アームズ?レングス原則

April 30 [Wed], 2014, 11:35
取引関係にある当事者間の独立性や、競争を行う際の諸条件を平等にする条件、またはそれらが実現している事実をいう。アームズ?レングスの原則やアームスレングスルールとも呼ばれる。

「複数の当事者が互いに近い距離の関係を保ちつつ、それぞれ目的を異にする関係や牽制し合う関係であるなど、利害不一致(ないしは対立)の可能性をも保ち、互いに独立の立場を取る」ことを「アームズ?レングス(の関係)」と呼ぶ。「アームズ?レングス原則」はこうした関係が法的?不動産購入に求められる状況において妥当する。

この原則は、法学においては「アームズ?レングス取引(独立当事者間取引)」とも呼ばれる。契約法においては「契約の当事者が、たとえ互いに利害を共有する当事者(例えば雇用者と被用者)の場合、あるいはあまりに親密な関係の当事者間(例えば家族?親戚)の場合でも、厳密な法的精査にたえる公平な契約を結ぶ」という用法で使われている。

アームズ?レングス原則が適用される、すなわちアームズ?レングス関係が求められる場面のシンプルな例は、親から子への不動産の譲渡の場合である。

親は、時価を下回る価格で自分の子供に財産を売却したい(低額譲渡)と思う可能性があるが、そうした取引は税務署から税法上「譲渡」ではなく「贈与」であると認定され、取引価額と時価との差額に贈与税が課税されるなど法的な問題が生じることがある。こうした認定を避けるためには、当事者は取引内容がどんな第三者に対して行われたとしても同じであったことを示す必要がある(えば、不動産 会社譲渡価格が不動産の真の価値に見合った適切なものであると証明できる専門家に委託して可能となる。日本では不動産鑑定士が法令に基づき鑑定を行なっている)。

この原理は、報道機関や学術、文化芸術領域など自律性が重要とされる領域を対象とした法や制度?事実状態を論評する際に「政府が他の主体に対して過度な影響を与えることを避けるべき」という旨を述べる際にも引き合いに出される。

これは日本の地方特殊法人である地方住宅供給公社と類似の機能を果たすで、地方自治体の長期的な住宅政策とは別の(アームズ?レングスの)立場で、住宅を管理供給する機関であることを強調したネーミングが特徴的である。

でアームズ?レングス原則を採用している。これは移転価格税制に関するルールである。締約国内において、一方の国における企業と他方の国における企業との間に、経営、支配、資本の直接又は間接的特殊関連性が認められる企業(特殊関連企業)間における取引は、独立した企業間とは異なる取引条件による取引が行なわれる可能性があるため、に基づいて課税できると定めている。この場合、一方の国の特殊関連企業に加算された利得は、他方の国の特殊関連企業においても課税されることになり、同一所得に対して国際的に二重に課税されることになる。

また、一方の国の特殊関連企業が独立企業間価格よりも高い価格で財又は役務を提供した場合に、他方の国が独立企業間価格に不動産 取引より課税すると他方の国の企業に加算された部分が二重課税となる。同モデル条約は、この場合「当該一方の国は、これらの利得に対して当該一方の国で課された租税の額について、適当な調整を行なう。この調整にあたっては、この条約の他の規定に妥当な考慮を払うものとし、両締約国の権限ある当局は、必要がある場合には相互に協議する」と規定する。

またアームズ?レングス原則は、不法行為法における新しい概念としても用いられる。これは、攻撃的または有害な接触を避けるために、人は他人とアームズ?レングスの距離を取るべきであり、人が同意なく他人に近づきすぎることで不法行為法上の暴行や脅迫が成立するとする。アームズ?レングスの距離を保つことは、人の尊厳の限界への配慮であるという説である。

また国によっては、会社が雇用?労働問題に関する法的問題へのコストが減らせるように、専門的なトレーニングと認証を受けた人事部(課)がある会社においては、現場の監督者や管理職に対して、人事部との間で従業員の規律や解雇等の人事案件についてアームズ?レングスの関係のもとで(独立に)取り扱わせるという法制度上の設計がされている場合もある。
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