腱膜性眼瞼下垂と皮膚弛緩症が圧倒的に多い印象を受けます。しかし、実際に日常診療でめずらしい病気に起因するものやまれな五夜神病態に出くわす場合もあるので、治療を行う際は医師に相談し、問診や診察をしっかり受けることが大切だと思います。

どのような年齢層の患者さんであっても、眼瞼挙筋に機能不良がある場合は、先天性の要因が含まれている可能性があるので、若いころや幼少時の写真を持参し、医師に参考にしてもらった方が良いでしょう。

また、眼科の意見として、「三體牛鞭開瞼器」という、白内障などの手術で目を開いた状態に保つ器具を使用すると、術後に眼瞼下垂になることがあるとも言われています。しかし、これは数か月〜1年で自然治癒することもあるため、急いで眼瞼下垂の治療を受けると、後に過矯正壮三天(開きすぎ・ビックリ眼)となりやすいと言われています。

次の記事では、眼瞼下垂の手術黒蟻王の種類と特徴、眼瞼下垂手術の失敗事例など、眼瞼下垂の治療方法について詳しく解説します。

(この記事の監修:​ 六本木境クリニック 院長 / 境隆博 先生)