40年続いた不適切な対応-下水道料金徴収漏れ総額1580万円 福知山市で45件発覚 

April 16 [Fri], 2010, 11:59
 福知山市の松山正治市長は15日に記者会見を開き、下水道使用料の徴収漏れが45件見つかったことを明らかにした。使用開始から30年近く経過しているケースもあり、未収総額は計約1580万円。このうち、さかのぼっての徴収ができない時効分は約820万円に達する。徴収漏れの調査はまだ3分の1 を終えた段階で、件数は今後さらに増える見込み。
 
 徴収漏れは、市下水道部が昨年7月から実施した下水道水洗化の普及率調査で見つかった。調査対象は、市内の未水洗化の家屋約2500 軒(昨年7月時点)で、09年度に約800軒を終えた。残る約1700軒を10、11両年度で実施するはずだったが、問題の発覚を受け、実態把握を早急に進めて7月をめどに結果を公表する。
 
 徴収漏れ45件の原因は、下水工事業者からの届け出がないなど市が下水道使用を把握できていなかった事案が29件(約1100万円相当)、内部調整不足や電算処理の誤りなど市の事務処理上のミスが16件(約480万円相当)としている。

■40年続いた不適切な対応■
 
 今回の下水道使用料徴収漏れ問題に絡み、市下水道部での不適切な対応が、40年近く続いていたことが明らかになった。徴収漏れはこれまでにも見つかっており、こうした場合、地方自治法では「最長5年さかのぼって賦課できる」とされているが、徴収していなかった。今回見つかった45件についても、当初は対象者に対して「さかのぼっての徴収はしない」との旨を伝えていた。
 
 下水道使用料徴収は1966年に始まった。71年の調査で161件の徴収漏れが見つかったものの、未収分の徴収はしておらず、その後も慣例として、同様の対応を続け、現在に至っている。
 
 これまで見つかった徴収漏れは、市民側からの申告によるものがほとんどであること、使用開始時期の特定が難しいことなど、下水道部側が対応に苦慮した一面はある。しかし、直近の過去5年間でも48件の徴収漏れの処理をしており、突発的な事案ではないにもかかわらず、71年以降の実態把握調査はなく、徴収漏れが発覚したその都度、慣例に従って処理する対応が、慢性的に続いていた。
 
 今回の徴収漏れ問題を整理する中で、下水道部の慣例が全庁的に知られることになり、法的には徴収できること、正規に使用料を払っている市民との公平性から、これまでの対応を不適切と認め、是正することを決めたという。
 
 今回の45件の市民に対しては、さかのぼっての徴収を依頼しているが、応じているのは現時点で6割程度。下水道部は「根気よく説明と依頼を続ける」としている。
 
 さかのぼっての徴収額は、一軒あたり平均約17万円で、最高額は約62万円になる。負担が大きく一括払いが難しい場合は、法律上、原則1年以内の分割払いもできるが、払う側にとっては非常に重い。最高額に近い市民の一人は「払わなければいけないものなので、わたしは払いますが、5年間分を1年でというのはおかしい。もう少し考えてほしい」と切実に訴える。
 
 松山市長は記者会見で、一連の問題について「市民の信用を失墜させてしまい、誠に遺憾で深くおわびします。背景に業者への指導不足、事務手続きの遺漏、前例踏襲の漫然とした事務処理などがあり、本件を教訓に、改めて法令順守と適切な事務の執行を徹底したい」と謝罪した。 4月15日17時13分配信 両丹日日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100415-00000302-rtn-l26