始業式-1- 

2006年05月20日(土) 21時56分
「あっ!おっはよー、賢斗♪」
学校へ行く途中、近道をしようと角を曲がると美代子がニコニコして立っていた。
「何でお前がいるんだよ」むすっとした表情で返すと美代子は頬を少し膨らませて言った。
「春休み中に引越したから、通学路こっちになったの!!」
何でいちゃいけないの?!と美代子の顔に書いてあったので賢斗は思わず吹き出してしまった。
「?!何で笑…」
「何でもないよ」
賢斗は笑いを抑えながら言った。
2人はしばらく黙ったまま歩いていたが、突然美代子が腕時計を覗きこんで叫んだ。
「あっ!もう走らないと絶対間に合わない!!」
賢斗は今日に限って時計を忘れたので、美代子の声を聞くなり、走り出した。
「この卑怯者ー!!あんたの方が足速いじゃない!」
美代子は叫びながら賢斗を追いかけた。
「当たり前だ!俺はバスケ部で1番速いからな!!」
賢斗はニヤリと笑い、叫び返すと信号に引っかかったので一旦足を止めた。
信号待ちしていると、賢斗が思ったより早く美代子が現れた。
いつの間にこんなに足速くなったんだ…?
賢斗がしばらく考えていると、「はぁ…はぁ…」と美代子が軽く息をあげていた。
やっぱまだ体力はそんなに無いか…。
そう判断すると賢斗は黙って美代子の荷物を奪った。
「?!…け、賢斗…?」
信号が青に変わった。
「新学期早々遅刻はまずいだろ?」
ニコリ、と笑いかけると賢斗は信号を足早に渡り、校門までの直線をダッシュした。
「………」
美代子はしばらく呆然としていたが、ハッと気づくと信号を足早に渡った。
ちょうど美代子が渡り終えたとき、信号が変わった。
「ったくもう!中途半端にフェミニストなんだから!!」
そう呟くと、賢斗を待たせるわけにはいかない!!と、さっきよりスピードをあげて追いかけていった。
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