31-レベッカ 

April 28 [Mon], 2008, 23:27
ダフネ・デュ・モーリア 「レベッカ」

大好きなヒッチコック監督のオスカー受賞作「レベッカ」の原作本。

ストーリーは、自分より20歳も年上の英国貴族マキシムに見初められ結婚したものの、
前の年に海難事故で死亡した彼の前妻レベッカの影に苦しめられるうら若き主人公・・・と言った感じ。

普通は主人公に肩入れして読むのでしょうけれど、私は断然前妻のレベッカ派。
とびきり美しく、聡明で、誰からも好かれ慕われる魅力的な淑女。
でも実は蛇のようにしたたかな性悪女。

気の利いた会話ひとつできず、オロオロしているばかりの内気な主人公より、
ずっと面白いんじゃないでしょうか。
とは言え、ストーリーが進むにつれ、主人公はしっかりとした大人の女性に変わってゆきますので、
一人の女性の成長物語としても楽しめます。

この小説、レベッカ側から書かれたとしたら、全く違う内容になったハズ。
男性を心から愛する事ができず、不治の病に冒され、夫に自分を撃ち殺させた美貌の主人公。
たとえ悪魔のような性格だったとしても、私もダンヴァーズ夫人同様、レベッカを崇拝したことでしょう。

小説のラストはちょっと分かりづらく、もし映画を見ていなかったら頭の中が??になってしまっていたかも。

それと、ストーリーとは関係ありませんが、作者のデュ・モーリアがものすごい美人でビックリ。
星4つ★★★★

30-空中ブランコ 

April 20 [Sun], 2008, 18:36
奥田英朗 「空中ブランコ」

常識の枠外で生きているトンデモ精神科医・伊良部シリーズ第2弾。

患者に「この医者、脳みそにシワは入っているのか?」と疑問を抱かせるほど、
相変わらずぶっ飛んだドクター伊良部。
前作の「イン・ザ・プール」同様、向かうところ敵なしの伊良部のキャラにやられた!という感じ。
医師の国家試験に受かったのはフリーメーソン関与説もある、というくだりに爆笑。

でも、患者は最後には必ず治っているので、もしかしたら天才医師かも?
と思うのはやっぱり気のせいでしょうね。

今回登場する患者さんのひとり、女流作家のセリフ

「人間の宝物は言葉だ。
一瞬にして人を立ち直らせてくれるのが、言葉だ。
その言葉を扱う仕事に就いたことを、自分は誇りに思おう。
神様に感謝しよう。」

これは作者の思いそのものかもしれません。
こんな面白い小説を読む機会を与えてくれた作者と神様に、私も感謝しよう。
星5つ★★★★★

29-よるくま 

April 13 [Sun], 2008, 14:15
酒井駒子 「よるくま」

夜中にぼくのところにやってきたクマの子「よるくま」

ママがいなくなったと言ってぼろぼろ泣いているよるくまのために
ぼくは一緒にお母さんクマを探す冒険に出ます。

子供にとってママって、それはもう絶対的存在なんだなぁってしみじみ思います。
私も小さい頃、母親以外には全く懐かない超母親っ子だったので
何となく自分とよるくまの姿が重なって。

子供がいたら寝る前に毎日読んであげたい絵本。
絵もストーリーも大好き。
同じ酒井さんの作品「ぼく おかあさんのこと…」も、とてもステキな絵本です。

星4つ★★★★

28-誰も書かなかった秘書の仕事 

April 12 [Sat], 2008, 21:17
岩山康志 「誰も書かなかった秘書の仕事」

著者は20年にわたり、ヤマハの5代の経営トップの秘書役を勤められた方。
そりゃあもう様々なトップシークレットを胸の内に秘めていらっしゃるのだと思いますが、本書は暴露本ではありません。

と言うより、割と一般的な仕事に対する心構え的内容で、ちょっと肩透かしをくらったような。。。
「こんな修羅場をこうやって乗り切った!」
みたいなお話しを、もっと聞きたかったんですけど。

各章の最後には
電話鳴る 来客は着く ボスは呼ぶ とか
俺だって どこかで言いたい「社長出せ」
なんていう心の叫び風川柳がのっていて、うんうん、そうそう!と頷きながら読みました。
星3つ★★★

27-貸し込み 

April 12 [Sat], 2008, 21:07
黒木亮 「貸し込み」上・下巻

小説のモデルとなっっているのは、バブル期に
貸し込め。あらゆる理由を見つけて、貸し込むんだ。
というモットーのもと、脳梗塞患者へ21億円という巨額融資を行った旧三和銀行の裁判。
裁判書類の描写など、ちょっと冗長な印象を受けましたが、読後感は悪くはありません。

借入申込書も印鑑証明も連帯保証人の書類もぜーんぶ偽造、しかも裁判では偽証のオンパレード。
もちろん、バブルの頃、全ての銀行がこんな風に腐っていたとは思いませんが、日本では銀行を相手取った裁判の勝率はわずか数パーセントにすぎないのだとか。恐ろしや。。。

そういえば当時、銀行の営業マンさんたちとの合コンに参加したことがありますが、延々と仕事のグチを言い続けられて辟易した記憶が。
銀行って大変な職場なんですね〜。
星4つ★★★★

26-猛スピードで母は 

March 29 [Sat], 2008, 22:08
長嶋有 「猛スピードで母は」

独特の淡々としていて繊細な文体、そしてお名前から女性だとばかり思っていた著者が男性だと知ってびっくり。
数年前に芥川賞を取った表題作と、著者のデビュー作「サイドカーに犬」が収められていますが、とくに「サイドカーに犬」が面白かった!

大胆でかっこいい父の愛人・洋子さんと過ごした夏。
自由な精神を持つハードボイルドな女・洋子さんと、つかみどころがなくていい加減、でも憎めない父親。
そんな大人たちをごく普通にうけいれている主人公の小学生・薫の人との距離の保ち方が、何だか心地良かったです。

去年竹内結子さん主演で映画化されているのですね。全然知りませんでした。
時にはこんな軽めの小説も良いものです。
星4つ★★★★

25-氷の華 

March 29 [Sat], 2008, 21:43
天野節子 「氷の華」

何不自由なく暮らしていた美貌の主人公の元にかかってきた夫の愛人と名乗る女からの電話。
計画通りに愛人を殺害する主人公。
でも彼女が殺したのは本当に夫の愛人だったのか・・・。

文中で使われている小物が使い捨てカメラとかキャップ付きボールペンとか、何だか少し古臭い感じですし、文体もややこなれていない印象を持ちましたが、二転三転するストーリーは非常に良く練られていると思いました。
ただ、ラストの主人公の行動が予想通りだったのが惜しい。もう一捻りあれば良かったのですが。

本書は還暦を越えた作者のデビュー作、しかも最初は自費出版だったものが話題を呼んでメジャーデビューされたとの事。
以前平松庚三氏の講演で聞いた
「人生は後半戦。
野球もサッカーも、ゲームは後半戦の方が面白い。
人生だって同じに決まってる!」
という言葉を思い出しました。
星3つ★★★

24-チャンスがやってくる15の習慣 

March 23 [Sun], 2008, 14:14
レス・ギブリン著/渋井真帆訳 「チャンスがやってくる15の習慣」

自己啓発本って苦手なのですが、雑誌に紹介されていたのに興味を持ち、手にとってみました。

わずか1時間で読めて、コミュニケーションのあらゆる悩みを解決する特効薬
との事ですが、15分もあれば充分読めるし、中身も特に目新しい事は何も書かれていない。

人間は自分のことにしか興味が無い、というのは全くその通りだと思いますが、
「とにかく相手に同意する」
「相手のことだけ話題にする」
という方法には、ハッキリ言って??です。

だって、自分の意見をしっかりと述べない相手を、私は信用しないから。
それが自分と対立する意見であったとしても、きちんと相手にも主張してほしい。
自分と違う意見を知る事なしに、人は成長しないと思う。

なるほどー、と納得できる箇所もありましたが、この本をそのまま真似るのではなく、
自分の頭でよく考えてから実践する必要がありそうです。
星3つ★★★

23-池袋ウエストゲートパーク 

March 18 [Tue], 2008, 21:19
石田衣良 「池袋ウエストゲートパーク」

石田衣良さんの10年前のデビュー作。
今さらという気もしたけれど一応読んでおくことに。
リズム感のある文体も良いし、池袋のトラブルシューター・主人公のマコが何より魅力的。

青春モノの小説を読むと、昔を思って切なくなったりするものですが、
私はごく普通の高校でのんびりと学生生活を送ったので、
IWGPの登場人物たちと自分を重ね合わせることはできませんでした。
でも、ちょっと羨ましくなりますね。
この頃、この街で、こんな日々を過ごした人たちの事が。

以前ドラマ化された時に随分話題になったけれど、私は見たことありません。
あまりTVを見る習慣がないので。。。
キャストをチェックしてみると、小説のイメージを壊すことのないハマリ役が多くて、
ドラマがヒットした理由がよくわかるような気がします。
きっと脚本も良かったのでしょうね。見てみたかったかも。。。

星4つ★★★★

22-イン・ザ・プール 

March 18 [Tue], 2008, 21:08
奥田英朗 「イン・ザ・プール」

遅ればせながら読んでみた本書。
トンデモ精神科医・伊良部の元に集まってくるのは、いずれ劣らぬ奇病の持ち主。
とにかく面白い本が読みたい!という時にピッタリ。
どんなにユウウツな気分なときでも、これを読めば間違いなく大笑いできる。

それにしても伊良部のキャラはすごい。
世間のどんな常識からも完全に自由。解き放たれている。
氏の大傑作「サウスバウンド」の、主人公の父・一郎の突き抜けっぷりもすごかったし、
破天荒なキャラを書かせたら、今日本で一番なのは間違いなく奥田氏だと思う。

早く続編の空中ブランコも読まなければ。
星4つ★★★★
P R
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