風があいつを呼んできた B
2005年08月11日(木) 17時03分
ひゅーひゅー
また、空は昨日の夕方のように、オレンジ色に染まり、北風も吹いている。
( あれ・・・私また寝てた? )
ウィンリィは起き上がる。
今度はエドの姿もアルの姿もなかった。
( 何処行ったんだろ・・・ )
ベッドから出て、立ち上がろうとする。
ズキンと頭に痛みが走る。
ウィンリィは思わず声にならない声を出して手に頭を寄せた。
「・・・・・・っ」
しばらく頭を押さえていると、あることに気がついた。
「服・・・着替えてる・・・!?」
ウィンリィの顔が一瞬で真っ赤になった。
昨日、着ていた服のままではなく、別の服を着ていた。
( ばっちゃんは居ないし、まさか・・・エドかアルが?!!! )
ふしゅぅ〜
ウィンリィは頭から煙( けむり )が出てきた。
( だとしたら・・・私の体、見られた・・・? )
「きゃぁーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
思わず叫んでしまった。
バーン!
すると、部屋の扉が勢い良く開いた。
「どうした?!ウィンリィ!」
「大丈夫?!」
エドとアルが入って来た。
ウィンリィの叫び声を聞いて、驚いて飛んで来たのである。
ゴーン!
ガーン!
入って来た瞬間、2人の頭にスパナが飛んだ。
「いっでぇー!!!」
「わっ!」
2人とも驚く。
「どっち!」
ウィンリィが怒った顔で言う。
エドとアルは何のことか分からない。
「いきなり何だよ!人が心配して来てみた ・・・っあっ!いや。別に心配なんかしてねーけど。」
エドはどんどん声を小さくして言った。
顔が真っ赤になっている。
「ウィンリィ。何がどうしたの?」
アルが冷静になって聞く。
「きっ、着替えさせたのどっち?」
ウィンリィは怒りを静めて聞いた。
アルは、「あぁ、それなら」と切り出したが、エドが大きな声で、アルの声を消した。
「村の方のおばさん呼んできて、着替えさせてもらったんだ!」
エドが変な汗を流しながら、大きな声で言った。
エドの言ったことを聞いたウィンリィはほっと安心したのか、ふぅと息を吐( は )いた。
ただ一人、アルはエドの言ったことに納得していなかった。
「なぁ〜んだ!そうだったんだ!疑ってごめんね。」
ウィンリィが機嫌良さそうに言った。
エドは「あはは」と硬い声で苦笑いしていた。
アルは「兄さん」と言うと、エドを抱えて部屋から出て行った。
「兄さん。なんで嘘( うそ )吐( つ )くの?」
「あのな!あそこでオレが着替えさせたなんか言ったら、スパナ10回じゃすまねーぞ!」
「でも、目は隠してたんだし、元々小さい頃から裸の付き合いだったじゃないか。僕達。」
「何言ってんだよ!年考えろ!とりあえず、ウィンリィにバレなかったからよかったけどな・・・」
「ん〜・・・。それより、早くウィンリィに元気になってもらって、メンテしてもらわなきゃね!」
「そうだよな。そのために帰って来たら、あいつは目の前で倒れるし。」
「本当。ビックリしたよ。」
「とりあえず、ばっちゃんいねーみてーだし。オレらで面倒見るか。」
「うん。それにしたって、ご飯どうしよ・・・」
兄弟は口々に思ったことを話していた。
すると、ウィンリィが突然部屋から出てきた。
「汗掻( か )いてベタベタしてるから、お風呂入ってくる〜」
「は〜い。」
アルが返事をする。
エドは真っ赤な顔をして下を向いていた。
ウィンリィはその様子を横目で見た。
耳まで赤くなっているのが分かる。
黙ってそのまま風呂場へ向かった。
「あ〜!ビックリした!聞こえてんのかと思った!」
エドがウィンリィが風呂場に行ったのを確認すると、何かに開放されたかのように言った。
アルがそんなエドを見て笑う。
一方ウィンリィは・・・
( あいつら・・・着替えさせてたんじゃない!・・・目隠ししてたって言ってたし、許してあげよっかな。 )
実は2人の会話は丸聞こえだった。
続く▲
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