真夜中の哲学者

2005年09月27日(火) 23時34分
真夜中、とっくに寝入ったと思っていたムスコがめそめそした声で話しかけてきた。
「ママ・・・」
「ムスコ、どうしたの?」
「人が死ぬって怖いね・・・」
真夜中にそんなことを考えていたのか。それは怖かろう。
既視感の光景。いや、かつて確かにこんなことがあった。違うのは、あの時の私は「子供」で、今の私は「親」ということだけだ。
「ママも子供の頃、布団の中で、人が死ぬことを考えて怖くなったことがあったよ」
そうして、今のムスコと同じように母にその怖さを訴えたのだ。
「あんまりそのことは考えない方がいいよ」確か母はそう言ったような気がする。それはある意味正しい答えなのだが、ムスコの性格では納得しないだろう。
何と言ってあげるのが正解かわからないままに、こう答えた。
「ムスコや周りの人が死ぬのはずっとずっと先だから、心配しないで眠るんだよ。でも、事故や病気には気をつけような」
「うん・・・」
生まれて初めて「人は死ぬ」という事実に気付いた時は、ひどく恐ろしく感じるものだ。ずっと本気で考えていたらノイローゼになってしまう。だから人は「考えても仕方ないことは普段は忘れておく」ということを学習するのだと思う。

「ママ・・・」
「ん?」
「物もいつかは無くなるの?」
「あ〜・・・そうだね、長い長い時間がたてば、大抵のものは無くなるね」
うーん、人の死の話の後でなければ、「いいから、もう寝ろ!」で片付けるところだ。

「ママ・・・」
「ん?」
「人が眠っている間も、時計はちゃんと動いているの?」
「あ〜・・・ママはそうだと信じてるけどな。そう言われてみれば証拠は無いな」
うう、何で今日のムスコは妙に哲学的なんだ。もう勘弁してほしい。

「ママ・・・」
ムスコはまだ何か聞いてきたような気もするが、そこから先は夢の中。
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