では,まず試行テストの問題より 

2005年02月22日(火) 0時24分
ではまず試行テストの問題を解きます。
え?問題を持っていない?
センターは公開をやめたようですね。
ここで,問題を公開したいのは山々ですが,いろいろ問題を抱えるのはいやなので,何とかして入手してください。
そうでなければ,今回は1回パスということで。

丸をつけるところのみ示します。

第1問:簡単なのですが。
(1)予算 → (2) 前年度並みに抑制
(3)公共事業費 → (4) 膨張は不当
(2)と(4)は同じですから,当然(1)と(3)は対応しなければなりません。
よって,答えはDです。

第3問:要素に関係あるのは,質問者の第1と第3の意見のみです。そこで
(1)次郎さん → (2)・・・買い換えた
(3)次郎さん → (4) 健康に留意していない
今回は「誤りとなる場合」ですから,(2)が(4)と等しくならない,というものを答えればよいことになります。
これは,買い換えが義務につながる,という指摘をした@しかありません。

日弁連の本ではBも正解だ,と言っていましたが,これは上の流れを断ち切ってはくれないので(他の可能性も指摘していますが),「推論が誤りだ」という指摘にはなりません。
ここで,日弁連がBも正解だ,と指摘したこと自体,あまり論理の問題が,何を聞いている問題がわかっていないのではないか,と疑ってしまいました。
ま,これはどうでもいいです。

今まで,選択肢をみて,「この中では@かなー」と何となく考えていた人も,これで,この問題が明確に客観的に解答できることがおわかりになったのではないでしょうか。

日弁連やセンターの不備ある問題については,他のページで論じます。
ここは,ひたすら問題を解いていきます。
次回は本試験の問題を。

実際に解いてみます 

2005年02月18日(金) 2時20分
僕の提案する方法,というのは「キーワードを囲んでいく」というものです。
以前の例文を次のようにしてみましょう。

一般的に,(1)「情報の流通に制限」のある国では,(2)「経済危機」が起こりやすいと言える。
(1)「こうした国」では,直面する問題点に対して,それをうまく回避するための(3)「情報が十分に得られず」,(3)「そのため」,(4)「選択肢が狭まって」しまう。
このように(4)「選択肢が狭まった」状態が続くと,(2)「経済危機」が起こりやすくなるのである。

番号は通常付けません。また,指示語につけることも少ないのですが,ここでは明示するためにつけておきました。
更に,普通は→で結ぶのですが,これはWebでは難しいので,省略しています。
こうすると,この文章の論理展開が
(1)→(3),(3)→(4),(4)→(2)∴(1)→(2)
となっていることがはっきり分かります。
そして,この方法は,試験で容易に使うことができます。
実際には,類義語の対応をマークしていっていることになりますね。

こう見ると,文章を見ないで類義語だけを探す「受験テクニック」ととられてしまうかもしれません。
これは完全には否定できませんが,しかし,それに尽きる訳ではありません。
第一に,僕は文章を読まず,単語だけを見てマークしろ,とは言っていないのです。
実際には,キーワードを目立たせながら読みなさい,というのです。
ですから,言葉は必ず文脈でとらえてもらいたいのです。
第二に,読む側にメリハリをつけることができます。
また,これは「テクニック」の側面ですが,意味の分からない文章にあたっても,機械的に手がかりを得ることができるという利点もあります。
この場合は,とりあえず類義語を追っていくことになるでしょう。

少なくとも,「ただ考えろ」というよりはよっぽど実践的な提案ではないでしょうか?

似たようなもの「論証図」があります。僕は,論証図とは関係なくこの方法を考えたのですが,狙うところは非常に近いと思います。
ただ,論証図では,文章全体にアンダーラインをつけるため,結局全文にラインがつき,メリハリがなくなるため,試験では実践的ではないでしょう。
一方で,僕の方法では,「合流論法」などの区別は切り捨てています。
ただ,これを無視しろ,というのではなく,もちろん文脈は捉えてもらいたいのです。

Logical Reasoningとは,その3 

2005年02月05日(土) 2時36分
さて,前回の文章の結論は,

情報の流通に制限のある国では,経済危機が起こりやすい

でしたが,この結論を直接否定して,

情報の流通に制限のある国でも,経済危機が起こりやすい,とはいえない

と主張するのは,批判になるのでしょうか?
この点は,ちょっと定かではないのですが,もちろん,客観的データをとってくれば問題ありません。
ただ,そうでもなしに,単に結論だけを否定するのは,本当に批判といえるのか,は疑問です。
それでよいのなら,どんな文章も,何もせずに批判可能になってしまうからです。
結論が間違っているとしたら,前提のどこかが間違っているはずで(論証が論理的ならば,ですが),やはりそこを指摘するのが筋でしょう。

ま,これは余談です。

さて,前回までで,Logical Reasoningというものの狙いは分かったかと思います。
つまり,理由付けを細かく分析して,前提から結論に至るまでの道筋を明らかにすることなのです。
ここで,理由付け自体の当否は聞いていないことには注意しましょう。

ここまでの話も,理解して適性試験を受けている人は多くないようです。
しかし,ここまででしたら,どこにでも書いてある話です。
では,こうした「理由付け」の発見はどうしたらよいのか。
それこそが,本当に「文章を論理的に追う」ための方法なのです。
ここを言わなければ,単にLogical Reasoningを紹介しただけで終わってしまいますので,次回,その方法を書いて,更に本試験問題をみていきましょう。

logical reasoningとは,その2 

2005年02月04日(金) 3時57分
結局,logical reasoningでは,与えられた文章が,どのような過程を経て結論に至るのか,これを詳細にたどることが要求されているわけです。
そうすることで,どこに説明がされていない,「論理の飛躍」があるのか,を明らかにすることができます。
しかし,他にも出題の形式があります。
次の文章はどうでしょう。

一般的に,情報の流通に制限のある国では,経済危機が起こりやすいと言える。
こうした国では,直面する問題点に対して,それをうまく回避するための情報が十分に得られず,そのため,選択肢が狭まってしまう。
このように選択肢が狭まった状態が続くと,経済危機が起こりやすくなるのである。

これは前回に比べると,あまり納得のいく文章ではないかもしれません。
ただ,理由付けだけはしっかりなされています。
つまり,
@ 情報の流通に制限のある国では,問題回避の情報が十分に得られない。
A 十分に情報が得られないと,選択肢が狭まる
B 選択肢が狭まると,経済危機が起こりやすくなる
ですから,三段論法によって,結論の第1文が出てきます。
一応形式的には,飛躍などはないので,理由付けとしては正しいのです。

なるほど,形式的には妥当なのです。しかし,形式的に妥当,となると,今度は実質面にみていきたくなりますね。
では,あなたがこの文章を批判したいとして,どうすればよいのでしょうか。
実は,この点もすでに解決されているのです。上の@〜B。
これが正しければ結論も正しくなります。だからこれは「論理的」なのです。
では,@〜Bが間違っている,と言えばいいのです。つまり,
@ 情報が制限されていても,十分な情報が得られる(得られないとは言えない)
A 情報が得られなくても,選択肢は十分ある
B 選択肢が十分になくとも,経済危機が起こりやすいとは言えない
ということが言えれば,最初の文章が正しい,とは言えなくなるわけです。

このタイプの問題は,
「この文章を弱めるためにはどのような主張をすべきか」
「この文章に対する批判として妥当なのはどれか」
というものです。
「この文章を強めるものはどれか」
という問題も,これと裏返しです。@〜Bの証拠を挙げればいいからです。

logical reasoningとは,その1 

2005年02月03日(木) 4時11分
これからLSATやGREでLogical ReasoningまたはCritical Reasoningと呼ばれているパートをみていきます。
日本語に訳すとしたら「論理的理由付け」と言うべきでしょうか。
しかし,日本の大学ではおそらく一般的に講義されていること,というのは少ないのではないかと思います。
そこで,まずは,このタイプの問題が何を聞いているのか,ということを知ることは非常に有用です。

たとえば,次の短い文章を読んでみましょう。

最近は都市化が進み,都市近郊では元々沼地であったり,斜面であったりしたような,通常であればおよそ宅地には向いていないと思われるところですら,整地され,宅地化が進んでいる。
こうした,軟弱地盤に家を建てる場合,何ら対策を施さないと,仮に地震のような大災害が起きなかったとしても,家が傾いたり,壁にひびが入ったりという障害が発生する可能性が高い。
そこで,こうしたところに家を建てる場合には,土地の取得費用とは別に,どうしても割高な建築費を見込まなければならないわけである。

この文章は,Logical Reasoningとしては,かなり易しい方です。
うっかり読んでしまうと,そのまま納得してしまうかもしれません。
しかし,この問題には「論理上の欠陥」があります。
それは何でしょうか?

そこで,この問題の理由付けを1つずつまとめていきましょう。
すると,次のようになります。最初の1文が,結論である,「割高になる」には関係ないことに注意してください。
@ 軟弱地盤に家を建てると障害が発生する(可能性が高い)
A だから,軟弱地盤に家を建てると,割高になる
よくよくみると,@はAと直接関係あるわけではありません。
@は現象の発生について,Aはコストについて言っているだけだからです。
そこで,この2つを結ぶ
B「家を建てる場合,この障害に対処するために,費用がかかる」
という理由が抜けていることになります。
@があれば,Bなんかなくても常識的に分かる,というかもしれませんが,常識的に示唆される,ことと明示されることは違います。
ここでは,暗黙のルールも見つけてもらいたいのです。

今回の問題は,次の形式で問われます。
「この文章の理由付けに含まれている飛躍を指摘せよ」
「この文章の欠陥について説明せよ」
「筆者が暗黙のうちに使っている前提は何か」
これらはすべて同じことを聞いているわけです。

論証の問題の解法(復習) 

2005年01月25日(火) 3時24分
2週間ほど,仕事が忙しかったことと,PCが壊れたことから休んでいましたが,今日から再開です。

論証の問題の解法については,12月23日の記事にふれているのですが,僕の場合には単語をチェックして,関係を結んでいく,という方法をとります。
多くの人が,ここのところは,形式論理をのぞいて「解法」というものをもっておらず,「読解と同様に読んで考える」という状況かと思います。
しかし,大切なことは,論証の問題が,論証の意味内容には入らない,形式的なものだ,ということです。
論理,というのは「前提がすべて正しいと仮定できれば,結論も正しいと帰結されること」をさします。
つまり,前提そのものの正誤は,論理の問題ではなく,逆に前提が正しければ,結論は必然の結果として,いわば無価値的に導かれなければいけないのです。
だとすると,意味内容に入り込むことは,意味がないだけでなく,「論理」の問題と「実質」の問題の混同を招くため,むしろ悪い,ともいえるわけです。
僕が,単語をチェックしていく方法をとるのは,論理が完全に形式の問題であることに注意を払う,という意味もあるわけです。

さて,論証の問題,というと,実はセンターは配点が低く,日弁連は配点が高い,というイメージがあるかと思います。
しかし,僕は日弁連の問題は,非常に多くの問題点を抱えている,と考えています。
はっきり言ってしまえば,日弁連の出題者は,論理の問題が何の問題であるのかがわかっていない,と思うのです。
今後,その点は明らかになるかと思います。

新しい問題へ移りましょう 

2005年01月12日(水) 1時11分
前日まで忙しかったのですが,一段落つきましたので,更新再開です。

今まで2003年第1問から始まって,ジレンマの問題まで見ていきました。
ここで少し話題を変えることにしましょう。
論証の問題です。前提,批判,反論などのタイプの問題です。
今までも同じようなものだったのですが,2003年第1問は,問題自体に疵があり,その点についての話でした。
しかし,今度は本格的な話です。

題材は,2003年本試験第3問です。同じタイプとして,2004年本試験第1問,2004年追試験第1問,第2問があります。
このうち,第1問はやや癖があるのですが,似たようなものと考えてよいでしょう。
ですので,この手の論証の問題は頻出と言えるわけです。
2003年追試験第2問を入れるかどうかは微妙なのですが,僕は一応資料の解釈の問題に含めたいと思いますので,ここでは省きます。

先に挙げた5問のうち,本試験の正答率を見ると,2003年第3問が29.0%,2004年第1問が64.4%です。
前者が「できなくて良い問題」,後者が「やや差は付いたが,できるようにすべき問題」と考えられますが,内容的には,前者も落とせない問題だと思います。
普通29.0%という低い正答率の問題,というのは問題自体に欠陥があることが多いと思います。
たとえば,時間の割に複雑すぎるとか,問題文が不明瞭だとかです。
しかし,この問題は全く欠陥がない,よい問題です。
たしかに引っかけ問題ではあるのですが,低すぎる正答率は受験生の側に問題があると思われます。
つまり,論証の問題,というのが何を聞いている問題なのか,全く解っていなかった人が多かったのではないでしょうか。

それでは,次から論証の問題を見ていきましょう。

それでは問題を解いてみましょう 

2005年01月07日(金) 0時27分
では,2004年本試験第6問です。
形式論理の問題では,論理式で表現して,それを接続する,という手順を踏みます。
条件を式で書いてみると,

ア:モノレール→新幹線,飛行機→新幹線
イ:パトカー→not(新幹線)or not(モノレール)
ウ:パトカー→not(新幹線)or not(飛行機)
となります。
結論は,
エ:A→not(パトカー)
です。

形式をそろえるため,エは対偶をとって,
パトカー→not A
としておきましょう。最後に対偶を取り直してAを求めます。
「パトカー」が出発(十分条件)ですから,イとウはそのままです。
アはイ,ウとの関連から,対偶をとって,

not(新幹線)→not(モノレール),not(新幹線)→not(飛行機)
としておきましょう。
すると,パトカーからの結論は,not(新幹線)に上の二つを代入して,
パトカー→(not(モノレール),not(飛行機)) or not(モノレール)
パトカー→(not(モノレール),not(飛行機))or not(飛行機)
となります。
両者を併せれば,結局

パトカー→not(モノレール)¬(飛行機)
となりますので,ド・モルガンの法則と対偶により,
モノレール or 飛行機 → not(パトカー)
が帰結されます。

上の構造は,結局,選言「or」のどの場合であっても,「not(モノレール)¬(飛行機)」になる,ということで,ジレンマの変形と言うことになっています。

正解は5です。ここでは少しわかりにくくなっています。もう少し解りやすくできるのですが,ここでは仕方ないですね。
正答率は66.3%ですが,これはLECの調査です。本試験の平均点より5点ほど高いので,本試験では60%台前半だったのでしょうか。

それにしても,2003年でジレンマ類似の問題(しかも少し変)を出しておいて,今度はジレンマそのもの,しかも,今回は完璧な問題です。
なんか,前年の反省を踏まえて作問しましたよ,って言っているみたいですね。

一応,前の問題を確認して 

2005年01月05日(水) 1時14分
A→B or C
のタイプの条件がある場合には,今言った「選言三段論法」と「ジレンマ」に注意することが基本です。

ところで,ここで出てきたジレンマ,というのは最初に解説した2003年第1問で出てきていました。
つまり,「水税を導入」すれば「税収が増える」か「水不足に対処できる」から,両方同時に達成できなかったとしても,「水税の導入には理由がある」という結論になるわけです。
逆に言えば,この論理構造があるため,「前提が矛盾する」というのは一般的には「論理的瑕疵」にはならない,ということになります。
今の構造を式で書くと,次のようになります。

水税→増収 or 水不足対処
増収→導入すべき
水不足対処→導入すべき

∴水税→導入すべき

選言「or」が入ると,普通はその先はどちらも「確実には言えない」のですが,ジレンマ構造では結局,どちらに行っても「導入すべき」へたどり着く,という仕組みになるわけです。

2003年の出題では,たまたま「一挙両得」と言ってしまった「知事」の揚げ足を取る選択肢が正解であったため,DNCの出題者は論理について分かっていないのではないか,と思っていました。
しかし,次の年にちゃっかりジレンマをそのまま出題するわけです。
わかっているのなら,2003年みたいな問題を出すべきではない,と思うのですが(前提の矛盾を一般的な論理的瑕疵と勘違いする人が増えるでしょうから),もしかしたら,出題後にそのことに気づいて,反省の意味も込めての出題だったのかもしれませんね。

寄り道はこのくらいにしましょう。
では,次回,問題を見てみましょう。

論理式の苦手なところ2 

2005年01月04日(火) 5時03分
3つ目の話でした。
これも結局は2と同じで「表せない」というところに帰着するのですが。

さて,ここでの「選言」というのは「AかBか少なくともどちらか一方」の意味で,特に問題になるのは,
A→B or C
の形式の論理です。
A & B→C
の形のものは,ド・モルガンの法則で同じ形に直すことにします。
なお,
A or B→C
の方は分割できますので,これは別です。

このタイプのものは,論理式では,どこまでが確定的に言えるのかが分からないため,つなげることができません。
たとえば,A→B or CとB→Dは接続できないのが原則です。とはいえ,B or CとBの間にはもちろん関係はあるわけで,ここが表せないことが問題なのです(僕は,それでも強引に表しますが)。

このA→BorCを含む論理で有名なものに2つのものがあります。
1つ目は「選言三段論法」です。いわば「消去法」の論理です。
「AかBが犯人(X)である。Aにはアリバイがあるので,Aは犯人ではない。よって,Bが犯人である」
というタイプです。
Aとnot(A)が「矛盾する」というところに気づけば,論理式でも大丈夫ですが,普通,論理式をいじるときには,矛盾律には注意を払っていないでしょうから,実際に出題されると難しく思う人が多いでしょう。

2つ目が「ジレンマ(両刀論法)」です。
これは,「このギャンブルで負ければ破産し,勝っても,結局負けるまでゲームをするので,どっちにしろ破産する」という論理です。
このように否定的な結果を導くことが多いと言われています。ジレンマの場合,前提で,Dという選択肢もあるのに,B or Cと不当に選択肢(可能性)を狭く見る間違いが多い,ということが知られています。

続きは次回で。
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趣味:昔はフルートが趣味だったけど・・・今は・・・その前に時間が欲しい(T T)
年齢:三十路に突入。つい最近,20になったはずなのに
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