影を撮る、像を現す 

2006年12月16日(土) 5時04分
得物は巻き上げ式カメラ。
虹を写しこむ小さなかたち。
レンズは大きな魚の鱗。空を横切る魚の鱗。

現像液は錆びた水。浸したフィルム紙石鹸。
溶け出す影をつかまえて、印画の四角に閉じ込めろ!
鉄の匂いのにじんだ白は、やがて静かに色を持つ。
やがて静かに熱を持つ。


■■■■

形式的には詩なのかな……。久々に書いたー。
自由に書いていても、収まりが悪くなって七五調になってしまうのが癖です。
最初はメルヘンな小話を書くつもりだったんですが(笑)。
「ニナライカ」を読んだせいでこうなりました。写真の話です。素敵です。

魚の話はもっと書きたい。よく鱗がその辺に落ちてる(という設定な)んです。
でかいです。だいたい車レベルから公園レベルまで。のっそり泳ぎます。
魚は腹とかやわらかそうでいいですよね。逆に硬いフグのひれとかもたまらん。

発破 

2006年01月22日(日) 1時51分
梶尾真治「クロノス・ジョウンターの伝説」を読んでタイムマシンものが書きたくなったので書きました。
どっちかというと星新一に近くなりました。ショートショートだし。
長くなったので途中からは追記で。



最後の世界的ロックスターと言われるJ・スミスが癌により死亡したのが三ヶ月前のこと。音楽活動以外にも才能を発揮し、「世界に音楽を、世界に平和を」をスローガンに掲げて反戦運動にも深く関わった彼の死に、未だ各界は悲しみを捨てられずにいた。
 人々は街角でスミスの音楽が流れるたびにあるいは涙を流し、あるいはそっと小声で合わせて口ずさみ、あるいは後追い自殺をし、そしてレコード会社は予想以上の儲けにほくほく顔をしていた。

「この三ヶ月、トリビュートアルバムに復刻盤にと色々と出したものだが、こうも売れるとはな」
 大きな椅子にふんぞり返り、社長は机の前の部下ににやりと笑ってみせた。
「はい、しかし一番の稼ぎ頭はやはりあの未発表曲でしょうか」
「全くだ。美味しい汁を吸わせてもらった」
 先月発売した未発表曲は世界中で驚異的な売り上げを記録し、今なおその記録は伸び続けている。
「他にも無名時代の作品など探させているが、なかなか見つからないものだな」
「社長、実はそのことでお話がありまして……。未発表の音源を発掘する方法があるのです」
 社長の目が輝いた。
「聞かせてもらおうか」
「はい、過去、スミスの無名時代にまでさかのぼり、当時作った作品を彼自身から直接買い取ればいいのですよ」
「それは一体……」
「私の従弟の先輩という人が極秘でタイムマシンの開発に成功しているのです。その装置を使って私が過去へ飛び、若き日のスミスから曲データを買い付けて来るつもりです」
 発想の転換に社長は感嘆し、かくしてそのプロジェクトは発足したのだった。
■プロフィール■
■HN:笹倉三弦(ささくら・みつる)■
■最近働き出しました。■
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