翼賛体制的記事 9月20日産経新聞「福島第1、作業員たちは今 放射線と対峙、自ら突入…2000人の闘い」。

September 23 [Fri], 2011, 5:46
福島第1、作業員たちは今放射線と対峙、自ら突入2000人の闘い東京電力福島第1原発の安定化を目指す作業員の闘いは7カ月目に突入した。いまだに高い放射線量を放がれきに突入する特攻隊、逃げ出す作業員を統率する監督。原発は絶対に爆発させねえから。家族と離れ、全国から集まった数千人の男たちは日本の安全を自らの肩に背負って、今日も現場に向かう。荒船清太福島第1原発周辺にあったひとのがれきが、毎時10ミリシーベルト以上の放射線量を放出していた。5分間で一般人の年間許容量を突破する。無人の重機は使えない場所。待機所で沈黙を破ったのは若手の男性作業員だった。俺、1週間で切り上げるんで行きます現場では敬意を込めて彼らのことを特攻隊と呼ぶ。30年以上原発関連の仕事に携わり、いまも福島第1原発で汗を流すベテラン作業員は彼みたいな若者はたくさんいるよと明かす。原発事故を受け、政府は作業員の被曝ひばく線量の基準を年間250ミリシーベルトに引き上げたが、多くの会社では年間50ミリシーベルトが被曝線量の基準。若手作業員は滞在を短くすることで、被曝線量をクリアすることに決め、無事にがれきを撤去した。原発周辺には北海道から沖縄まで、全国の建設会社から2千人が集まる。1カ月で規定線量を超える作業員も多く、いくら呼んでも人が足りない建設業関係者状況に現場は悩まされる。警戒区域内での作業は、弁当運びでも1日2万円。放射線と対峙たいじする作業員には数万円単位で危険手当が付くという。現場には、監督が職人さんと呼ぶ下請け会社がチームを組んで入る。ベテラン作業員の部署では1回1時間半で8交代。みんな会社を背負って士気が高いベテラン作業員だが、見えない放射能の恐怖はしばしば作業員を悩ませる。ある夏の暑い日。第1原発周辺に、後ろのトレーラー部分が外れたまま走り回る大型トラックがあった。恐怖に襲われた作業員が逃げ出したのだ。作業は2時間中断した。何考えてんだ。現場監督は怒鳴ってはみたものの、すぐにもう、来んなと静かに諭して帰らせたという。ベテラン作業員は放射能が怖いのはしようがない。叱ってもあまり意味ないと思ったんだと推し量る。内部被曝、敵は暑さ誰かが行かなきゃいけねえんだ国のためじゃねえ。自分と家族のためそう語るベテラン作業員は警戒区域内の町出身。一時帰宅した自宅で、目の高さまで生えた草と散乱していた牛の糞ふんを片付けた。家の物は一も持ち帰らなかった。いか帰ってくる。それまで最後のご奉公だ原発作業員の敵は放射能だけではない。毎日続く異常な暑さもそうだ。6月に熱中症が相次ぎ、現場に支給された保冷剤入りの凍るベストも、すぐにフニャフニャになる。家族や同僚の心配を振り切って神奈川県から来ているという男性作業員42は終わるたびにパンツはびしょびしょ。はかないやもいると話す。手袋を外すと、指の部分に汗がたまっている。男性の現場では1時間仕事、1時間休憩を3回繰り返す。そのたびに除染し、防護服を着替える。特に暑いのはマスクだという。フィルターがいて呼吸しにくい。らくてマスクをずらす作業員が後を絶たないと別の作業員。内部被曝ひばくする作業員は、こうしてマスクをはずしてしまった場合が多いという。鏡を見てマスク確認装備確認。福島第1原発に向かう作業員の拠点である福島県広野町のヴィレッジの出入り口には大きな鏡が据え付けられている。作業を終え、白いTシャツ姿で歩く作業員がいれば、白い防護服を着て廊下のサッカー選手の写真を眺めながら、次の作業に備える作業員もいる。新たに設けられた売店は長期滞在に備えてシャンプー、せっけんから映画のDDまで陳列。500ミリリットルのペットボトル1本120円と、警戒区域外よりヌード掲示板割安だ。外の階段に囲まれた広場に並んでいるのは8月にできたばかりの東京電力の社員寮。2階建てプレハブ住宅だ。奥にそびえるスコアボードを見て初めて、そこがかてサッカースタジアムの芝生だったと分かる。警戒区域内の寮には今もサッカー選手の車が放置してあると男性作業員。震災前、原発作業員の間で名所として知られていた桜の並木通りは、誰に見られることもなく葉桜に変わっていたという。今日は09だったよマジで俺は07。ヴィレッジ周辺の旅館では、毎日午後7時ごろになると作業員が続々と夕飯を食べに来る。冒頭の会話はそれぞれの一日の被曝線量。ただ、単位は警戒区域外で一般に使われているマイクロシーベルトではなく、その千倍のミリシーベルト。限界量に近づいても、線量の低い現場を志願して仕事を続ける作業員も多い。夜の作業員は冗舌だ。テレビのニュースで汚染水処理施設が映されると、お、俺が造ったやだと箸を進める。興に乗ればビール、ウイスキー、日本酒の出番。明日に備え、午後89時にはお開きだ。昼も夜も周辺は静まりかえっている。同町の住民のうち戻ってきたのは1割未満。たまに顔を出す生き物といえば、警戒区域から逃げ出して野生化した牛ぐらいと地元出身の若手作業員は笑う。明けて午前4時。星空に月が輝く中で旅館内の電灯がともり始める。5時ごろ、貸し切った旅館の食堂に集まり始める作業員は夜とは打って変わって無口だ。ハムエッグ、納豆、みそ汁をかっ込み、バナナを懐に入れる。会社から支給される弁当を手に、いざ原発に向かうバスへ。誰かが行かなきゃいけねえんだ。そう笑いながら話す男性作業員40の目は真剣そのものだった。
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