天狗とクルミ 

2013年06月26日(水) 4時19分
梅雨でジメジメ鬱陶しいですね..天狗は何処にいるのかしら..?



私の村に 古くから天狗が住むと言われる..伝説の森林へとやって来た..

死んだ婆ちゃんが子供の頃,ここで天狗様に一度 お遭いしたんだって...つるの枝を遣い木から木へと ガァーガァー 吠えながら 山の中を飛び駆け回る。

大きな羽と鋭い嘴を持つ天狗はクルミの実が大の好物。

硬いくるみの殻を尖った嘴で上手に開け 大きなクルミの木のある雑木林を住み家としていた..

大きなクルミの木があることを知っていた 婆ちゃんは誰も入らぬ森林へ,みんなに内緒で クルミの実を取りに来た。天狗に見つからぬよう..

それはもう,落ち葉と同じ数ほど実が落ちていたんだって..

儂ゃ〜 今までこんな幸せが あっただろうか..袋に入りきらないほどの実.着物にも帯にも,ありったけの実を仕舞いこんで..そりゃァ〜もう,夢中で拾い集めた..

その時じゃった。 空からガァーガァーと 大きな羽で風を仰ぎながら降りて来て,鋭い嘴で儂を睨めつける。

風で吹き飛ばされた儂ゃ〜せっかく袋に詰めこんだクルミの実も飛ばされ,着物にはたくさんの実を仕舞いこんでいたので身動きできんかった。

風に飛ばされ、髪につけていた 紅い実のかんざしが 天狗の側に落ちてしまった。 もはやこれまで..

天狗は そのかんざしを見るなり,それがよほど気に入ったのか..しばらく眺めては突き、また,しばらく眺めては..嘴にくわえ 山の奥へと 飛んで行ってしまったそうな..

最後に婆ちゃんが語った言葉は,儂が見たもの..ありゃぁ〜天狗じゃのうて ありゃ〜鷲じゃ..天狗は婆ちゃんだったのか..?

全ては ばあちゃんの作り話でした。
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