アレックス・ライダー
October 27 [Sat], 2007, 22:15
DEPOTのおすすめ度:★★★☆☆公開日:2007年10月27日
配給:CKエンタテインメント
監督:ジェフリー・サックス
出演:アレックス・ペティファー,ユアン・マクレガー,ミッキー・ローク
鑑賞日:2007年10月27日
MOVIX三郷 シアター7(座席数130)
【ストーリー】
地味な銀行員の伯父イアン・ライダーと一緒に住む、ごく普通の中学生アレックス・ライダー。しかしイアンの死をきっかけに彼を取り巻く状況は一変。実はイアンは英国諜報機関MI6の二重諜報員で、アレックスに趣味と称してスパイ技能を習得させていたのだ。MI6のミスター・ブラントにスパイに強制的に就任させられたアレックスは、早速陰謀を企んでいるといわれるIT企業の社長ダリアス・セイルへの元へと潜入するが……。
【レビュー】
本日1本目の鑑賞は、14歳の中学生が英国諜報員となるジェームズ・ボンドもびっくりのスパイ・アクション「アレックス・ライダー」です。この作品は少し前から映画館の予告編で面白そうだなぁ〜と思っていたのですが、HPなどで確認すると公開劇場が少ないのでちょっとB級っぽいようです。まぁ、デポとしてはB級だろうが、C級だろうが観たいと思えば観に行くし、個人的に楽しめればそれで満足なので世間の評価は気になりません。それにお客さんが少ない方がリラックス出来るしね(デポは人込みが苦手なのです)。
予想通り、アクションシーンなどは「007」シリーズや「M:i」シリーズといった大作物のスパイ・アクションに比べると地味な感じで見劣りがしてしまいますし、中学生をMI6がスパイとしてスカウトするという設定もかなり無理があります。それでも、93分という短い上映時間の中で目まぐるしく進行するスピーディーなストーリー展開とジェット・リーを彷彿させるロープを使ったアクションシーン、スパイ映画ならではの小道具など全体的にはなかなか楽しめる作品になっています。主役のアレックス・ライダーを演じるのは、弱冠15歳(撮影当時)の新人で役名と同じ“アレックス”の名を持つアレックス・ペティファー。まぁ、名前が同じ“アレックス”っていうのもオーディションではポイントが高かったと思いますが、これまでTVドラマ以外では出演作もない彼を主演として大抜擢したのには何か感じるものがあったんでしょうね。実際、上のパンフレットの写真を見てもらえば判るとおり、なかなかの甘いマスクで美少年なのは事実なんですが、彼はアクションシーンなどにも積極的に取り組み、スタントシーンを自ら演じるために8時間にも及ぶ訓練を行ったというエピソードがあったそうです。こんなアレックスだったからこそ、オーディションで審査員たちの目に留まり、原作者であるアンソニー・ホロヴィッツからも“彼以外にアレックス・ライダーは考えられない”と言わしめたんでしょうね。
更にキャスティングということで言えば、冒頭のシーンで死んでしまうアレックスの伯父イアン・ライダー役にはジェダイ・マスター、オビ=ワン・ケノービことユアン・マクレガー、彼の上司に当たるアラン・ブラント役には「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでデイヴィ・ジョーンズを演じるビル・ナイ、英国首相には「ハリー・ポッター」シリーズのハグリッドで御馴染みのロビー・コルトレーンとなかなかの顔ぶれです。また、ミッシー・パイルやアンディ・サーキスといった個性的でクセのある演技を見せる役者たちがいい味を出しているんですが、中でも異彩を放っているのがダリアス・セイルを演じているミッキー・ロークです。かつては「ナインハーフ」などの大ヒットで人気1だった彼もプロボクサーに転向し、必殺の“猫パンチ”を放つようになってからはすっかり過去の人になってしまいました。しかし、本作での彼は、言われなければ判らないような風貌(言われても判らないかもしれないが…)と“とっちゃん坊や”のようなキャラクターで圧倒的な存在感を発揮しています。
物語はアレックスの伯父に当たるイアン・ライダーの死から始まります。両親を早くに亡くしたアレックスの唯一の親族であったイアンは出張の多い銀行員。しかし、これは世を忍ぶ仮の姿でイアン・ライダーの真の姿は英国諜報機関MI6の中でも最も優秀な諜報員だったのです。伯父の死のショックさえ癒えないアレックスに対し、イアンの上司だったアランはこれまで自分の趣味だと思って行ってきたライフル射撃や空手、ロック・クライミングなどの習得や4ヶ国語にも及ぶ語学力がすべてイアンによるスパイへの英才教育だったことを告げられる。自分の能力を理解しながらもスパイになることを拒絶するアレックスだったが、姉のように慕い今となってはただひとりの家族のような存在の家政婦ジャックの不法滞在を指摘されたことにより否応なしに任務に付くこととなり、ここに英国史上最年少の諜報員アレックス・ライダーが誕生する。アレックスの最初の任務となるのが、原題にもなっている“ストームブレイカー(Stormbreaker)”を巡る陰謀です。バーチャル・リアリティを体感出来る次世代型PC“ストームブレイカー”をイギリス中の学校へと無償で寄付するIT企業セイル社のトップ、ダリアル・セイル。アレックスの伯父イアンは、彼の工場に潜入し“ストームブレイカー”に関する秘密を掴んだ直後に殺害されていた。イアンの死の真相とセイルの隠された陰謀を暴くべく、潜入に成功したアレックスだが正体がバレてしまい囚われの身となってしまう。英国中にばら撒かれた“ストームブレイカー”には、どんな秘密が隠されいるのか?そして、アレックス・ライダーはこの陰謀を阻止することが出来るのか?
オープニングのイアン・ライダーによるバイク・チェイス&カー・チェイスからラストシーンのセイル・タワーでの死闘まで大作のような派手な爆破や戦闘機、スペース・シャトルといった大掛かりな演出はないものの気が付けばエンディングというようなあっという間の1時間半でした。お金を掛けてド派手なアクションを見せてくれる代わりに本来のスパイ要素が失われてしまった大作などに比べれば、小気味好いテンポで格闘やチェイス、そして、スパイアクションが繰り広げられる本作の方が“スパイ映画”としては良く出来ていたかもしれませんね。デポが個人的におすすめするアクションシーンは、既に書いてしまっているんですが廃車工場でのロープを使った格闘シーンですね。実はこのシーンの時点では、アレックスはまだMI6の諜報員となっていないのですが、伯父イアンから学んだ武術を活かしてのロープを使ったアクションは、ジェット・リーの作品「ロミオ・マスト・ダイ」のワンシーンを思い出させます(ちなみに「ロミオ・マスト・ダイ」の武術指導はコリー・ユンで今作のアクション監督はドニー・イェン)。勿論、スパイ映画ですから「007」のような小道具もしっかりと登場します。しかも、それらのアイテムすべてが少年であるアレックスに合わせニンテンドーDSであったり、ヨーヨーであったりと実にユニークです。また、次世代型PC“ストームブレイカー”によってアレックスが体感する宇宙や恐竜たちのバーチャル・リアリティは数年後には実際に登場するんじゃないかと思わせるようなリアリティがありますし、セイルの施設で意味ありげに登場する巨大なクラゲちゃんはきっと誰かを殺してくれるんだろうなぁと思っていると期待通りの活躍を見せてくれたりもします。この他にもアレックスと家政婦のジャックが日本語で会話をしていたり、お寿司を食べたりするシーンは日本人としてはちょっと嬉しいもんですね。
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