わたしたち住友シティハウスを考える会は、2005年12月、住友不動産と和解しました。
今までは、シティハウスの建設にまつわる内容を中心にお届けしてきたつれづれ日記ですが、
内容を整理して、街づくりに焦点を当てた内容のみ、公開します。

名古屋市長・新聞社宛に・・・(1) / 2005年12月14日(水)
先日の日記で、先月発覚してから大きな騒ぎとなっている、建物の耐震強度偽装問題で、思うことがいろいろあるというお話をしました。

そして、それについて、いろいろと思うことを書いていきたい、ということもお話しました。

今回、住友シティハウスを考える会は、名古屋市長と新聞各社に対して、以下の要望書を送りました。その内容を転載する形になりますが、こんな問題があるのだ、ということを知ってもらえれば、と思います。

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住友シティハウスを考える会

名古屋市長 松原 武久 様
住友シティハウスを考える会
建築確認の民間委託見直しの要望書

数日前まで街を彩っていた街路樹の落葉が、道路に降り積もる季節となりましたが、市長は、市民生活の安寧のために日夜ご活躍のことと存じます。

さて、このほど姉歯設計事務所による耐震構造計算の偽装が明らかになり、連日マスコミが大きく報道しております。儲けのためには『人の命』をも犠牲にするという許しがたい事件です。

この事件の背景は、耐震構造計算をチエックする機能の欠陥にあると思います。姉歯設計事務所もその欠陥を利用し、「イーホームズは、チエックが甘いから利用した」と語っているように、申請者が指定確認検査機関(以下、検査会社という)を選ぶことができる制度の盲点をついてきたようです。

また、申請者が検査会社を選ぶという流れは近年増加し、癒着の構造とも言える事態です。国土交通省の緊急調査では、姉歯設計事務所関連以外の建物でも問題建物が見つかっていますが、これも制度の欠陥からきていると思います。

加えて、先の福岡県西方沖地震では「建築から1〜8年ほどのマンションに亀裂被害が多発し、それ以前のマンションにはさしたる被害は出なかった」と専門家から聞いております。

『新しいマンションやホテルの方が危ない』、これではマンション住民やホテル利用者は安心できませんし、近隣住民も不安です。市民の安全・安心に腐心されている名古屋市長として見過ごすことができない問題だと思います。

・・・(続)・・・
 
   
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名古屋市長・新聞社宛に・・・(2) / 2005年12月14日(水)
姉歯事件や福岡の新築マンション被害の主因は、マンション業界が過当競争のなかで『確実な利益』を上げるために、安全性を無視した低価格競争に走っているからだと推測します。そのことは姉歯建築士が、会社名をあげて圧力があった。と話している事からも明らかですし、福岡の被害はマンション業界が安売り競争に走った時期と一致しております。

最近のマスコミ報道によって、検査会社の多くは大手ゼネコンが出資して創設した会社であることを知りました。国、地方などで建設行政に関わる部課の方々は、そのことを承知しておられたと思います。
『狼に羊の番人』をさせるような民間委託制度を活用している名古屋市にも『安全・安心』を阻害する責任の一端があると思います。

また、国や地方公共団体が建築業界の要望を受け入れ、日照基準の緩和、容積率不参入の特例、業者のための都市計画変更など、建築基準法や都市計画法の目的とは相反する業者寄りの『建築行政』を行ってきたこともひとつの要因であると、私たちは考えております。

現在、名古屋市では低層戸建住宅が整然と並ぶ地域にも中高層のマンションが進出し、住環境を破壊し、地域住民との紛争が起こっています。建築される建物単体だけを見て、街全体のバランスを考えない『確認処分』は街の品位を落とします。

また、『50年、100年先の名古屋市を描いた都市計画』を業者の意向に添って変更(容積率の上積みなど)を行うのは、デザイン都市を標榜する名古屋市に相応しくない建築行政であり、市の主体性が疑われる行為であると思います。

・・・(続)・・・
 
   
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名古屋市長・新聞社宛に・・・(3) / 2005年12月14日(水)
市長が、以下の項目について至急改善されることを求めます。


  @ 建築確認処分にあたっては、建築基準法第1条、
     都市計画法第1条を重視し、マンション等の周辺住民の
     「建築同意書」の添付を条件とすること。
  A 建築確認処分は、名古屋市の責任で行うこと。
  B 当面の措置として、名古屋市の責任で検査会社を指定
     すること。
  C 建築に伴う紛争については、名古屋市の責任で仲介を
     行うこと。
  D 特に日照被害については、 『太陽光採光(誘導)シス
     テム
』の開発により、日照がかなり回復できるように
     なりました。日影被害が起きそうな建物の建築確認に
     おいては同システムを建築者側で設置する旨の
     指導をすること。
  E 保育園など、教育施設の近隣に建築されるマンション
     などは、子どもたちへの影響を十分考慮して低層建物と
     すること。

以上
「追伸」
  マスコミ各社にも本件「要望書」を送付したことを申し添えます。
 
   
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構造計算書 偽造事件で思うこと / 2005年12月01日(木)
ここ数週間、姉歯設計事務所の設計したマンションで、構造計算書偽造があったという事件が、世間を騒がせています。

本来必要なはずのコンクリートの厚みを削ったり、鉄筋の数量を減らしたり・・・

その結果、ひどい物件では、建物の重み(自重)にも耐えられないと言われるようなものまであるそうです。

設計した者・建設した者にしか知り得ない隠された場所に、こんな事実が隠されていたなんて、これはほんとうにおそろしいことです。

購入する人は、マンション販売を担当する営業マンの「基準を満たしています」という言葉を信じるほかに、事実を確認する術がありません。その言葉が真実である保障はなく、事実を確認することもできないのですから、いったい何を信じよ、というのでしょう?

この問題の背後には、「とにかく建設コストを下げろ」という、建設に関わる業者間の『上から下への圧力の連鎖』が垣間見えます。

より多く、より安く建物を建て、より高く販売し、より大きな利益を得るために、人の命が軽んじられていると言っても過言ではないと思います。

そこには、おろそしい闇が広がっているのだと感じずにはいられません。

今は姉歯設計事務所の問題に終始していますが、他の物件はほんとうに大丈夫なのでしょうか?
今まで闇に葬り去られていたこの問題、ほんとうに偽造は姉歯設計事務所だけで済むのでしょうか?全ての建築物について、それはきちんと確かめられるのでしょうか?

心配でなりません。

わたしたちシティハウスを考える会は、3年もの長い間、マンション建設にまつわる様々な問題に直面してきました。(そして、今もなお直面しています・・・)

そのためか、この問題については、周囲の知識人の方々から聞き知ったことや、思うことが、たくさんあります。

折りを見て、ご紹介していこうと思います。
 
   
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ネットワークの勝利 山添町(9) 最終回 / 2005年07月28日(木)
このシリーズの最後に、田代保育園の方の言葉を、ここにそのまま抜粋させていただきます。

『建築計画を結局白紙撤回してくださった会社の社長さんには、今では感謝しています。

しかし、建築基準法が最優先で、その建築基準法にさえ「公共の福祉」をうたっているのに省みず、たくさんの被害者の運動があってできたと思われる、名古屋市の条例を軽視している名古屋市に対し、私たちは今でも姿勢を改めて欲しいと強く願っています。
そして、運動の中でたくさんの矛盾に突き当たりましたが、中でも「発散方法」という、建築専門の道路の幅の測り方について、実際には直角に計れば7.5mのものを、斜めに計って100mにもできるという信じがたい測定方法を国が認めているので採用するという建築審査会の結論に対し、おかしいとおもっています。

また、建築主側は、わたしたちの真剣な運動に対して、弁護士を介して内容証明の文章を送り(住友不動産も、これと同じことを、わたしたち住友シティハウスを考える会に対して行いました)、集団の抗議行動にパトカーを呼び、裁判に訴えると宣言し、そして実際裁判に訴えるという、いくつかの脅しを行ってきました。

わたしたちは、相手の誠意に訴えつつも、脅しには屈しない姿勢を貫きました。その結果、これ以上強引に建築を進めた場合、入居者を得るという利益につながらないと判断したと思われます。脅しには屈しない闘いが重要です。

たくさんの不正があり、正義を追求する弁護士にも出会い、住民の要求を大切にする一級建築士のエネルギーをもらい、勝つことができました。この結果は今でもマンション被害で闘っておられるたくさんの方々の運動の力があってのことと意識し、感謝と応援を送りたいと思います。』

最後になりましたが、このホームページで山添町の問題を取り上げるに当たって、協力くださった方々に、厚くお礼申し上げます。

ご協力、ほんとうにありがとうございました。
 
   
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ネットワークの勝利 山添町(8) / 2005年07月12日(火)
2005年2月、山添町のマンション問題は、最高の山場を迎えます。

工事現場に仮囲いのための資材を運び込んだことをきっかけに、資材を撤去するように、近隣のたくさんの人たちが抗議を起こしたのです。徹夜の監視が続きました。その間にパトカーが2回来たそうですが、おまわりさんからの指導はなかったそうです

ところが、2005年3月、相手側が、田代保育園の関係者に対して、「工事妨害排除」の仮処分申請を申し立ててきました。不誠実な業者が誠実な近隣住民を裁判に訴えたのです!罪の無い関係者が、業者によって被告にされてしまった瞬間でした。

田代保育園に「日照侵害」をしようとしている業者が、保育園関係者に「工事妨害」のレッテルを貼ったのです。保育園OBの弁護士さんが、弁護士3人による弁護団を組みました。保育園関係者も、近隣住民も、業者の不当なプレッシャーに負けることなく、さらに運動を強化していったそうです。

そうして迎えた2005年4月、裁判の第2審尋当日になって、相手側は、裁判の取り下げを申し立ててきました。そしてさらに、その翌日には、マンション建設の撤回を通知してきたそうです。

マンション建設の計画は白紙に戻され、今後この場所にマンションは建てないことが、確約されたのです。

山添町のみなさんと田代保育園の、息の長い活動が実り、終焉を迎えたのです。
 
   
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ネットワークの勝利 山添町(7) / 2005年07月08日(金)
当初、「一旦押してしまった判は取り消せない」とかたくなな姿勢を見せていた名古屋市も、「田代保育園のお日さまを守る会」の積極的な活動と、千種区選出の全市議会議員の賛同によって、徐々に軟化します。名古屋市が「再度、条例に基づいた協議をするように、業者側に指導します」と回答したのです。

ところが、業者はこの種の協議を極端に嫌がります。説明会の要請も協議の要請も断る一方で名古屋市を仲介とする「あっせん」を要請したりと、姑息なことをしました。

「田代保育園のお日さまを守る会」は、参加者を限定せず、土日の夕方に開催するように、業者側に求め続けました。

山添町のみなさんは、名古屋市に対して、建築確認の不服審査請求を申し立て、名古屋市建築審査会で係争しました。半年におよぶ係争の結果は「却下」でしたが、名古屋市と専門家の人たちに、現実に起きているマンション問題の深刻さを訴え、現状を知ってもらうことは、名古屋市の建築行政に一石を投じたと思います。
 
   
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ネットワークの勝利 山添町(6) / 2005年06月28日(火)
田代保育園を中心に立ち上がった近隣住民は、いろいろな方法で、マンション建設問題に取り組まれました。

町内会と協力して、名古屋市に対して、「施主とマンション建設業者が条例に従って地元説明会や保育園との協議を行うよう指導する」ように訴え続けました。地域ニュースを作成して、回覧板で回したり、近隣や隣り町にまでチラシを配布しました。(ニュースは25号も発行されたそうです)

田代保育園にとって、力強い味方は、町内会とOBの方々でした。この問題を深刻な問題と捉えて、全力で取り組んでくださった方々を中心に、「田代保育園のお日さまを守る会」が結成されることになったのです。
 
   
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ネットワークの勝利 山添町(5) / 2005年06月12日(日)
保育園だけでなく、地域の住民にとっても、日影だけでなく、景観の問題、プライバシーの侵害、風害、圧迫感、駐車違反、ゴミ問題、騒音の問題などがあることを、深刻な問題として当初から取り上げてきたのです。

これは、マンションが建設されれば、マンションが存在することで生じる被害だけに留まらず、
マンションの住人の倫理観によっては、さらに被害が大きくなることを意味します。

今まで穏やかな住環境を維持してきた近隣住民が、どうして不安を感じずにいられるでしょうか?
 
   
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名古屋市の作った すばらしい条例 / 2005年06月05日(日)
少し話が逸れますが、まずここで、名古屋市にはすばらしい条例があることを、ご紹介しておかなければなりません。

中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整等に関する条例」です。

この条例の条文には、大切なことが書かれています。

良好な近隣関係を保持するとともに、健全で快適な居住環境の保全及び形成に資する事
(第1条)

これは、中高層のマンションを建設する場合には、その周辺の快適な住環境を守るように定めるものです。

保育所または幼稚園、学校など教育施設に日影となる部分を生じさせる場合には、日影の影響について特に配慮し、当該施設の設置者と協議しなければならない
(第7条)

これは、教育施設の日照に影響を及ぼす場合には、施設の設置者と協議し、建設に配慮をする必要を定めています。山添町の問題は、上の条文も、下の条文も無視した、法外な建築物だと言えるのではないでしょうか?
 
   
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