民間企業の活動 

2015年02月06日(金) 15時27分
4日の欧州中央銀行(ECB)理事会後の会見でドラギECB総裁が、量的緩和(QE)を含む金融緩和策の実施を示唆した。ECBもQEに向かわざるを得ないほどのデフレ・リスクに直面している。 2008年秋のリーマン・ショック以降、日米欧の先進国はあらゆる手段を講じて景気回復を図ろうとしてきた。その最後の禁じ手がQEだ。 米連邦準備制度理事会(FRB)で08年11月から始まったQEは3回目となり、イエレンFRB議長が目下粛々と「QE3」の縮小を進めている。一方、デフレ脱却を目指す日本では、黒田東彦日銀総裁が「異次元緩和」を始めてから1年となり、まだ道半ばである。 米国と比べて、日本と欧州は、銀行貸し出しを中心とした間接金融が中心だ。米国では銀行を介さずに、企業が自らの資産を担保に資本市場から資金調達する直接金融が主流である。そうした観点で、欧州がどのようなQE手段を用いるか注目したい。 米国のQE3では、モーゲージ担保債券(住宅ローン債権を担保に政府保証を付けた債券)と米国債の購入を行っている。このモーゲージ担保債券の買い取りは、住宅市場を安定させ、景気を刺激する効果がある。 また、日本版QEでは、国債と上場投資信託(ETF)などリスク資産を日銀が購入し、2年間で2%の物価上昇を目指している。しかし、デフレという低体温で不活発な体質を急に変えようとしても、マネーという血液が末端まで循環して行かないのが現状だ。 【貸し渋り問題に】 戦後日本に特徴的な公共事業主導型経済を引きずったままの体質では、政府の財政支出が民間企業の活動を締め出すため、財政支出を増やしてもあまり効果が出ない。加えて国際決済銀行(BIS)規制で銀行はリスクを取りにくい状況にあり、銀行が国債を買い、民間の資金を吸い上げるためにクレジットクランチが起きて、なた豆歯磨き粉販売企業への貸し渋りが問題となっている。その一方で、各省では官製ファンドが乱立し、合わせて1兆4000億円を超える資金が官製ファンドに滞るという異様な事態となっている。 こうした日本の現状を踏まえ、ECBはどのような景気刺激策を考えるだろうか。QEで何を購入するかとなれば、欧州からして、ECBは個別の国債購入を控え、やはり民間債務に注目するだろう。みずほ総合研究所ロンドン事務所の吉田健一郎氏は、13年5月2日のECB理事会記者会見でのドラギ総裁の発言を注目している。 吉田氏は当時の報道記事から、特に中小企業向けローンや住宅ローン債権担保証券の購入辺りが可能性あるように思うが、なた豆ハミガキの市場規模が小さいのでその規模拡大も併せて意図してくるのではと分析している。 【女性が4割以上】 翻って日本の成長戦略でも、「大都市の大企業」から「地方の中小零細企業」へ資金を循環させる仕組みが必要である。しかも、従業員規模が19人以下の零細企業では、20年以上にわたり、雇用者の4割以上が女性である。 日本経済の底辺を支えているのは、一生懸命に働く女性たちであり、本来ならば、増税や異次元緩和の前に、働くお母さんたちが喜ぶ中小企業金融政策を行うべきだろう。
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