天急花園線

May 19 [Sun], 2013, 23:30

蝶が飛び交う黄色の菜の花畑に、
あなたはいた、名も誰なのかもわからないあなたは、そっと微笑んだ−


「海音!早くしないと学校遅れるわよ!5年生になったんだから、1人で起きれるようになりなさい!」

普通なら、お母さんはそう言ってたはず。

父と自分の朝食を作り、身支度を済ませ、仏壇に手を合わせた。

「お母さん行ってきます。」
どうしてこんなに早く死んじゃったんだろう。

海音は、いつも乗っている天急西南線の電車の窓をずっと見つめていた。

お母さん…


終点…

「え!?」
起きたら、知らない駅に着いていた。
誰もいない。

「うそでしょ。遅刻決定じゃん!!」

乗り換えようと外に出たら、そこは黄色菜の花が目立つ駅だった。

海音が初めて見るビルのない駅。
その風景に溶け込まれるように、海音は駅を離れ、もっと黄色が深い方にいく。

そして、蝶が飛び交う黄色の菜の花畑に、あなたはいた、名も誰なのかもわからないあなたは、そっと微笑んだ

「お嬢ちゃん、どこで降りるの?」
はっ!?いつも降りる駅の手前だった。
「次です。」
「そうかい。」ニコッとお婆さんは席に戻った。

駅から学校までの道を菜の花畑のことで、頭がいっぱいだった。

新しいクラスを確認して、教室に入ると、前のクラスの友達、知ってるけど初めての友達、知ってるけど話したことのない男子と教室はあまり違和感がなかった。

先生が入ってきて、朝礼が始まる。ここまでは何の変哲もない。

だが、
「転入生がいる」先生が言った。
あなたはいた、そっと微笑んで。

「佐藤和矢です。」
「佐藤、田中の隣の席だ。」
え!?

海音の隣の席に座った。
「遅刻しなくてよかったね。」

和也がつぶやいた。


えーーー!?


プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:夢嫁
  • アイコン画像 性別:女性
  • アイコン画像 誕生日:1995年
  • アイコン画像 職業:小中高生
読者になる
どんなに悲しくても、楽しくても、ムカついても、怖くても、起きてしまえば夢は終わる
2013年05月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
最新トラックバック
ヤプミー!一覧
読者になる
P R
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
http://yaplog.jp/chel-gi/index1_0.rdf