16歳の作家 『香川七海』さん 

2006年09月15日(金) 16時02分
『日暮れの家』

 主人公は大正時代の小説家/寒川正和。巻頭に、主人公の著作への来歴が記してあって、主人公の独白型の小説となっている。友人との死別、家族との離散など、現代と大差ない視点で描かれている。主人公の苦悩と、人の身の回りに存在する、様々な畏怖感を絡めて描いてある点は、高評価に値すると思う。文中には、古語的な日本語が盛り込まれていて、大正という時代が反映されていて、とても良い。刊行案内には、『二週間で書いた駄作。人に見せられるものではないです。』と本人のメッセージがあるが、とても良く推敲された印象が残る。湧き水のような綺麗な小説。
 
過去に河崎愛美さんの『あなたへ』と綿矢リサさんの『インストール』を拝読した事があるけれど、それ以上に心に迫るものがあると思う。生粋の純文学であるから、知人の作品と言う色眼鏡を外しても、『文藝賞』などの栄誉ある賞に値する作品だと思う。
 私は、過去に校正のお仕事を長く持っていた。自分では書く事は全く出来ないが、多くの作品を拝読してきた。小説は、評価があってないようなもの。良く書かれている作品でも、評価されないことは多くある。香川さんの作品が、評価される事を心から願います。

『気になった点』
ページ番号の欠落した所が一箇所。(編集上のミスか?)
〜感を感じた。と言う表現が二箇所。(現代風表現。純文学には合わない。)
「表紙絵」「装画」と言う混同した表記がある。(編集上のミス?)
寓意が深く、安易に見える集約がある。(好みの問題だが。)
桜の古木を冬の章に用いる為、イメージがしにくい。
故意に古語を使用するため、国語が好きな人でないと読みにくく感じる。
著者略歴が、「プロフィール」としてあるため安っぽい。

香川七海/著 『日暮れの家』 平成初、16歳の純文学作家 

2006年09月09日(土) 11時55分

〈著者公式略歴〉
1989年6月1日生まれ。東京都在住。17歳。
初めて書いた小説、『日暮れの家』が日本文学館推薦優秀作品評定。
同作が8月1日刊行。本年末に作品を集録した短篇集を刊行予定。
心交社への帯文寄稿や主婦雑誌等への記事執筆などを予定しており、
今後の活躍が期待される。

推薦/森秀樹(作家・翻訳家) 
推薦/川並弘昭(学校法人聖徳学園事理長)
口絵/ブル・デービッド(木版画家)
装画/藤木徳男(水彩画家)
監修/寺川雄一(作家・日本外国特派員協会)


 私が香川さんにお逢いしたのは、香川さんが小学校五年生の時の事である。とある由縁で、一介のオバサンの私と香川さんは知り合いとなり、閑談の友となった。当時、私は息子夫婦の家がある東京に育児の補助役として出向しており、二年後に地元の実家へ戻った。香川さんと閑談の友でいたのは、このわずか二年間の事だが、それ以後も、私と香川さんは年賀状と暑中見舞いで親交を深めた。書中の友だ。
 香川さんは美術品に造詣が深く、博識で話の上手い人だった。この著書にもその雰囲気は反映されている。閑談の友時代、香川さんのお人なりを漏れ聞いたが、お父上が戦中派であるとか、そんなお話を伺ったことがる。その父上も、かなりの高学歴であるそうだから、おそらくは幼少期のお父上と、お母上の教育が宜しかったのだろう。ちなみに、幼少期の父上は、東條英機首相やマッカーサー元帥を遠目に見たことがあるというから凄い。
 また、香川さんは色々なご苦労や経験を積まれている。ゆえに、並みの大人よりも全面で秀でていると思う。私よりも大人である。それがこの老成した作品を構成できる立脚点なのであろう。これと同等のご意見を、ミクシィというインターネットサイトにおいて、香川さんの親交のある作家が、書評を交えて述べている。これは、昔の私の個人的な意見であるが、香川さんは大きい。大きすぎて、周りの人間には見ることが出来ないのではないだろうか。周りの人間が、香川さんを正当評価できるかが不安である。
 これに付随しての事だが、私は香川さんの年賀状ファイルを拝見させていただいた事がある。そこには、作家の秋山ちえ子先生や、政治家の沼田武先生、大学の教授である飯田格先生など、様々な人の年賀状があった。小説家や子役のものも見ることが出来た。総数は、(その当年。)200枚をゆうに越えており、それも必ず手書きであった。(もちろん印刷もあるが、きちんと肉筆の文章が添えられていた。)
 今回の出版に際しても、多くの知人のご支援を賜ったそうで、推薦から腰帯の色材、監修まですべて善意の無料奉仕だそうだ。つまり、これは善意が生んだ本なのである。前に述べた、「大きすぎて評価されないのでは…」私はこの考えを捨てた。十分評価されている。
 かつての校友であった学習院へ通う友人を介して、秋篠宮眞子様へもご献本なさったとのこと。評価されればよいが。そういえば、昔に私の所属する会で発行した、「作家の句読点の使い方」というテーマの本をお送りした事がある。あれは、ご使用いただけたのだろうか。




先日、注文していた本が届いた。一週間ばかりかかったが、それは売れている証拠でもあろう。一両日中に感想を述べようと思う。いい点、悪い点を選択してね。
今日、このブログを出す香川さん宛の来歴を示した手紙を投函した。

北岡昇子(56)
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