木崎桜汰 桜汰の過去 ソーシャル

January 17 [Sat], 2015, 23:54
ソーシャルのスイートルームで悪戯なキスのラブチップトラップが少し緩くなりましたね〜。
ホント少しですけどね〜( # ̄3 ̄)

ちょっと前に桜汰本編で7万の壁にぶち当たってたんですけど

(その間にイベント参加してたから全く進んでなかった(ーー;))

桜汰の前に英介さんノマエンやけどクリアしてたから差額の
5,000ラブチップ貰った分&トラップ緩くなったからクリア出来たよーo(^o^)o

しかも貴志さん本編始まるからカジノもfeverだーい?

これは桜汰本編始まる前みたいに『何日までにエンドを迎えたらダイヤ○個!』とかもあるかな?

基本、課金したくないので(笑)ダイヤは貴重!ルムカレみたいにログインボーナスで貰えたらいいのに!

では桜汰本編の続きです。

アバタートラップ後の話だったような?
ちなみに本編のトラップはほぼノーマルルートです(><@)

英介さんのときに課金してゲトしたスチルがビミョーだったんだもん(;´Д`)

では続きをどぞ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


木崎さんたちを追いかけて、ペントハウスまで戻る。
私は、エレベーターを降りるなり廊下を走った。

ガチャッ――

凜 「あっ……!」
木崎さんの部屋の前に辿り着いたと同時に、勢いよく扉が開く。
表情に怒りを滲ませた九条さんが出てきて、私に気付いた。

凜 「あ、あの……」
九条「……なんのために、こんな平凡な女を20億で買ったと思ってるのかしら。倍の値段のつく作品にしなければ、意味がないのに」

見下すような眼差しを私に向けて、冷たく言い放つ。
そのまま顔を背けると、九条さんはエレベーターに向かって歩いて行った。

凜 「……」
(九条さん、すごく怒ってた……あんな怖い顔、初めて……)

ガシャン――!

凜 「……っ」

部屋の中から、大きな音が響く。

(木崎さんっ!?)

私は、慌てて部屋の中へ入った。

凜 「木崎さん……っ!」

リビングに駆け込んで、息を飲む。
制作に使う工具のワゴンが倒されて、そのほとんどが床に散乱していた。

(なにが……あったの?)

木崎さんは、“とらわれの女”の前に立っている。
こちらに背を向けているから、どんな表情をしているかはわからない。

けれど、震えるほど強く握られた両手の拳が、その心情を表していると思った。

凜 「……」
安易に声を掛けられる雰囲気じゃない。
抱えていた宝物のキャンバスを持つ手に、ギュッと力を込めた。

(九条さんと、なんの話をしたの……?私は……どうしたらいいの?)

なにか言わなければ――そう思った時だった。

桜汰「九条さんに言われたよ……」
凜 「……え?」
桜汰「“とらわれの女”は売れないだろうってさ……」

独り言のように呟いて、木崎さんが足元に目を向ける。
散らばった工具の中から石ノミを手に取ると、そのまま逆手に持ち替えた。

凜 「!」

凜 「ダメです!」

考えるより先に、身体が動いた。
キャンバスを手放して、木崎さんに駆け寄る。
石ノミを握った木崎さんの右腕が勢いよく振り上げられた瞬間、
私は背中からその身体を抱き締めた。

凜 「やめてください!」
桜汰「……離して」
凜 「離しません!なにをするつもりですか!?」
桜汰「売れないと意味がないんだ」

(え……?)

桜汰「売れない作品は、駄作でしかない。だったら……壊すしかないでしょ?」
凜 「……木崎さん!」
桜汰「こんな駄作のせいで、僕の評価を落とすわけにはいかないんだ」

私の腕を振り払おうとする木崎さんを、それでも強く抱き締める。
自分の手で形にした作品を、何度も『駄作』だと言う木崎さんがあまりにも悲痛で――

私は、込み上げる感情のままに口を開いた。

凜 「壊しても、何にもなりません!」
桜汰「うるさい!アンタに、何が分かるの」
凜 「……壊せば、この作品は売れるようになるんですか?」
桜汰「……っ」

木崎さんの動きが、ピタリと止まった。

凜 「壊せば、木崎さんの評価は守られるんですか?九条さんが『駄作だ』って言ったら、その評価は絶対なんですか……
私は、そうは思いません……」
桜汰「……」
凜 「だから……壊さないでください
木崎さんが一生懸命造った作品を壊すなんて……そんなこと、言わないで下さい……っ」

木崎さんの背中に顔を埋めたまま私は、抱き締める腕にもう一度力を込めた。

桜汰「……」

カシャン――

木崎さんの手から、石ノミが落ちる。

(木崎さん……わかってくれたの?)

木崎さんに、もう壊す気がないのだと悟って深く安堵の息を吐く
そして、木崎さんを抱き締めていた腕をゆっくりと解いた――
……つもりだった。

凜 「……え?」
思いのほか強い力で、腕を掴まれる。
弾かれたように顔を上げても、木崎さんは前を向いたままだった。

凜 「あ、あの……木崎さん?」
桜汰「……だけ」
凜 「はい?」
桜汰「もう少しだけ、このままでいてよ……」

それは、聞き逃しかねないほどの小さな呟き。
私の腕を掴む木崎さんの手に、ギュッと力が込められた。

桜汰「少しだけでいいから……こうしていて」
凜 「……はい」

私は頷いて、木崎さんの背中に頬を寄せる。
もう一度強く抱き締めると、木崎さんのしなやかな手が私の手に重なった。

(木崎さんの手って、思ってたより大きいんだ……華奢に見えるのに……やっぱり男の人なんだな……)

頬に伝わる木崎さんの鼓動が、少しずつ落ち着いていく。

私たちは言葉を交わすことなく、ただ静かに互いの温もりを感じていた。

落ち着きを取り戻した木崎さんが、ため息を吐きながらソファに座る。
散乱していた工具を拾おうとした私は、床にあった宝物のキャンバスに気付いた。

(そういえば……さっき木崎さんを止める時に放り投げちゃった)

キャンバスを拾って、テーブルに置く。
そのまま、まだ少しぼんやりとしている木崎さんに微笑みかけた。

凜 「なにか、温かい飲み物を淹れてきますね」
桜汰「……紅茶がいい」
凜 「わかりました。すぐに用意します」

呟く木崎さんに大きく頷いて、私はキッチンに向かった。
ケトルでお湯を沸かしている間に、茶葉やカップの準備をする。
ティースプーンを取り出した時、私は短く息を吐いた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
桜汰「売れない作品は、駄作でしかない」

桜汰「だったら、壊すしかないでしょ?」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今でも、あの時の冷めた声を鮮明に思い出せる。
あんな切ない言葉は、もう二度と木崎さんに言わせたくなかった。

(もともと『芸術品の価値は評価額が全て』って言う人だったけど……それにしたって、さっきは取り乱しすぎだった……
どうして木崎さんは、こんなにも『売れること』にこだわるんだろう)

カタカタ……

凜 「わっ、わわ……!」
沸騰したお湯が、ケトルの蓋を押し上げて溢れ出る。
私は慌ててスイッチを切った。

凜 「お待たせしました」

紅茶をトレイにのせてリビングに戻ると、
木崎さんがテーブルに置かれたキャンバスをじっと見つめていた。
その様子に、私はさっき榊原さんに教えてもらったことを思い出す。

(そうだった……あの絵を描いたのが、木崎さんだったなんて……)

ベッドルームに描き散らかされていた絵を見ていなかったら、信じられなかったかもしれない。

けれど今の私は、木崎さんがどれだけ絵を描くことが好きか知っている。

(やっぱり木崎さんは、素敵な絵が描ける人なん。どうしてかな……そう思ったら、すごく嬉しい)

紅茶のカップをテーブルに置いて、私は頬を緩めた。

凜 「木崎さん、紅茶が入りました」
桜汰「……ん」

微かに頷いて、木崎さんがカップに手を伸ばす。
紅茶を一口飲むと、その表情が和らいだように見えた。

(今なら……聞いてもいいかな?)

意を決して、私はキャンバスを手に取った。

凜 「木崎さん」
桜汰「なに」
凜 「この絵を描いたのが木崎さんだと、榊原さんが教えてくださいました」
桜汰「……」
凜 「……本当ですか?」

静かにカップをテーブルに戻して、木崎さんはソファの背もたれに身を預けた。
身体の力を抜くように、深く長く息を吐く。

桜汰「僕が描いたってのは、ホント。
……がっかりした?」
凜 「いいえ!」

木崎さんの言葉に思わず首を振った。

桜汰「ふっ……」
凜 「な、なんで笑うんですか?」
桜汰「……アンタなら、そう言うと思ったよ」

背もたれに頭をのせて、木崎さんが天井を仰ぐ。
長い指を組んだ両手で、自分の目を覆った。

桜汰「ずっと昔……まだ僕が子供の頃……悠と一緒に、古木先生の絵画教室に通ってた。あの頃は、水彩画を描くのが本当に好きだったんだ」

そう話し始めた木崎さんの声は、驚くほど穏やかだった。
手で覆われた目は見えないけれど、その口元はほころんでいるように見えた。

桜汰「僕が絵を描くたびに、みんなが上手だって褒めてくれて……それが嬉しくて、先生みたいに絵を描くことを仕事にしたいって思うようになった。
……でも」

自嘲気味に笑って、手を下ろす。
目を開けた木崎さんは、淋しげな眼差しで私を見つめた。

桜汰「世の中、そんなに甘くないよね」
凜 「……」
桜汰「好きって気持ちだけで、賞がとれるわけがない……賞がとれなきゃ、絵で食べていける画家になれるわけがない……
それでも僕は……信じていれば、夢はかなうって信じてた。たぶん……それを描いたのも、その頃」

そう言って、私の手にあるキャンパスに視線を向ける。

桜汰「それまでも、僕の描いた絵が売れることはあったけれど……
もちろん、画家としてやっていくには全然足りない。
僕の絵には何が足りないのか……描けば描くほど、わからなくなった」

最後の弱々しい呟きに、胸の奥が痛んだ。

(だから、ベッドルームに書き散らかされた絵には……模索しているような……塗りつぶされた絵もあったんだ)

桜汰「そんな時に……九条さんに出会ったんだ」
凜 「え……」
桜汰「あの人は、この業界で知らない人はいないっていわれるほど顔の広いアートディーラーだから、
そんな人にプロデュースしてもらえるなら、夢が叶うと思った。
事実、あの人の指示通りに作品を世に出せば、驚くほど僕は 評価されていったしね」

ふいに、木崎さんが口を閉じる。
テーブルのカップを眺めながら、頬の筋肉だけで微笑んだ。

桜汰「それが、本当に僕の作品が評価された結果なのか……九条さんが裏で手を回して値段を 釣り上げていたのか……僕には、わからないけど」
凜 「……」
私は、キュッと唇を引き結んだ。
姿勢を正して、木崎さんを真っ直ぐ見つめる。

凜 「木崎さん」
桜汰「……なに?」
凜 「前にも言ったと思いますけど……私は芸術品の価値とか評価とか、良くわかりません。でも……
これだけは、迷わず言えます」

そう言って、宝物のキャンバスを胸に抱く。

凜 「私、木崎さんの絵が好きです」
桜汰「え……」
凜 「絵が大好きだって伝わってくるこの絵が、大好きなんです」

木崎さんは驚いたように目を瞬かせたあと――
はにかむような微笑みを浮かべた。

桜汰「……アリガト」

その笑顔に、胸の鼓動が大きく跳ねる。
私は、つい目を伏せて逸らしてしまった。

凜 「そ、それが言いたかっただけです」
桜汰「うん……」
照れくさそうに微笑む木崎さんが、なんだか眩しい。
凜 「えっと……あ、そうだ!紅茶!おかわり持ってきますね?」

返事も聞かず、逃げるようにキッチンに向かう。
熱くなる頬に手を当てながら、私は木崎さんの笑顔を思い浮かべた。

(び、びっくりした……あんな話の後で、あの笑顔はズルい……
でも……今まで見た木崎さんの表情の中で、一番素敵だった……)

切なさに似た、胸の痛みを感じる。
高鳴る胸の鼓動は、当分おさまりそうになかった。
 
.