民主党代表に選出された菅副総理・財務相は、財務相就任後、44・3兆円と過去最大にまで膨らんだ国債発行額の抑制を目指す財政再建を政策の柱として打ち出している。
代表就任により、民主党が最終調整している参院選公約に消費税の増税が明記される可能性が高まるが、小沢幹事長を中心に増税に否定的な議員が多く、党内調整が難航する可能性もある。
「リーマン・ショックで税収が大きく下がり、無駄の削減は思ったほどのスピードで実現できなかった」
菅氏は3日夜の記者会見で、政策の財源は行政の無駄削減で確保できるとした衆院選政権公約(マニフェスト)の見通しが甘かったことを認めた。
その上で、国債発行額の増大については、「無限に借金が増えるような方向性を正していけると思っている」と述べたことで、党内では「首相として、消費税を含む歳入改革に取り組む意欲を示した」(中堅)という受け止めが広がっている。
菅氏は元々、消費税増税に積極的なわけではなかったが、今年1月の財務相就任後、「ギリシャの財政危機への対応などで国際会議に出席するなど、実務経験を積む中で、財政再建や消費税への理解を深めた」(財務省幹部)とされる。
2月には「消費税論議は2011年度以降」としていた考えを事実上、軌道修正し、論議を前倒しすることを表明。5月に11年度の新規国債発行額を「44・3兆円」以下に抑え込む考えを打ち出した。国債発行を抑制すれば、子ども手当などマニフェストに掲げた政策をすべて実施するのは困難で、党内では選挙を控える参院側を中心に反発を招いた。
元々、財政再建派には仙谷国家戦略相や玄葉光一郎衆院財務金融委員長など、小沢氏と距離を置く議員が多く、今回の代表選での菅氏支持層とも重なっている。
これに対し、小沢氏は「第一に取り組むのは、無駄をやめる決断」との立場で、財政再建をめぐる考えの違いは「親小沢」対「反小沢」の党内対立につながるという見方もある。
民主党は参院選公約を週明けに最終決定する方針だ。参院選に向け、党内融和を優先して増税論を封印するか、マニフェストを修正して増税方針を示すか、難しい判断を迫られることになりそうだ。
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