お題のブログです。 

2007年02月27日(火) 4時19分

こちらはお題のページです。

「オレンジ畑でつかまえて」の別館となります。

基本的に超短文を掲載。


お題はこちらのサイトさまから→ごみ箱に捨てた

ひとしずく落ちる頃に(スザロイ 

2007年02月28日(水) 0時06分


ひとしずく落ちる頃に(スザロイ

 しゃん伸びた背中が、彼らしくなくて、なんか、哀しかった。

 それは自分の中にある彼の像と目にした彼が大きくずれていたからなのか。
僕は必死でそのズレを修復しようとした。
「ロイドさん」
呼びかける、しゃんとしたままの背中越しに彼は手を振った。ひらひら。
「もう、帰っていいよキミも」
拒絶だ。嫌です、ということも出来ずに僕は歩き出した、無論研究所を出る方向に。
コツコツと靴音が響く、響くたびに彼から緊張が解けていくのが解った。
唇をかみ締める、今後ろにいる男なんて僕はしらない。
「ねぇ、ロイドさん」
僕はとても意地悪だ。なんでこんな事をしているのか解らない、明日になったら謝りに行くべきだ。
彼は僕の声に答えない。
やはりいつもの彼ではない、もしかしたら知らない人なのかもしれない。
振り向いたら全然別の顔をしているんだ。
うん、その説もいいかもしれないと思う。
だったら自分の中の彼とズレてしまったことも納得できる。
「そちらをいくら見つめても、もうあの方はいませんよ。」
彼は何も言わなかった。
ポツ、と音がした。小さな水滴が地面を打つような音。
 その音がなんだって僕にはどうでもよかった。


スザ→ロイ→殿下?な感じで。

黙々と空を突き上げる (ロイド←ラクシャータ 

2007年02月28日(水) 4時14分








黙々と空を突き上げる (ロイ←ラク



 吐き出した紫煙が空に昇る。渦を巻いて昇っていく煙は蛇のようだ。

煙草なんてものは百害あって一利もない、と思っていた。そんなことはない、

健康的には一利もないかもしれないが、ニコチンを摂取した思考は妙にクリアになる。

人間は酸素がないと死んでしまう、私には酸素のほかにもうひとつ必要な物質があるだけだ。

「なぁ……おまえにとって」

煙管を逆さにして灰を落とす、空に溶けていく煙と床に落ちたままの灰。

「彼、もそうなのだろう?」

白い兜の悪夢。きっとあれは彼が生きるために必要な物質なのだろう。

私たちをいま繋いでいる物は、そういったまったく下らないもの。

結局今の私たちは、そういったまったく下らないものでしか繋がれていない。

 黙ったまま火種が残っている灰を落とす。黒い煙が燻ってあがっていき、ほんの一瞬空を黒くした。

花弁を運ばない皐月(ルルスザルル 

2007年02月28日(水) 4時14分





花弁を運ばない皐月(ルルスザルル




 ひらひらひらひら。

散り往く葉。夏の訪れを伝えようと必死な緑が一枚、肩に。

「僕、最近気がついたんだけど。」

それをそっと指にはさみ彼は草笛。

ぴゅーと掠れた高音が耳にはいる、昔もよく彼は草笛を吹いていた。

ナナリーがその音が怖いと泣き出しそうになるから、いつも二人だけの時に彼は吹いた。

彼は変わっていないとそういった過去の欠片に俺はしがみつく。

彼が変わっていてもいなくても時は流れるのに。

ふりむいて、彼は笑った。眉を寄せて。

「この学校には桜がないんだね。」

桜が散る姿が、好きだと言った彼のまま。

「残念。」

 ひらひらひらひら。

彼が指を離すと若い緑は土に口付けをした。彼の指にさようなら、とも告げず。

直線の嘘(スザロイ? 

2007年02月28日(水) 4時15分







直線の嘘(スザロイ



俺は矛盾しているのか

僕は矛盾しているのか

「いつかきみをコロすよ」

彼の言葉を思い出して、笑う。笑ってしまった。とてもうれしい。

誰かこいつを殺してくれないかな。

部屋に充満する笑い声と二酸化炭素と腐臭。

きっと彼は気づいてくれたんだ。

自分ですらまだ明確に見つけられないこの(俺はなんて汚らわしく卑しく醜い罪びとなのだと断罪を断罪を断罪を喝采と贖罪を

「キミをコロすよ」

だったら

それだったらあなたはそれを悲しんでくれるだろうか、それとも誉めてくれるだろうか

あなたの白い頬が濡れるならどちらでもいいや。

裸の砦(スザ←ジェレのつもり 

2007年03月01日(木) 20時50分





裸の砦(スザ←ジェレのつもりなんです




ナンバーズが嫌いなのではない。

私はブリタニア人である。

ブリタニアの軍人である、それが誇りだ。

それは他のどの国の人々とも違う秀でた称号だ。

汚されること無き勲章だ。

血が示してくれる高貴さだ。

であるから、名誉ブリタニア人制度などというものは間違っている。

ブリタニア人というのは真に選ばれた人種なのである。

だからナンバーズがブリタニア人などとなのっていいはずがないのである。

「純潔こそが人間という、ことなのだ。」

つぶやけば、それだけ言葉が私を守る。



枢木スザク彼は人ではない。

クライマックスは孤独のままで(キュージェレ 

2007年03月01日(木) 21時02分








クライマックスは孤独のままで(キュージェレ/ジェレ再登場捏造





 鏡の中の自分を見つめる。以前の私はいない。

ふと横を見上げる、以前いた彼はいない。

「……私は、まだ、いるぞ。」

戦死者名簿には、意味がない。

だって現に私はこうしているではないか。だから、きっと彼もいつかやってくる。

そうしたら一度くらいは好きなように呼ばせてやろう。

私は無実さえ証明できればいいのだ、ゼロへの憎しみさえ消化できればいいのだ。

ゼロへの憎しみの消化が私の仕舞い。

その仕舞いを、彼は喜ばないだろう。

嘲るだろう、馬鹿な真似を…と。嘲るのだ、嘲らなくてはならない。

 鏡に顔を戻す、無粋なことを考えるのはよそう。

クライマックスを演じる手立ては得たのだから。







<<<かってに捏造。多分本編に再登場次第消去です

舞台上の酸素はいつだって薄情(シュナクロ) 

2007年03月17日(土) 1時13分
舞台上の酸素はいつだって薄情(シュナクロ)





水色のタイにしようか
どちらも素敵で今日のスタイルには合っていた、けれど赤色と水色では示す方向が全く違うのだ。今日は人前に出るような公務はないから、決めづらい。
大衆の印象は実に自分の形を整えるのに役に立っていたのだな、と思う。
埒があかないので兄に電話をしてみることにした。
受話器越しの兄の声は、とてもやわらかくて春の雨みたいだったので「どちらがいいと思われますか」と問う前に水色のタイにしよう、と満場一致で可決。もちろん脳内会議。
「どうしたんだい?」
「いいえ、兄上の声を聞いたらすぐに決まりました。」
何のことか解らない、と兄が苦笑するのがわかる。その声すら心地いいからやはり電話をして良かったなと思う。
でも、何か話さなくてはいけない、何しろ兄は多忙だ。一回で兄まで電話が繋がったのはひょっとすると初めてかもしれない。
なにか、なにか、やはりスカーフとタイのどちらかいいのか訊ねようか、彼がスカーフというならスカーフの方がいいに決まっているのだから。
「来月ね、公務でそちらに向かうから。」
話が突然すぎて、彼が示す言葉の意味が良くわからずに聞き返してしまった
「……エリア11、に?」
「ふふ、おまえのところにだよ。」
冗談めいた言葉を兄が口にするのは珍しかった、機嫌がいいのだろうか。機嫌が悪いところを見たことが無いけれど、そう思う。
「じゃあ、そろそろ切るよ」
「え、あ、突然申し訳ありませんでした。」
「かまわないよ、私も久々におまえの声が聞けてうれしかった。またね。」
無情にも、ああ無情にも電話は切られる。春は一気に去り、気分はいやに低い空にじとりと肌を湿らせる大嫌いな夏になった。
息を吸い込む、この土地には空気が足りない、兄がいないし父も母も弟達もいない、ただ日々は流れていってきらびやかに彩ることくらいしか、退屈を紛らわす手段が無い。
筆をとるのもめっきり減った。目を閉じて白い白いキャンパスを思い描いた、ため息をついて水色のタイを手に取る。
「殿下。」
ノックもせずに入ってきた大臣をいさめるのが、彼の悲壮な顔を見たら億劫になってしまった。賄賂発覚かテロか自然災害か、いずれにせよ面白いことではないんだろうな。
ひどく薄くなった酸素を吸い込み、何用かとつぶやいた。



<<エリア11と打ったつもりで「サイド11」になっていたのは内緒の話。

静かに踊るライラ (キュージェレ) 

2007年03月18日(日) 0時51分
静かに踊るライラ (キュージェレ)


踊れ踊れ。
そしてやがて終い絶えんや

橙色の夕日が気持ち悪くて私は腹を抱えて笑った。外に出て繁華街を歩いても裏路地へ入ってもどこまでもついてくる橙どこまでも取り留めの無い私の思考。行き止まりになってしまったので吐瀉物や脂で汚れきった壁に寄りかかる、服が汚れるとかどうでもいい。あんな橙に照らされる世界だ、どうせ汚れきってる。唾液をはき捨てる、べちゃという音がして透明な液体が地面に落ちた。透明だと思ったのは一瞬で地面についた途端それはコンクリートの灰色と夕日の橙に染められた。
「キューエル卿、こんなところに」
顔を向けると銀髪の女がいた。褐色の肌が落ちかけた陽に照らされている、姿が見えなくて、と口から出任せ。どうせあの男が私が突然いなくなった私を疑い彼女を嗾けたに違いない。彼女は彼の命令でしか動かないし、彼はもはや彼女しか命じられる相手がいない。
「あぁ、すぐに戻るつもりだったが。」
忘れていたよあまりにも夕日が夕日が。「あぁ、綺麗なオレンジ色だもの。」そう、そう。
世界は彼に蹂躙された。




<<ヴィレとキューってタメ口だったっけ……(汗)ツタヤにいこう、そうしよう。「敬語だたよー」とかあったら拍手下さい……