評価定まらぬ「現代史」 国立博物館はどう展示しているか?(産経新聞)

May 29 [Sat], 2010, 16:38
【日本の議論】

 歴史・考古・民俗学に関するわが国唯一の国立博物館「国立歴史民俗博物館」(歴博、千葉県佐倉市)が3月、「現代」の常設展示をスタートさせた。日清戦争にはじまる数次の戦争から敗戦、高度経済成長に至る時代を、約500点の資料を展示して描き出している。歴史的評価が定まっていない出来事が多く、「客観性」が課題となる「現代」。国立博物館という立ち位置からも、展示に偏りは許されない。歴博は、どのように激動の時代を描いているのか。(千葉倫之)

■7年ごし「悲願」…来場者は1・5倍に

 「原始、古代から近現代までが展示されて、初めて歴史博物館というにふさわしい。『現代』、特に1930年以降の展示が完成していなかったことは、極めて大きな宿題だった」

 こう語るのは、歴博の平川南館長だ。

 歴博は昭和58年に開館。古代から近代まで、日本史を時代ごとに区切った5つの常設展示を設けてきた。「現代」は第6の展示として、3月16日から一般公開が始まった。

 「戦争と平和」「戦後の生活革命」の2大テーマで構成。前者は日清戦争から敗戦後の米軍占領下時代までを扱い、後者は、戦後復興から高度経済成長を経て、大衆文化が発達していく様子を描いている。

 展示資料は紙資料や遺物など約500点。戦時中に兵隊が共同生活を送った「内務班」や、終戦後の闇市などの様子を、原寸大の人形などで再現したコーナーが目を引く。

 米軍の爆撃機・B−29の5分の1サイズ模型や、怪獣「ゴジラ」のレプリカなども待っている。懐かしのCMなど、音声・映像資料も豊富だ。

 開設には7年以上の期間を要した。国内外の研究者約20人が共同研究や検討を重ね、外部の有識者でつくる会議が全体の展示構成を審査した。

 「一番目立つのは、展示室で『語り』があるということ。展示を見て、親が子供に、祖父が孫に、自分の経験を話して聞かせている。われわれが予測していた以上」(平川館長)。オープン以降、来館者数は昨年の1・5倍のペースが続いているという。

■「生活史」コンセプト…一辺倒ではなく

 近現代の戦争をテーマに据えた博物館は、これまでもあった。厚生労働省が設置する「しょうけい館」(東京都千代田区)は、戦争で傷や病を得た元兵士らの労苦を語り継ぐ−との趣旨で展示。「昭和館」(同)も同省所管で、戦没者遺族ら銃後の国民の苦難を伝える−との観点で展示している。

 設置者が国でないものでは、靖国神社の「遊就館」(同)が挙げられる。展示には、国難に殉じた英霊の事跡を後世に伝える意味合いが込められている。

 設置者や目的にそった個性がある中で、歴博の特徴は何か。平川館長は「生活史」というキーワードで説明する。

 「時代にかかわらず、歴博の展示は『生活史』をコンセプトにしている。政治史や外交史一辺倒ではなく、戦争の時代に一人の兵士がつくりあげられる過程と、それを支えた村社会を見ることで、はるかに本質に迫れるのではないかと考えた」

 そのコンセプトがよく見えるのが、現在、歴博が建つ位置に拠点を置いた旧陸軍「佐倉57連隊」の歴史を軸とした展示だ。

 歩兵銃などの装備品や、下士官の辞令、入営者の心得を書いた冊子、除隊記念品のハンカチや杯、私的制裁(兵営内でのリンチ)についての軍の報告書−といった資料を提示することで、一市民が兵士となっていく過程や、銃後の村落社会と軍隊とのつながりを浮かびあがらせている。

 逆にいえば、「政治史」や「外交史」は、生活史の背景事情として、おおむね簡単な説明にとどまっている。この時代を語る際に必ず登場するような政治家や、軍人なども登場していない。

■「偏向」許されない中…「相当の覚悟必要だった」

 展示を練り上げる過程では、学術的に非常に慎重な検討を重ねたという。

 「昨日の資料も今日は歴史資料になるのが現代史。資料は非常に多様です。実体験した人が現に生きており、個人の体験によって、歴史的な出来事への認識も多様。相当の覚悟と準備が必要だった」(同)

 過去の戦争を、一個人がどう体験し、認識しているかは千差万別。思想や政治問題も絡むため、「万人が受け入れる歴史」を描き出すのは難しい。一方、歴博は国立の博物館である以上、「偏向」は許されない。

 侵略か自衛か。加害か被害か−。

 日本が経験した戦争については、中国や韓国などとの「歴史認識」の相違が、常に摩擦を生んでいる。そうしたデリケートな事象を、具体的にはどう展示しているのか。

 例えば、1910(明治43)年の韓国併合後に起こった独立運動の展示。歴史的な経過は淡々とした記述にとどめ、「主役」には、朝鮮支配に批判的だった民芸運動家・柳宗悦(やなぎ・むねよし、明治22年〜昭和36年)と、朝鮮総督府の林業技師で現地の民芸保存に力を尽くした浅川巧(明治24年〜昭和6年)の事跡を据えた。展示パネルは、こう記している。 

 「浅川巧は(中略)朝鮮民芸の収集・研究に努め、その仕事は柳宗悦にも大きな影響を与えた。また、柳宗悦や兄の浅川伯教とともに朝鮮民族美術館設立運動にも奔走した。浅川の誠実な人柄は、朝鮮の人びとから敬愛され、1931(昭和6)年に40歳で亡くなった際、その棺は多くの朝鮮人に担がれ、京城(現ソウル)東郊の朝鮮人共同墓地に葬られた」

 このほか、女性民族舞踊家として国際的名声を博した崔承喜(チェ・スンヒ、明治44年〜?)の、植民地化と南北分断の中で生きた数奇な人生なども紹介。日本の統治については、「協和会は、戦時期日本において、在日朝鮮人を管理、統制するための官製団体で(中略)『保護、指導、矯正』の名のもとに、在日朝鮮人の戦争協力と日本人への同化を推し進めた」などの解説文がみえ、創氏改名の痕跡がみえる朝鮮人児童の通信簿なども展示している。

 慎重な記述で日本と朝鮮の人々の交流を描く一方で、政治史などではおなじみの独立運動家で、初代韓国統監の伊藤博文を暗殺した安重根(1879〜1910)らは登場していない。

■「忘却としての戦後」…総括的な説明はシンプル

 中国については、展示資料に添えて、以下のような解説文がみえる。

 「満州事変後の満州には、多くの開拓農民が移民として渡ったが、これは現地の農民の生活を圧迫しつつ行われていった」

 「長期間にわたって戦場で戦うことを強いられた日本軍兵士の規律はゆるみ、犯罪を行う者もあった」

 そもそもの虚実や犠牲者数などで評価が定まらない「南京事件」については、避難民の写真を載せた米国の雑誌「LIFE」と、事件後の昭和13年に綱紀粛正のため軍が作った冊子を展示した上で、こう記している。

 「日本軍は、約1カ月余りの間、南京城内外で略奪・暴行をくりかえし、婦女子を含む中国人一般住民および中国軍の投降兵や捕虜を大量に殺害した。(中略)日本でも外務省や軍首脳部には、占領直後から南京における事態の深刻性が伝えられていた」

 南京事件や、将校2人が中国戦線で“殺人ゲーム”を競ったと報道された「百人斬り」などについては戦後、真偽をめぐり、保守派の論客と、進歩的文化人と呼ばれた左派の知識人の間で激しい論争が巻き起こった。この経過を扱うのが「忘却としての戦後」と題した最終盤のコーナーだ。

 「南京大虐殺」(南京事件)が虚構であるとした「南京大虐殺のまぼろし」(鈴木明著)、百人斬りが事実と主張する「中国の旅」(本多勝一著)、「大東亜戦争肯定論」(林房雄著)といった書籍の写真や現物、出版年を記した年表が展示されているが、それぞれについて、特別な解説はしていない。総括的なパネルの説明は、極めてシンプルだ。

 「戦後日本を支えてきたのは戦争の経験であった。しかし昭和30年代に入ると戦争体験の風化が進み、戦争はしだいに忘れられていった。(中略)また、植民地経験はほとんど人びとの意識にのぼらず、かろうじてわずかの作品のなかに断片としてその記憶を保っているだけである。忘却をめぐるこうしたせめぎあいに、戦後日本の特徴が示されている」

■「集団自決」で抗議も…定期的に展示を見直し

 慎重な検討のあとがみえる展示だが、やはり“物言い”はついた。やり玉にあがったのは、沖縄戦での民間人「集団自決」に関する展示だ。

 この問題を扱うのは「戦場の民間人」というコーナー。自決跡地の碑や、洞窟(どうくつ)から出て米兵に助けられる母子の写真とともに、「犠牲者の中には、戦闘ばかりでなく『集団自決』に追い込まれた人びともいた」との解説文が添えられた。

 この解説は、準備段階では「『軍の関与』を含む『集団自決』の歴史的社会的要因を列挙した記述」(歴博)だったが、最終的には先述のように改められた。これに対し、沖縄の市民団体や政治家らから「軍命令は歴史的事実だ」などと抗議が相次いでいる。

 歴博は「リニューアル委員会」を定期的に開き、展示内容の見直しをしている。集団自決の展示についても見直す方向で検討しているが、結論は出ていない。「ただ文章を修正するような、その場しのぎの解決はしない」(同館)という。

 ただ、「現代」展示は沖縄の基地問題にも相応のスペースを割き、戦時体験を「島クトゥバ」(沖縄の方言)で語る古老の映像を展示の最後に据えるなど、全体としては沖縄への配慮が伺える構成になっている。

 平川館長は「重要なのは、事実は何であり、どこまで証明が可能なのかということ」と前置きした上で、「決して、今の展示が完成形ではない。集団自決の件にとどまらず、さまざまな反響や意見がある。これまでと同様に、意見や批判に耳を傾けながら徐々に手直しをしていきたい」と話している。

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<稲穂>枝増やす遺伝子を名大チームが発見 最大52%増も(毎日新聞)

May 27 [Thu], 2010, 9:38
 イネの穂の枝分かれ数を大幅に増加させる遺伝子を、名古屋大の研究チームが発見した。実験では「日本晴」の1株当たりの米粒数を最大52%増加させることに成功。小麦やトウモロコシにも応用できる可能性があり、研究チームは穀物の増産につなげられるとしている。23日付の米科学誌「ネイチャー・ジェネティックス」(電子版)で発表した。

 研究チームの芦苅基行・同大生物機能開発利用研究センター教授(植物分子遺伝学)らは、穂の枝分かれの数が日本晴より約3倍多い品種から、最初の枝分かれである1次枝梗(しこう)の数を決める遺伝子を特定した。

 日本晴にこの遺伝子を導入したところ、約11.6本だった1次枝梗数が21.4本に増加。1株当たりの米粒の数は2232粒から3142粒へと約41%増えた。さらに、芦苅教授らが05年に特定した米粒数を増加させる遺伝子も導入すると、1次枝梗数は23.8本、米粒数は3396粒と約52%も増えた。

 芦苅教授は「これらの遺伝子を利用するとイネの収量を劇的に増加させることができる」と期待している。【福島祥】

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仕分け後半戦、約70法人決定へ=宝くじ協会など82事業―刷新会議(時事通信)

May 20 [Thu], 2010, 12:39
 政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)は18日、首相官邸で会合を開き、事業仕分け第2弾後半戦で取り上げる公益法人などと事業を決定する。日本宝くじ協会(総務省所管)や、全国18空港で駐車場を運営する空港環境整備協会(国土交通省所管)など70法人、82事業が固まっている。対象法人を一つ増やすかどうか最終調整の上で、正式決定する。
 仕分け対象は、国所管の約6600の公益法人を、(1)収入の半分以上が国などの公費支出(2)天下りを受け入れている(3)法令で権限が付与されている―などの基準で絞り込んだ。また、特殊法人が衣替えした特別民間法人も日本消防検定協会(総務省所管)など3法人を対象とする。
 民間である公益法人は、国の監視が十分に行き届かず、官僚OBの天下りの実態が独立行政法人以上に不透明と指摘される。事業仕分けでは、各事業の必要性や独占的契約の有無などの精査に加え、天下りの実情も洗い出す方針だ。 

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コンビニ強盗、店員が説得→逃走 大阪(産経新聞)

May 14 [Fri], 2010, 18:31
 10日午前3時15分ごろ、大阪市中央区南船場のコンビニ「ファミリーマート南船場2丁目店」で、男性店員(25)が商品整理をしていたところ、店に入ってきた男がナイフをちらつかせて「金出せ」と脅迫。男性店員が「やめときましょうよ。警察呼びますよ」と説得すると、何もとらずに自転車で逃走した。店には当時、男性店員しかおらず、けがはなかった。南署が強盗未遂容疑で捜査している。

 8日に約1.5キロ北のコンビニで起きた強盗事件も、手口や犯人の身長などが似ており、同署で関連を調べている。

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御柱祭 柱から落ち2人死亡 長野・諏訪大社(毎日新聞)

May 12 [Wed], 2010, 10:34
 8日午後5時ごろ、長野県下諏訪町の諏訪大社下社で開かれている御柱祭で、高さ約17メートルの柱を垂直に立てる「建て御柱」の最中、柱に乗っていた氏子の男性3人が十数メートル下の地面に落下した。県警諏訪署によると、3人のうち、同県岡谷市の増沢徳寿(のりとし)さん(45)と同市加茂町4の平田和也さん(33)が頭などを打ち死亡。1人が軽傷。他に1人が軽傷を負ったとの情報もあり、同署が詳しい状況を調べている。

 建て御柱は保管場所から境内へ柱を運び、複数のワイヤやロープで引くなどして垂直に立てる儀式。県警や祭りの参加者らによると、ワイヤ1本が切れて柱がぐらつき、3人はバランスを崩して落ちたらしい。命綱を付けていなかった人もいた模様。また周囲にいた1人に切れたワイヤが当たり軽傷との情報もある。

 諏訪大社の御柱祭は6年(数えで7年)に1度行われる。8日は最終盤の見ものである下社「里曳(さとび)き」の初日で、多くの見物客が見守る中、1本目の「春宮一」の柱を立てていた。

 県内外の関連神社でも御柱祭は行われており、4月には同県千曲市の神社で、建て御柱の最中に柱が突然倒れ、氏子の男性4人が巻き込まれて会社員(38)が死亡、3人が重軽傷を負った。【武田博仁、大平明日香】

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