ステロイド吸入薬による嗄声について 

2006年03月01日(水) 23時22分
ステロイド吸入薬が週に何十本とでる薬局にいると口腔内カンジダ症になったと
いう方は時々見受けますが、嗄声(させい)についても稀に相談を受けることがあります。

嗄声の主な原因は、
「ステロイド吸入により、咽頭・声帯部分の随意筋に障害が出るため」と言われており、
ステロイドの投与量が多い場合に嗄声の頻度が高まるという報告もあるが、明確な
エビデンスはない。

ある耳鼻咽喉科のHPで興味深い症例を見つけました。
これによると、声帯に浮腫が起こり機能を障害しているということのようです。

やはり原因は比較的大きな粒子の薬剤が咽頭や声帯に付着してしまうことだと考えられ、
対策としては、
@ステロイド吸入の後のうがいを忘れず行うこと。
Aエアロゾルタイプの吸入薬はスペーサーを使用すること。

の2点のようです。

但し患者さんからの相談を受けたときには副作用だと決め付けて使用中止などは厳禁
喘息が良好にコントロールされていることを確認し、薬の中止や変更で改善する場合も
あることを説明し、自己判断で使用中止せず主治医に相談するよう指示することが重要。

また、複数の吸入薬を使用している場合も同じく、ステロイドや抗コリン薬の副作用を疑う
だけではなく、まず患者自身の喘息コントロール状況を把握するようにしましょう

妊婦に対する喘息治療 

2006年02月27日(月) 17時26分
【妊婦の喘息コントロールに重要なこと】
喘息のコントロールが悪いのに薬を恐れて使わず、ひどい発作を起こして低酸素状態になると、胎児が脳障害を起こす危険もある


【使用する薬剤について】
●吸入ステロイド薬、吸入β2刺激薬、抗アレルギー剤:インタール(それ以外の薬剤は慎重投与または禁忌(リザベン、セルテクト、アレギサール))。
↑ここまでは「安全と考えられる薬剤」で、以下は「ほぼ安全と考えられる薬剤」
○経口β2刺激薬、テオフィリン薬、経口ステロイド薬

☆全米喘息教育・予防プログラム(NAEPP)は妊娠中の喘息管理に関するガイドラインを10余年ぶりに更新しました。この点について抜粋して報告します。

最初に、コントロール不良の喘息は母体と胎児に深刻な医学的問題を引き起こす可能性があるとし、妊娠中の患者が呼吸困難を起こすと胎児は必要な酸素の確保が困難になることを指摘し、次のような勧告をしています。

(1)短時間型吸入β2刺激薬は喘息症状の即効薬と して使用でき、妊娠中の女性は常時携帯すべき。
(2)持続する喘息では長期ケアと悪化予防のために日常的な投薬が必要。吸入ステロイド薬は持続性喘息の基礎にある炎症をコントロールするために推奨。妊娠中のブデゾニド(パルミコート)使用の安全性に関するデータはその他の吸入ステロイドのデータよりも多く存在するが、妊娠中のその他の吸入ステロイドの使用が安全でないというを示すデータはないので、喘息を有効にコントロールできれば使用を継続しても良い。
(3)低用量の吸入ステロイド単独投与で喘息が良好にコントロール出来ない患者 については吸入ステロイドの増量、または長時間作用性吸入β2刺激薬(セレベント)の追加が奨励される。
(4)重度の喘息には経口ステロイドが必要かもしれない。ガイドラインはその安全性については相反するデータが存在することを指摘しているが、重度でコントロール不良の喘息は母体と胎児に明確なリスクをもたらすため、経口ステロイドの使用が正当化されると考えられる。


他の参考資料はこちら

呼吸器科における禁煙推奨の注意点 

2006年02月23日(木) 8時18分

呼吸器科、特にCOPD患者が治療を受けながらも断固として喫煙していることが
ときたま見受けられます。
そのような方には当然ながら禁煙の重要性を指導しなければならないのですが
薬学的に注意することは喫煙による薬物代謝酵素の誘導作用。

一般的に薬物相互作用で問題になりやすいのはCYP3A4ですが、喫煙により
誘導されるものはCYP1A2で、これにより代謝される薬剤は以下のとおり。

・フェナセチン(以前解熱鎮痛成分として医療用セデスGに配合、現在製造中止)
・メキシレチン(抗不整脈薬:メキシチールなど)
・イミプラミン(三環系抗うつ薬:トフラニールなど)
・テオフィリン(気管支拡張薬:テオドール、ユニフィルなど)
・タモキシフェン(抗エストロゲン剤:ノルバデックスなど)
・オランザピン(MARTA:ジプレキサ)
・ゾルミトリプタン(片頭痛治療剤:ゾーミッグ)


ということで、テオフィリン製剤を服用しているCOPD患者が禁煙する際は
テオフィリンの作用増強のため減量等、Dr.との連携が必ず必要。
また、最近はニコレットのOTC化などにより手軽に禁煙を開始できるようになったため
テオフィリン以外の薬物についても十分な注意が必要になるのではないでしょうか。

またCYP1A2阻害作用のある薬剤でも同様に作用増強に注意が必要ですが
塩酸シプロフロキサシンなどキューキノン系抗菌剤
シメチジン(H2ブロッカー:タガメットなど)
マレイン酸フルボキサミン(SSRI:デプロメール、ルボックス)

などがあります。
※シメチジン製剤はスイッチOTCとして既に一般に購入できるため特に注意が必要ですね

その他の代謝酵素関連のデータはこちらを参照してみてください。

花粉症!? 

2006年02月22日(水) 9時23分
昨年12月に風邪を引いてからずっと咳症状だけが残っている・・・。
1月に診察を受けたときは感冒後の慢性気管支炎とのことだったが、
処方を受けたクラリスは飲み切り、パルミコートはコンプライアンス不良

2月に入り花粉症もある影響か、咳がさらにひどくなってきた。
2年前にアレルギー性の咳嗽で4ヶ月以上苦しんだことを思い出し、
なにかしら対策をとろうと思うが、今回は漢方薬を試してみようかと。

花粉症による鼻汁、気管支炎の咳嗽、水様痰の両方にに対してEBMを持つ
漢方薬を「EBM漢方」にて探す
小青竜湯

【小青竜湯のEBM】
@気管支炎・・・二重盲検ランダム化比較試験にて有効性・安全性共に有意差あり。
Aアレルギー性鼻炎・・・二重盲検ランダム化比較試験にて著明改善12.0%、
               中等度改善32.6%、有用度についても有意に優れている。


ということで早めに服用開始したいと思います。

テオフィリンで尿酸上昇? 

2006年02月20日(月) 20時46分
最近呼吸器科の処方を受ける機会が多いが、処方を見ていて疑問点が。

成人の喘息・COPD患者(高血圧など基礎疾患あり)に対してアロプリノール製剤がやたらと出ている
そこでユニフィルの添付文書チェック>>>血清尿酸値上昇(0.1%未満 )とのこと。
頻度としては高いわけではないが、どうも気になるので早速調べることに

結果わかったことは以下の通りです。
【尿酸値上昇への影響 】

テオフィリンによる血清尿酸値上昇の報告はあるが、その作用機序は不明であり、いくつかの説がある。
1) テオフィリン自体が代謝されて尿酸になる(しかし、尿酸になる代謝経路がみつかっていない)。
2) テオフィリンが細胞膜を通してのプリン体の転送あるいはプリン体の利用を抑制する。
3) テオフィリンが副腎皮質カテコールアミン分泌を刺激し,このカテコールアミンを介して尿酸値を上昇させる。
4) テオフィリン投与による利尿の結果,血液濃縮がおこり尿酸値が上昇する。
5) テオフィリンがプリン体の分解を促進する。


詳しいことは解明されていないようだが、もう1つ気になることは、当薬局でCOPDなどに
処方されるテオフィリンの用量は多くが200mg/dayと少なめであること。
これは併用されるアロプリノールとの相互作用によるテオフィリンの血中濃度上昇を
考慮してかせずかは不明でありますがエーザイHPによると、

【痛風・高尿酸血症治療剤(アロプリノール)との相互作用について】

喘息で尿酸値が6.0mg/dLを越えた症例にアロプリノールを併用した6例のうちの5例においてテオフィリンクリアランスを30〜60%低下させたとの報告1)がある。作用機序として、アロプリノールがキサンチンオキシダーゼを阻害することによりテオフィリンの肝での代謝を抑制すると考えられている。

[臨床研究報告]
 慢性閉塞性肺疾患でテオフィリンを投与中の患者で、尿酸値が6.0mg/dLを超えアロプリノール投与を要した6例の内5例で、アロプリノール併用開始後比較的早期にテオフィリンの血清中濃度上昇、半減期延長、クリアランス低下が認められた。


他にも心不全を合併症としてもっている患者へのテオフィリン投与量などこれからチェックしていきたい

ブログ立ち上げ! 

2006年02月17日(金) 22時17分
初めまして、この度日々の薬剤師としての業務において学んだことを
書き留めることを目的にブログを立ち上げました

ここで1つ、花粉症も出てきた頃ということで1つOTC新商品を紹介。

パブロン点鼻Z」、OTC初のフマル酸ケトチフェンの点鼻製剤。
医療用でのザジテン点鼻液と同等の100ml中フマル酸ケトチフェン 75.6mg配合

<フマル酸ケトチフェンについて>
薬理的には、抗アレルギー作用及び抗ヒスタミン作用を有し、
鼻汁中の好酸球数を減少させ、鼻粘膜の過敏性を減弱させる。

アレルギー性鼻炎に対する有効率:60.1%(ザジテン点鼻液データ)

用法用量:通常、1日4回(朝、昼、タ方及び就寝前)、1回各鼻腔に1噴霧

薬効薬理:
(1) 抗アレルギー作用
ケトチフェンはPCA(受動的皮膚アナフィラキシー)反応を抑制する(ラット)。
ヒスタミン、SRS-A等ケミカルメディエーターの遊離を抑制する(ラット腹腔肥満細胞、ヒト白血球中好塩基球・好中球in vitro)。また本剤は抗原及びPAF(血小板活性化因子)による好酸球の活性化を抑制する(モルモット8)、ヒヒ9))。

(2) 抗ヒスタミン作用
ケトチフェンはヒスタミンによる気管支収縮(モルモット)、血管透過性亢進、皮膚反応(ラット)等を抑制する。

(3) 動物鼻炎モデルにおける作用
動物鼻炎モデルにおいてケトチフェンの投与により鼻汁分泌及び鼻汁中好酸球出現の抑制が認められている(モルモット)。
抗原誘発により生じる鼻粘膜組織中のSRS-A含量はケトチフェン前投与により減少する(モルモット、点鼻)。

(4) 誘発試験による鼻粘膜反応の抑制
アレルギー性鼻炎患者において、ケトチフェンは抗原により誘発される鼻粘膜反応を抑制する(点鼻)。1)また、ヒスタミンによる鼻粘膜反応を抑制し、鼻粘膜の過敏性を減弱させる(点鼻)。


今まで効き目が減弱しやすい血管収縮剤を使い過ぎたり、クロモグリク酸Naなどで
効果不十分だった方にはこちらがお勧め
本製剤を定期使用し、鼻閉症状が増悪したときにのみ血管収縮剤を屯用するのがよいと思われる。

よい商品なのでもっと露出を増やせばよいのにと思う・・・

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