ブラックホール 3 

2004年07月17日(土) 22時34分
あーはがねの?間の抜けた声がした。ロイはぽかんと口を開けたまま背中のうしろのエドワードを見た。目をしぱしぱと瞬かせる。

「…オヤジかお前は」

脱力しながら呟いてエドワードは元の位置(=白くてすわり心地の悪いふにゃふにゃのソファ)に座った。わずかに俯いた。死にたい。死にたいほど後悔している。見なきゃよかった。エドワードはうなだれたまま少しだけ顔を持ち上げた。未知の世界がそこにあることが気持ち悪いしその上それがロイだというのだからたまらない。ふいに顔を上げる。ロイの顔を盗み見る。クエスチョンマークをつけたまま無能な大人は視線を合わせた。まったくだめ人間の顔をしていた。
けれど、ロイと自分の間には黒く渦を巻くブラックホールがあって、それはいつかは渡らなくてはいけないものだけれど、エドワードはまだこちら側にいたかった。知らない世界に踏み込みたくないと思ったのははじめてだ。
ロイが不思議そうに鼻を鳴らす。思わず視線をそらしてからエドは心臓のあたりに手を当てた。キスマークのことは忘れよう。そうでないとロイの顔を直視できなかったし、そういったことで目の前の男にからかわれるのも嫌だった。3メートルと離れていない彼の机に視線を合わせながら、エドワードははじめて大人になりたくないと心の中でひとりごちた。すべてはまだ俺には早すぎるのだ。

あっブログって便利だね〜 収納できるから でも2000文字以内ありえない

ブラックホール 2 

2004年07月17日(土) 22時32分
ロイはそのやり取りには敢えて目を向けないようにしている。中尉。中尉が怖い。彼女はロイをひと睨みするとそれでもコーヒーを彼のデスク(の唯一空いている部分)に置いて部屋を去って行った。エドワードはその背中を見ながら改めて中尉の苦労とだめな大人というものがわかった気がしていた。大佐はもうちょっとまともな大人になりなさい。無理か。ていうかなんでこんなに大佐のことを真剣に考えなきゃいけないんだ。
そう思ったらすべてがばかばかしくなって、エドワードは思考をとめるとロイの方をちらりと見た。珍しく何も言わないと思ったら、

「………おい」

首がこくりと動く。が起きる気配はない。座ったままで寝れるその器用さにエドワードは呆れるより早く感心した。しかもついさっきまで起きていたはずなのに。それから読まれた形跡のない自分の報告書を見た。頼むから3時間で終わらせた手抜きのその報告書を早く読んでつまらない感想を言って俺を宿に帰してくれ。切実だ。

「…たいさ」

エドワードは少し大きい声でその名前を呼ぶと椅子のうしろへ回り込んだ。本当は呼んだというよりは呟きのつもりだった。ロイの首のあたりがぴくりと動いて軍服の隙間から意外と白い肌が覗く。鋼は軽く目を細めてそれを見たあと目を大きく見開いた。赤く斑点が散らばっているこれはキスマーク って 言うんだっけ?その時田舎出身15歳の少年は硬直しやがて赤面した。今全部わかった気がした。ロイが疲れているように見えて睡眠不足で濃いコーヒーを望んだ意味と

「…ん」

ブラックホール 1 

2004年07月17日(土) 22時28分
ある秋の日の午後、久しぶりに東方司令部を訪れたエドワード・エルリックはホークアイ中尉に出されたビスケットをつまみながら帰りたいなと本気で思っていた。やっぱりアルに来させればよかったと思ってももう遅いのはわかっている。けれど。
3ヶ月ぶりの司令室には相変わらずやる気がなさそうにやる気がなさそうなロイマスタング大佐が座っていて「やあ鋼の」と定番の挨拶と笑顔で彼を迎えた。少し疲れているようだった。彼はそれからエドワードにソファに腰かけるように言うと、うずたかく詰まれた書類は気にも留めず中尉を呼んだ。ああ中尉、すまないがお茶とコーヒーとなにかお菓子をたのめるかな。コーヒーは濃い目のを頼むよ。
淀みなく言ったその口をぼんやりと見てエドワードはそうか大佐は腹が減ってたから疲れて見えたんだなと考えた。それから少しさっきのロイの様子を反芻して、別にこいつが疲れてるのはいつものことかと思った。やる気がなさそうなのもいつものことだ。大佐なのに。大佐だから。
一瞬目が合う。先にそらしたのはエドワードの方だ。一瞬この男が大総統になるのだけは遠慮願いたいなと心中神様に手を合わせたところで、ドアをノックしてホークアイ中尉が入ってくる。いいにおいがする。ミルクティーをエドワードの前に置くと、中尉はロイの前の書類の山を見つめてため息をついた。

「…大変ですね」
「朝から1ミリも変わってないわ」

初ブログ 

2004年07月17日(土) 21時36分
こんな風になるんだ〜!
初めて使ってみました、ブログ。ずっと前から気になってはいたんだけども。
ま、まあ気ままにロイとか書いてみよう。かな。と思いますよ。

あ、これって1日1個しか書けないの??だったら面倒だなー うーん。
追記って形で付け足せるのかな…無知
いろいろやってみまーす
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