家族 

2009年02月02日(月) 21時27分
今日読んだ本


江國香織『流しの下の骨』

 
4年ぶりくらいに読み返した。

いいなぁ。この家族。

特にお客様が帰るときには家族全員が玄関に出てきてお見送りするというきまり。

母親が父親の前では常にすっぴんでいるというところもかわいい。

本当によそのおうちを覗き見しているような、そんな感じ。

探検みたい。

でも、家族行事がたくさんあって、それを大事にしているところはうちとおんなじ。

いつもどんなときでも味方というところも。

家族という共同体はどんなに絆が強くて近いところにいても、やっぱりひとりひとりは個として生きてる。

だから、こと子も時おり「すーん」と「孤独」になるんじゃないのかな。

そういえば4年前、このこと子の「すーん」を読んで「これだ!」と思ったのを思い出した。

私も少なくとも3歳のときから、この「すーん」に似た感情にしばしば襲われていた。

私の場合は家族や大勢でいるとき、家族に関する何らかのキーワード(はっきりとした法則は分からないけど、家族の誰かが疎外されるようなことば)に反応して突如この「すーん」に襲われる。

でも私は、この気持ちに名前をつけられなかった。

「それ」は途方もなく孤独で苦しくて、時には涙が出てその場にうずくまるほどだったから。

とにかく「それ」がやってくるのが恐かった。

2年前に先生に問診を受けて、お薬をいただいて原因らしきものが分かると、びっくりするくらいその回数が減って、今ではほとんど襲われなくなった。

「それ」に襲われる恐ろしさには、自分で理由が分からないせいもあったんだと思う。

理由もなくそんな鬱状態になるのはとても恐怖だった。

でも、今はもう大丈夫。

家族の絆も孤独も、両方知ってるから。

こと子は深町直人に出会ってその解消法を見つけたけど、まだまだ家族と自分の間に境界線を引くことが出来ていないと思うから、きっとこれからも「すーん」に襲われるんじゃないのかな。

それとも、いつか深町直人が完全にこと子の孤独を取り除く日が来るのだろうか。

それはそれで羨ましいな。


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