鬼遊戯 

January 23 [Sat], 2016, 23:13
 
 みちびかれるまま手の鳴る方へ
 はやしたてられて目隠しのまま
 ことばを信じて嗤われてもいい
 勇気があればよかったのかな




 

愛してるって言ってみて 

January 22 [Fri], 2016, 2:34
 
 愛してるって言ってみて
 愛してるって
 壊れた玩具みたいに繰り返して
 あふれる涙は綺麗でしょ

 愛してるって言ってみて
 愛してるって
 壊れた蛇口みたいに垂れ流して
 今痛むそこを心というの




 

nothing 

October 18 [Sun], 2015, 0:25
 
 僕にはきれいな筆がない
 だから安物のペンを握る

 真っ白なキャンバスに
 僕だけに見えた景色を描く

 僕にはやさしい声がない
 だから嗄れた喉で呻く

 真っ白な五線譜に
 僕だけに聞こえた歌を記す

 僕にはあつい心がない
 だから歪な鼓動を揺らす

 真っ白な地平線に
 僕だけに科せられた時を刻む




 

ダンス U 

September 03 [Wed], 2014, 0:00
 
 金色にとがった三日月の上で
 つまずきながら踊るワルツ
 欠けたステップも恥じることはない
 ここではだれも気にしない

 調子っぱずれの音楽にのって
 噛みつくようなウィンクを振りまいて
 秋のモードはでたらめな着こなし
 いちばん楽しんだものが主役

 グラスは美しい音をたてて
 乾杯のたびに砕け散り
 きらきらと床を飾る

 透明な砂を踏んで踊ろう
 紅いワインを絶やしたならば
 愉快な夜も一炊の夢



 乱暴なターンで引きずり回して
 あちらに会釈こちらに御挨拶
 壁の花はいずこにいらっしゃる
 いっそ叩きつけて紅く咲かそうか

 愛しのプリマが決まったなら
 とっておきの流し目で射抜いて
 ぶつかるような甘い唇
 こぼさず味わう毒針の味

 今宵くるったホールに
 銀色にかがやく星屑が降り
 指にも頬にも突き刺さる

 まばゆい光を浴びて踊ろう
 紅いワインを絶やしたならば
 愉快な夜も一炊の夢




 

moment 

September 08 [Sun], 2013, 3:22
 
 美しいままの亡骸と
 朝の来ない窓辺に座る
 
 願いはいつも叶わない
 温かいままの体が裏切る
 
 カーテンを閉め切っても
 深く息を吐いても
 
 どこからか忍び寄る
 眩しい光に
 
 目を灼き産毛を焦がしても
 昇る太陽を止めることはできず
 
 色は褪せ壁は朽ち
 人は去り葉は茂る
 
 少しずつなだらかに
 残酷に平等に
 
 竦む心を置き去りに
 時が奪ってゆく




 

stay 

July 27 [Sat], 2013, 16:29
 
 いまここにいないこと
 もうどこにもいないこと

 いつかどこかへ
 いつでもここへ

 月明かりの空
 夜と風のあいだに

 雨上がりの空
 太陽と虹のあいだに

 きっとかんじている
 きらきらとひかっている




 

this room 3 

July 04 [Thu], 2013, 23:46
 
 増えていく媒体
 分裂する自我

 収束するように
 拡散していく

 意識の断片を
 閉じ込めて

 四角い牢の中で
 夜間遊泳

 朝には拾い集めて
 押し込めて

 何食わぬ顔で
 歪んでみせるたび

 どこからか
 こぼれ落ちる残骸を

 手も伸ばせず
 失いながら

 夜が来れば
 また解け出す

 四角い混沌の中で
 優しい牢の中で




 

陽炎 

February 17 [Sun], 2013, 0:52
 
 あなたが昔と変わらず
 輝き続けてくれたら
 もちろんうれしい
 でも輝いていなくたっていい
 落ち込んで
 打ちのめされていたっていい
 さびしくても
 だらしなくても
 生きてさえいてくれたら
 時々風の便りが聞けたら
 所詮わたしは
 手を差し伸べることもできず
 どこかでうまくやってくれたらいいと
 願うだけの身勝手な他人だ
 けれども
 あなたはわたしの青春だった
 その光が消えることはない
 病んでいてもいい
 生きてさえいなくてもいい
 さまよっても
 たよりなくても
 あなたが歩き抜いた
 その足跡なら
 わたしは光を辿るように
 あなたの影を探ろう




 

告別 

December 06 [Thu], 2012, 0:46
 
 かつて高慢の極みに浮かれていたわたしを
 尊敬すると言ってくれたあなた

 いま夢から覚めて絶望にふるえるわたしを
 もし見たらなんと言うだろうか

 失望した目で憐れむだろうか
 変わらず微笑んでくれるだろうか

 そのどちらも耐えられぬから
 もう二度とあなたには会わない

  さよなら
  どうか
  元気で


 贈る言葉もない
 送る言葉もない

 あなたはわたしの世界の
 もうひとつのまなざしだった

 声も届かなくなったいま
 いまさら気付いた

 孤高だと自惚れていた世界は
 あなたに支えられていた

 だから会えない
 あなたにだけは

  さよなら
  どうか
  そのまま


 知らなくていい
 忘れていい

 どうしようもなく愚かだった
 わたしの傍でいつも笑っていた

 あなたもまた愚かだった
 隣でわたしもきっと笑っていた

 あなたの中で葬られるなら
 穏やかに消えてゆけるのなら

  さよなら
  どうか
  幸せに


 届かなくていい
 消えていい

 言葉にならぬ思いも
 わたしの最後の願いも




 

薔薇窓 2 

July 20 [Fri], 2012, 23:54
 
 とおく
 とおく
 
 とどかないほど
 ずっととおく
 
 いまここにいないこと
 もうどこにもいないこと
 
 たかいまどから
 ふるはなのかげ




 
P R
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