今週の防災格言<222> 廣井悠 (都市工学者・東京大学准教授)
2012.03.12 [Mon] 07:00


『 今回帰れたからといって、
 次も帰れるとは思わない方がいい。
 首都直下型の地震が発生した場合、
 無理に帰ろうとするのは逆に危険な場合もある。 』


廣井 悠(1978〜 / 都市工学者 東京大学大学院准教授 専門は都市防災・都市工学)

格言は産経新聞記事(2011年4月30日 「社会部オンデマンド 大震災編・帰宅困難者にならないためには」)より。

曰く―――

『 今回の震災では、首都圏の被害はそれほど大きくなかった。携帯電話などが使えず、災害伝言ダイヤルの認知度も低かったため、家族のことが心配で帰宅しようとした人が多かったが、今回帰れたからといって、次も帰れるとは思わない方がいい。首都直下型の地震が発生した場合、無理に帰ろうとするのは逆に危険な場合もある。

(家族を)心配する気持ちは分かるが、状況がはっきりするまで安全な場所にとどまるべきだ。事前に避難場所など非常時の行動を確認しておくことが重要。会社や緊急の避難施設なども安心してとどまれるように、食料や毛布などの備蓄を充実させる必要がある。 』

廣井 悠(ひろい ゆう)氏は、災害時の都市リスク解析(都市防災)の専門家。特に震災や火災・水害などによる都市の安全設計(都市計画、制度設計)についての調査研究で知られる都市工学者である。

2011(平成23)年3月11日の東日本大震災では、首都圏でも震度5を超える強い揺れとなり鉄道網が乱れ、自宅へ帰れない帰宅困難者が大量に生まれた。内閣府(首都直下型地震帰宅困難者等対策協議会)の推計によると、震災当日に首都圏で約515万人、東京都で約352万人、神奈川県で約67万人、千葉県約52万人、埼玉県約33万人、茨城県約10万人の帰宅困難者が発生したという。

廣井氏は震災後いち早く、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の帰宅困難者の行動について社会調査を行い、翌4月初旬に調査結果をまとめ公表されている。

 ※調査結果概要:東日本大震災に関する調査(帰宅困難)概要
 (災害と情報研究会(東洋大学・東京大学)、株式会社サーベイリサーチセンター合同調査)

調査によると、

全体(一都四県)で約8割が「自宅に帰れた」と回答したが、地震発生時に東京都内にいた人だけの帰宅率は67.8%と割合が下がることが分かった。残り2割の人の内訳は「会社に泊まった(11.6%)」「会社以外に泊まった(6.3%)」「自宅に帰ろうとしたが途中であきらめた(2%)」だった。

帰宅するかどうかの判断に利用した媒体は携帯電話が最多の82.3%であったが、実際に使えたと答えた人は42.8%にとどまり、テレビは62.2%が利用を考え、うち81.7%が実際に見ることができた。

「地震直後に知りたかったこと」は「地震の震源や規模(79.2%)」「家族の安否や居どころ(66.5%)」「自分の住む地域の被害(58.9%)」。

71.1%の人が「地震で困ったこと」として「携帯電話がかかりにくかった」と答えていながら、災害用伝言ダイヤル(171番)や携帯電話の災害用伝言サービスについて7割以上が利用していなかったことも判明した。

廣井氏は『 テレビやラジオが災害直後、被害のあるところだけでなく無いところの情報も伝えれば、携帯電話の利用や無理に帰宅しようとする人を減らせるだろう。 』と分析されている。(2011年4月9日 朝日新聞より)


■関連リンク
- 東京大学大学院准教授 廣井研究室(外部リンク)

■「廣井 悠」氏に関連する防災格言内の主な記事
 廣井脩 (社会学者・防災情報学者)(2009.09.28 防災格言)











<店長 拝>

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