『涙』 

2005年12月20日(火) 20時15分
「涙を流せる人が好き。」


君がそんなことを僕に言った。
君は知っているんだね。
涙ってどういうものなのか。
僕はそういう人が好きだよ。
そういったら君は笑った。
嬉しそうにではなく、もっと嘲笑に近い笑い方。
君のそういうところが好きだよ。
人を暴いて、
心の奥底まで見透かして。
そんな、感じの悪いところが。
大好きだったよ?


僕は初めて泣いた。
涙って両目から零れるものなんだと、初めて知った。
僕はいつでも、人に見せる目でしか泣いたことがなかった。
それを知っていた君がいなくなって初めて。
君がどんな人が好きだったのかわかった。

『マニキュア』 

2005年12月14日(水) 0時16分
あなたは海色の爪をしていた。
空色と海色の爪の不自然さが僕には美しく見えて、そんなあなたはそれほど綺麗な人でもなかったけれど、僕はあなたが綺麗だと思ったんだ。
コーティングされて少しずつ息絶えて行く爪の断末魔を知らないあなたは、僕では無い誰かのために足の先から頭まで加工を施して見たこともない、けれどよく見かける類の笑みを浮かべて幸せを口ずさむ。
僕の幸せといえば空と海に抱かれることで、それは叶わないから幸せと呼ぶのだけれど、あなたはそんなことも知らない。
次は雲色の爪で光を弾く長い指が色素の薄い髪を撫でて流れた。


空は意外と近いところにあるから、僕の幸せまであと少し。
たぶん・・・・・・あと3センチくらい。
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