覚えているうちに

October 08 [Fri], 2010, 23:30
記憶はどんどん薄れていくものだから、覚えているうちに何処かに残しておきたくて書き綴ることにした。

父が心筋梗塞で倒れた日のこと。

そのせいでペースメーカーを入れたことを。





父が倒れたのは、去年の春。

4月17日、23時過ぎ。

1階で呑気にPCに向かっていた私は、妹の尋常じゃない呼び声に2階の両親の寝室に上がった。

そこには、見たこともない顔色でピクリとも動かない父がいた。

赤紫色の顔。

1点を見つめて動かない目。

されるがままで抵抗もしない身体。

父の身体を揺さぶりながら名前を呼ぶ母。

その傍らで父の名前を呼ぶ妹。

二人の反対側に周り、父の横に座る。

父の手首に触れる。

脈がない。

首に触れる。

脈がない。

息もしていない。

まさか、死んでいる?

とっさに母の顔を見た。

母は、私に目配せをした。

まさかという思いと、どうしようという思いが私の中で交差した。

心肺蘇生は、止まってから7分間が勝負というのを不意に思い出した。

もしかしたらと思い、父の口の中に手を突っ込み、喉に落ち込んでいる舌を刺激した。

クハァという音がして、父が息をした。

母に、

「お母さん、人工呼吸!」

と叫び、父の頭を動かないように押さえた。

母は、父に人工呼吸と心臓マッサージを開始した。

「救急車呼ぶよ!」

その間に妹が救急車に電話した。

救急車が到着するまでの10分弱が、ものすごく長く感じた。

救急車が来た頃には、少し顔色も戻っていたが、自発的な呼吸はなくて…

状態がよくないのは明らかで。

救急隊員の方にAEDによる蘇生を1回された後、もう1回されていた。

ぼそぼそと救急隊員の方が話している。

内容は聞こえなかったが、ピクリとも動かない父に不安が募る。

もう2度と目を開けてくれないのかも…と嫌な考えが頭をよぎる。

救急隊員の方と担架で父を1階まで下ろした。

ずっしりと重くて、余計不安になった。



救急車には、母と妹に同乗してもらった。

母は気が動転していたし、妹も一人で置いておけそうもなかったから。

私が、家の片付けと弟への連絡係として家に残ることにした。




長い長い夜の始まりだった。








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