「あ、シュシュトリアンさま、いつの間に?」と、アテネと電話をしながら、シュシュトリアンに気付く門跡。
「なんなのよ、アンタたち?」と妖怪世話焼きバアア。
「ああ、本当に…」とデビ郎。
「このたびは…」と、おじゃ麻呂。
「申し訳ありませんでした」と源米。
「古人曰く、頭の上の蝿を追え」雪子。
「頭の上の蝿を追え」月子、花子。
「えー、これは、他人に世話をやくよりも、まず自分自身のことを、ちゃんとしなさいということなんですね。他人の頭の上を飛んでいる蝿を気にするより、まず自分の頭の上を飛び回る蝿を追い払えということに例えて言っているのですね」と、蝿の大群に襲われ、追い払っても追い払っても、蝿の山に押しつぶされそうになるフライドチキン男。
「妖怪世話焼きバアア。恋の要らんおせっかいなどやくヒマがあったら、普通に結婚相談所にでも勤務して、出会いをマッチングすればいいはず。にも拘わらず、キューピッドさまに化けて、面白おかしく男女をくっつけるなどというのは、ただの自己満足、遊びに過ぎません。今すぐ、術を解きなさい」と雪子。
「バカなこと言うんじゃないの、小娘が! 日本には昔から、お見合いという合理的なシステムがあって、年頃の男女がいれば、まわりが上手くまとめて、なんとかしたものなのよ。それが上手くいってたの。しかし、今の世の中、やれ合コンだ、出会い系サイトだとかいって、簡単に引っ付いたり別れたりと、地に足がついていないのよ。だから、私がひと肌もふた肌も脱ごうとしたのよ」と妖怪世話焼きバアア。
「何言ってんのよ。好きでもない相手と無理やりくっつけられるほうが迷惑よ」と花子。
「そーよ。明治時代まで、結婚式当日に始めて花婿の顔をみて、あまりにもブサイクすぎて、唖然とした花嫁なんてたくさんいるのよ。これじゃ結婚の名を借りた人身売買よ。仲人なんて自分の自己顕示欲を満たすために、適当に男女をくっつけているだけにすぎないのよ。いまどき流行らないわ」と月子。
「そうだ。よりによって女子高生とくっつけるとは何事だ」とデビ郎。
「同じく。高橋○ョージと三○美佳じゃないんだから。職質されたらどうしてくれるんですか」と源米。
「麿なんか、デビ郎殿とややこしい関係になるでおじゃる」と、おじゃ麻呂。
「あ、あそこにいた!キャー、ステキ!!」と、デビ郎の姿を発見し、嬉々として走ってくる、よう子。
「あ、ステキな白衣姿!」と、源米を見つけ、同様に走ってくる、みゆき。
「いたわ!あのお公家さん。逃がさないわよ、ウッフン」と、獲物を狙うような怪しげな目で、おじゃ麻呂を見つめ、走ってくるバラリラン。
「うわー。にげましょう!」とデビ郎。
「もうかんべんしてください!」と源米。
「反省しているでおじゃる!」と、おじゃ麻呂。
まるで、アメリカのドタバタ喜劇のように、追いつ追われつする6人。
「私がせっかく取り持ってあげたに、なんてもったいないことを…」と妖怪世話焼きバアア。
「何を言っているのです。あなたの妖術のせいで、ああなったのです。もう許しません」と雪子。
(「サーッ」と掛け声とともに、ここで主題歌が流れる。一気に戦闘モードに)
「これでもくらいなさい!」と、あれこれ口出しをする口を、くちばしのように尖らせ、鋭く突いてくる妖怪世話焼きバアア。しかし、巧みに攻撃をかわす雪子、月子、花子。
「そうですか。妖怪世話焼きバアアを封じ込めるには、一番聞きたくない言葉が、呪文になるんですね。わかりました」と、アテネにアドバイスをもらい、携帯電話を切る門跡。
「ババアの一番嫌いな言葉…、なんだろうな?」と思案をし始めた門跡。
一方、妖怪世話焼きバアアとの戦いは、激しさを増す。
「ならば、これならどうよ」と、口から嫁姑の仲のように、気苦労が重くのしかかるような毒ガスを吐き出す。
「うっ、吸っちゃだめよ。一気に暗い気持ちになるから」と、月子、花子に注意をうながす雪子。
「あ、この言葉がいい呪文になる!」と、ひらめいた門跡。そして「こら、妖怪世話焼きバアア。『しょせん、息子は嫁の味方さ。しょせん、息子は嫁の味方さ。しょせん、息子は嫁の味方さ。しょせん…』」と、繰り返し姑の心がささくれる言葉を呪文としてぶつける。
「うう、や、やめて〜。あんな嫁にだまされちゃダメよ。だから、お母さんがいうとおりの相手と結婚すればよかったのよおおお」と、耳を押さえながらうずくまる妖怪世話焼きバアア。
「今よ」という雪子の声とともに、雪子、月子、花子は一体化し、シュシュファイナルを妖怪世話焼きバアアにお見舞いする。「ウギャー」という断末魔の悲鳴とともに、門跡がもっている古文書のなかに、封じ込められてしまった。
「じゃ、父さんも母さんも、出かけてくるから。晩御飯は適当にな」と、リビングでまったりしている雪子、月子、花子にいう英三郎。
「どうせ、デビ郎と、おじゃ麻呂と、源米と、カラオケにいくんでしょ」と花子。
「そうなのよ。だけど、あのコたち、なんだか落ち込んでいるから、慰めてあげるのよ」と恵。
「おまえたちが、何かイジワルでもしたのか」と英三郎。
「何もしていないわよ」と雪子。
「そうそう。彼氏でもなんでもないんだし、ねー」と、雪子、花子と相槌を打つ月子。
「あーら、もったいない。私が若ければ、3人まとめて付き合っちゃうわ」と恵。
「こらこら、母さん。娘の彼氏をつかまえて、はしたないことを言うもんじゃないよ。ワーハハハハ」と英三郎。
「あらヤダ。お父さんったら、やきもち焼いてんの?ホーホホホホ」と恵。
そそくさと、家を出て行く英三郎と恵を、冷ややかな目で追う雪子、月子、花子。
「なんか、デビ郎たちに、余計なこと、言いそうなんだけど」と花子。
「泣き落としで、だまされて、私たちに余計なこと仕出かすわよ」と月子。
「あーあ。まさに妖怪世話焼きジジイとバアアの最強コンビね」と、ぐったりする雪子。
(第42話終了)
予告編(主題歌のインストゥルメンタルのBGMが流れている)
「うちの家族の血液型は、4種類、すべてあるのよ。私はリーダーの資質溢れるO型よ」と花子。
「私は、合理的なAB型」と月子。
「私とお母さんは、几帳面なA型なんだけど、うちで超マイペースなお父さんがB型なのよ。そのB型コンプレックスが、またしてもヘンな妖怪を呼び寄せてしまうのよね。次回『
B型ブルース』。お楽しみに!」と雪子。