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ウェブの匿名性はもはや名ばかり ─ 瞬時に明かされるあなたの身元 / 2010年08月05日(木)
 あなたはエックスプラスワン([x+1])という名称の米国企業を知らないかもしれないが、この企業はあなたについてよく知っているかもしれない。

 あるウエブサイトにおけるたった1回のクリックで、エックスプラスワンは米コロラド州コロラドスプリングス在住のキャリー・アイザック氏を正確に特定した。キャリー氏は子持ちで、年収約5万ドルで、ウォルマートで買い物をし、子供向けのビデオをレンタルする。

 また、エックスプラスワンは、テネシー州ナッシュビル在住の建築家、ポール・ブリファード氏について、子供はおらず、旅行好きで、中古車を購入すると推定した。さらに、コロラダ州在住の建築請負業者、トーマス・バーニー氏について、スキーを嗜み、大学の学位を保有し、良好な信用履歴を持っているようだと判断した。

 すべての詳細を正しく特定できるわけではなかった。しかし、エックスプラスワンによる即座の個人評価は十分に正確であり、大手クレジットカード会社キャピタル・ワン・ファイナンシャルは、ウェブサイトを初めて訪れる顧客にどのクレジットカードを提示するかを判断するのに、同社の推測を利用している。

 手短に言えば、良い顧客であるかどうかを判断する能力をウェブサイトが獲得しつつあるのだ。

 この能力は、アマゾン・ドットコムなどのサイトで有名な個人化(personalization)の範囲を超えるものだ。アマゾンなどは、顧客が好むであろう新アイテムを紹介するため、顧客に関する社内データを用いる。

 対照的に、エックスプラスワンのような企業は、消費者のオンラインでの行動に関する膨大なデータベースを利用する。こうした情報は主として、ウェブサイトでは当たり前となった追跡技術により密かに収集されたものだ。消費者の名前は得られないが、このデータを住宅保有者や世帯収入、結婚歴、好みのレストランなどの記録と相互参照させる。その後、統計分析を施し、個々のウェブ・サーファーのし好について推測を始める。

 エックスプラスワンのジョン・ナーダン最高経営責任者(CEO)は「個人について知り得ないことなどない」と述べた。

 キャピタル・ワンは、エックスプラスワンが提供するあらゆる標的技術を利用しているわけではなく、この技術により消費者のクレジットカードの申し込みが妨げられることはない、と表明する。

 ウォール・ストリート・ジャーナルのオンライン・プライバシーに関する調査は、エックスプラスワンのような企業の分析能力により、ネットでの匿名性が名ばかりになりつつあることを明らかにした。

 米デムデックスは、顧客各社のウエブサイトが「行動データバンク」を構築するのを支援する。このデータバンクはオンライン閲覧記録や小売り店での購入記録、会社における地位を推測するデータベースといったソースを相互参照する。

 デムデックスのランディ・ニコラウCEOは、「もし、われわれがサイトの訪問客を中年の危機に直面している男性と特定できれば、顧客である自動車販売店は「家族を持ったばかりの若い母親とは異なる体験を男性に提供できる」と述べた。この男性がサイトで見るのは赤いコンバーチブルであり、母親が見るのはミニバンかもしれない。

 この技術が進歩すれば、あるサイトを訪れた複数の消費者が、それぞれ異なる表示価格を見るようになるのかもしれない。人種や性別に基づくものでない限り、価格差別は合法だ。

 金融サービス業界では、公平な融資に関する法律により人種、肌の色、宗教、出身国、性別、公的支援の受け取りや婚姻暦に基づく差別が禁じられている。

 ただ、この法律はウェブ閲覧履歴を融資の決定に利用することを禁じてはいない。原則では、ある顧客がギャンブル・サイトを訪問していたとの知識に基づき、この顧客の融資の申請を銀行が拒否することが可能だ。ただ、この場合、銀行は顧客に閲覧履歴を見せ、誤りがあればそれを正すことが求められる可能性がある。

 キャピタル・ワンは、融資の決定を下す際、エックスプラスワンの分析やウェブ閲覧履歴を利用していない、と説明する。同社はむしろ、顧客に商品を提案する際にエックスプラスワンを使用しているのだという。

 米連邦取引委員会(FTC)で融資が公平に行われているかどうかを監視する規制当局者は、消費者に対して個別に商品を提案するのは違法ではない、と述べた。ただ、マイノリティーなど保護下にあるグループが、しっかりした信用履歴があるにもかわらず、提案の結果、より高率の金利の支払いへと誘導されるようなことがあれば法に抵触する可能性がある、と述べた。

 キャピタル・ワンの広報担当者は、「われわれの商品は、銀行法とプライバシー法に完全に準拠している」と述べた。

 エックスプラスワンのテクノロジーは次のように作動する。ある消費者がキャピタル・ワンのクレジットカードのページを訪れる。エックスプラスワンは、消費者のコンピューターとこのページとの間で交わされる情報を即座にスキャンする。消費者のコンピューターの詳細な情報を含むコードは、数千行に及ぶ場合もある。

 エックスプラスワンはさらに、デジタル・エンボイが提供するIPアドレスを利用した位置情報判別サービスを利用する。これにより、コンピューターの場所を割り出すことができる。

 エックスプラスワンは、ウエブ閲覧履歴が含まれたデータベースを探ることもあるが、キャピタル・ワンはこのサービスを利用していない。

 さらにエックスプラスワンは、消費者調査会社ニールセンのデータを利用し、66に分けられた人口統計学上のグループのどこにこの訪問者が属するのかを決める。

 エックスプラスワンによると、同社は0.2秒ほどで1人の消費者に関する数千の情報へのアクセスと分析が可能だ。エックスプラスワンはキャピタル・ワンの顧客をスキャンし、タイプが良く似た顧客のそれぞれにどのクレジットカードを提供すべきか、根拠のある推測を行う。

 システムの正確さを確認するため、本紙は8人の消費者にキャピタル・ワンのクレジットカードのページを訪問し、どの種類のカードを提示されるか確認するよう要請した。さらに、8人のコンピューターとキャピタル・ワンの間でやりとりされるコードを分析した。

 エックスプラスワンによる8人の調査は概して正確だった。例えば、エックスプラスワンはアイザック氏がコロラドスプリングに在住していると特定し、人口統計学上はニールセンの「白い杭垣」とされるグループに属すると判断した。このグループに属する人々は小都市に住み、5万3901ドル(中央値)の家計収入があり、年齢は25~44歳で子持ち、職種はホワイトカラーかサービス業で、一般に住宅を保有し、大学の学位を持っている。

 アイザック氏についてはこれらすべての点で正確だった。これには本人も驚愕した。

 本紙はアイザック氏のコンピューターとキャピタル・ワンの間でやりとりされた5219行のコードを捕捉して分析した。コードにはエックスプラスワンの分析結果の一部が含まれており、それらは概ね正確だった。

 この結果、キャピタル・ワンはアイザック氏に対し、信用度が「平均的な」消費者に提供するカードを提示した。キャピタル・ワンによると、「平均的」な消費者とは、現在はカードを所有していない可能性があったり、信用枠が5000ドル以下であったり、過去半年間にローンやカードの支払いに「延滞があった可能性」のある人々だ。

 アイザック氏は、このカテゴリーは正しいと話す。アイザック氏と夫は、過去にクレジットカードを使っていたが、現在はデビットカードのみを利用しているという。

【8月5日7時42分配信 ウォール・ストリート・ジャーナル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100805-00000005-wsj-bus_all
 
   
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