ヴィール夫人の亡霊

June 09 [Wed], 2010, 2:08
ヴィール夫人とバーグレーヴ夫人とは子供のときからの親友でしたが、ヴィール夫人が結婚をしたことを機に疎遠となってしまいました。しかしある日、それはバーグレーヴ夫人が自分の不運な人生について「私はもう前から覚悟をしているのであるから、運命にまかせて落ち着いていさえすればいいのだ。そうして、その不幸も終わるべき時には終わるであろうから、自分はそれで満足していればいいのだ」と考えているときでした。なんと突然疎遠だったヴィール夫人が彼女を訪ねてきたのです。一体ヴィール夫人はどうしてバーグレーヴ夫人を訪ねてきたのでしょうか。

 この作品が私達に感動を与えているポイントとして、ヴィール夫人が亡霊となってまでバーグレーヴ夫人を激励しにきたこともそうですが、バークレーヴ夫人自身の〈純粋さ〉もこの物語を感動させるものの一つになっているのです。
 バーグレーヴ夫人のもとにやってきたヴィール夫人は亡霊で、「逆境にあるバーグレーヴ夫人を慰藉するとともに、信仰の話で彼女を力づけようとした事と、疎 遠になっていた詫びを言いに」彼女の前に現れたのです。そしてヴィール夫人は彼女の異変に気づいており、「自分の弟のところへ手紙を出して、自分の指輪は誰だれに贈ってくれ、二カ所の広い土地は彼女の従兄弟のワトソンに与えてくれ、金貨の財布は彼女の私 室にあるということを書き送ってくれ」という妙な要望に対して「彼女の懇願を容れ るために、ペンと紙とを取りに行こうとする」と、彼女の言うことに従おうとします。大抵の人間ならば、理由を聞いて納得いかなければ行動しないでしょう。

 そしてバーグレーヴ夫人は自分のもとにやってきた夫人が亡霊であることを知り、その噂が広まりあらゆる国の紳士、学者、分別のある人、無神論者などという人びとが彼女のもとを訪れました。それに対して彼女は「出来るだけ世の人びとのためになるように尽くそう」という思いから、進んで彼らに事の一部始終を話すのです。
 これらの純粋な彼女の行動こそが、物語に更なる感動を与えているのです。
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