第2図書係補佐

January 01 [Tue], 2013, 1:26
著者:又吉直樹 出版社:幻冬舎 出版年:2012年

よしもとのお笑い芸人、ピースの又吉直樹による本エッセイ。
「はじめに」にあるように、書評や紹介とは少し違う。
小説の内容と重なるような、又吉自身のエピソードが語られている。
それぞれの小説そのものについてはあまり多く書かれていないが、エピソードからは著者の生活にいかに深く読むことが入り込んでいるかが伝わってくる。
本を読んで過去を思い出す。 読んだ本が記憶になっていく。
そういう生活と読書の相互作用みたいなものが、分かちがたいぐらい密接に折り重なり合っている、そんなイメージの本だ。

ひとつひとつのエピソードもなかなか秀逸。
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』はどことなく村上春樹風で、ビリヤード場の綺麗な女性店員が出てくる辺りとか、彷彿させて、クスッときた。
姪に5円玉をもらう『月の砂漠をさばさばと』では、「姪に愛しさと哀愁を感じた」という締めくくり方が心にしみる。
純粋さの両面に貼りついている、愛しさと哀愁。ただ子どもが可愛いという人にも、斜に構えてしか見れない人にも感じ取れないものだ。
「三日間誰とも会話していないことに気付き何となく不安になり」という書き出しの『杏子(『杏子・妻隠』より)』。そのまま短編小説に出来てしまえそうで、「ああ、人と人が出会うってそういうことなのかも知れない」とふと思った。

本を読んで本を読みたくなる。つまりこの本は良い本なんだと思う。
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