小説家が教える!職業!
2008.03.06 [Thu] 14:05

この本の冒頭部にもある通り、昨今では「小説の書き方」という本がたくさん出ている。 正直に言って、内容はほとんど同一であり、何冊も買い込むのは利口ではない。 だから、一冊でいいのだ。もっとも、文章技術向上の導入部に限定しての話だけれど。 その一冊に、私は本書をお奨めしたい。 理由は、 1、 前述の通り、世の中には本書のような本がたくさんあるが、それを数字に例えるなら本書はそれの最大公約数にあたる。つまり、書き手にとって必要な知識はこの一冊に集約されている。 2、 文体があっさりしており、著者独特の癖が殆ど無い。 この二点である。ライトノベルの賞を狙ってこの本を読むのは間違いです(私がそうでした)。 内容としては作者が講師をしているだけあって、レッスン、小説の授業を受けているといった感じでした。小説を書くためのコツなどためになることを書いている反面、一語一句を大切にしすぎているのではないかといった印象を受けました(そこまで読者がミステリーでもないのに思考して読んでいるかということ)。この作者奈裕明さんは「すばる文学賞」といった賞を受賞していますが、それ以上でもそれ以下でもありません。おそらく半径2kmぐらいが守備範囲、故にラノベしかり、PCゲーしかり、携帯小説などもってのほかでしょう。故に「今時でない」どこか若い人には古臭さを感じさせてしまう。文中にも「〜を読んでみてください」、「いわずもがな〜」など過去の文庫を進めてみたり、さも読んでいて当然のような文章がでてきて、それを読んだ前提の話もでてくるので少し苛立ちと戸惑いを覚えないでもないです。一週間でマスターというのは言葉のあやです。読んでみるとわざわざ一週間に区切る必要はないと感じました。この本を売るための作者の戦略です(私はまんまと引っかかりましたが) 総合的に言えることは、初めて小説を書く人が読むものではないです。自分なりに長編でも短編でも何本か書いて、それでもいまいちうまく書けない、しっくりこないと行き詰った人が読むといいと思います。ためになることは書いてあります。良いことは書いてあります。だが私がそこに書いていることを理解できるのはまだ当分先の話になりそうです。