ひとりで京都に遊ぶ。言うまでもなくノープランであるどころか地図も路線図もるるぶも京都ウォーカー(ってあるのか)も持っていない。そして旬の京都に来ておいてなんだが、元来紅葉と寺にはたいして興味がない者であるからにして、とりあえず市街をぶらぶらすることにする。またあまり買い物欲もないということになれば、自然喫茶店めぐりをすることになる。いつも通りである。
腹が減ってはなんとやら、smart珈琲でホットケーキを食う。
なんという幸福な厚み。
三条周辺を冷やかしにいく。これだけは事前にチェックしておいたアスタリテ書房という古本屋を訪ねる。場所が分かっていても見つからないようなマンションの一室にあって、客がおらず、清潔で雰囲気がよく、多岐ジャンルのニッチな本がほとんど順不同に並べられており書架散策が楽しい店であった。ただ、オーナーさんが奥にある洗面台で何かを一心不乱に洗っているのがちょっと恐ろしかった。
便利堂という、各地美術館のノベルティポストカード屋。たしかに便利だ。
商店街を歩いてたら本能寺があった。
そうなの。本能寺って、道端にあるようなもんなの。
一応入ってみたけどなにもなかった。寺はそこいらのアパートよりよっぽど真新しかった。
KOCSIとかそんな感じの名前のブックカフェに寄る。
よくある若者向けレトロ調の内装であるが、これはなかなかよかった。大体において東京よりランチ相場が200円ほど安い。
先の本屋で買った文庫本を適当に読みさして一息つき、さてそろそろ出ようというときになって店の本棚に『悪童日記』見つけてしまう。自前で買ったものの自宅内遭難中で読むことかなわず、でも持っているには違いないから買いなおすのは嫌だ、という手詰まり本のひとつで、これをちょっと読み始めてみたところたいへん面白く、完読するまで更に三時間ほど居座ってしまう。この日このブックカフェにおいてあたしほど正しいブックカフェの使い方をした客は居なかったろうが、あたしほど迷惑な客も居なかったであろう。これがブックカフェ形態のジレンマだ。ごめんなさい。
なんかすごい廃墟が。本能寺より古いのは間違いない。