月のうた 

2007年10月29日(月) 12時04分
穂高 明さんのデビュー作です。私は彼女とは15年来の親しい友人同士なので、読んでいるうちに主人公の民子ちゃんが彼女と重なってきて、不思議な感覚を味わいました。著者を知った上でその人の書いた本を読むって、内面をのぞいてしまったようなような罪悪感・・というか照れくささを感じるものなんですね。
感想は、ひとことで言えばすごく良かったです。ただ、エピソードにいちいち彼女と自分を重ねてしまうので、あまり客観的に読めなかったなぁ。
民子ちゃんは少し内気で繊細で、不器用だけど心根の優しい女の子です。父の後妻の宏子さんいわく「何でも知っている」頭の良い子ですが、成績優秀というだけの偏差値とは別の、人としての賢さを持っています。民子ちゃんの発する一言一言には、母が病死するという悲しさを乗り越えた人が持つ深さがあふれていて、なんでもない会話のようでありながら心に沁みます。著者自身にもすごく似ているし、そして著者自身が目指す(というか持論にしている)長所を持たせたキャラクターなのかなぁと思いました。
私は彼女に対して、作中のセリフにも出てくる「心の中の許せないゾーン」に踏み込んでしまうことがままあるように思います。人は(私自身も含め)気づかぬうちに言ってはならない一言を発してしまっているものではないかと思うのですが、傷つきながらも受け入れて許してくれる、それこそが民子ちゃんや彼女の持つ優しさだと思いました。本当の優しさを持つには強くならなくちゃいけないんだ、と改めて考えさせられました。
やや個人的に入り込んでしまったのですごく重い話みたいになってしまいましたが、そんなことはないです。民子ちゃん⇒義母:宏子さん⇒父と語り部が変わり、飽きさせない構成です。薄っぺらな関係でうわべだけの人脈を増やすくらいなら、家族や友人ときちんと向き合って理解しあってしていくほうがいい、そんな気持ちで心が温かくなると思います。

バベル 

2007年05月25日(金) 14時04分
名は人を表す、と言いますが、「バベル」、、、観終わってから、ほんとに鳥肌が立つくらいぴったりなタイトルだと思ってぞくぞくっと来ました。感想、言いたいことはたくさんあるのに、なんか言葉にしにくくて。ヘリコプターが飛び立つシーンで流れていた曲が聴きたくてサントラ(2枚組!)買いましたが、その他の曲の方が多くてお得だったんだかもったいなかったんだか・・・。曲だけ聴いていてもあの瞬間の感覚は戻ってこないし。もしかすると、この映画は映画を観てる間がすべてなのかも。一種のトランス状態っていうんですかね。哀しさとか焦燥感とか愚かさとかだからこその愛おしさとか・・・そういう想いが意識の深層に残って、も一度みたらまた同じ想いを感じるのかもしれないです。

RENT(ネタバレ有り) 

2007年05月25日(金) 13時52分
(ネタバレありです!)こないだTV番組でRENTの主題歌が流れていて素晴らしかったので、早速借りに行きました。オペラ「ラ・ボエーム」の現代版、っていったらもちろんそうなのですが、映画ではミミが一命をとりとめてくれて良かったー。日本にいると堂々とカミングアウトしている同性愛者って見かけないけど、この映画を通してみると恋する気持ちって一緒なんだなって分かったり、世界が広がった気がします。エンジェル役の俳優さん素敵ですよね。ネットで調べたら今は休業中みたいですね。もったいないなぁ。最後にマークが撮った映像が流れますが、その時の彼の微笑みといったら!!エンジェルのキャラクターと相まって、その優しさが心にしみます。主題歌Seasons of Love、そしてNo day but today、名曲ぞろいなので何度も観る(聴く)べし!

アヒルと鴨のコインロッカー 

2007年05月25日(金) 13時37分
原作のある映画って、原作を読んでから映画を観るか、それとも逆か、、、って迷いませんか?この作品は絶対映画が先の方が良いと思います!私は伊坂幸太郎ファンなのでだいぶ前に本を読んでしまっていましたが、「えー!そういうことだったのーー!!」という衝撃を映画の方で受けてみたかったーーー。「それ」を知っていると、どう映像化するの?ということばかりに気を取られて、せっかく深みのある話なのに集中できずかも・・・ちょっと悔しかったです。
でも、伊坂氏が誉めちぎっているだけあって、すごく良くできていたと思います。仙台人としてはロケーション探しも楽しめるし。
特に後半、同じシーンを繰り返し観る事になるのですが、瑛太の演技が素晴らしいと思いました。ああ、こういう気持ちでこのセリフを言ったんだな、ってことがすごく伝わってきて・・・胸にしみます。
映画化されたことでもっと原作を読んでくれる人が増えるといいなぁ。原作には素敵なエピソードやセリフがまだまだあるから!!一度記憶喪失になってまた読み返せたらいいのにって思います。

夜のピクニック 

2006年11月21日(火) 22時55分
映画化の話を聞いて、ずっと読んでみたいなぁと思っていました。高校生が主人公だから、イマイチ感情移入はしにくかったけど、若かりしころの甘酸っぱい香りが感じられてよかったです。最後に一気に読ませるなぁと思いました。なんでそんなに西脇くんはモテるの??って不思議だったけど、、、雰囲気重視派の少女たちにはツボなんでしょうね。歩行祭かぁ、80`歩くなんて絶対ヤダー。でも読み終わるころには、登場人物と一緒に歩き終えた達成感を味わえます。作者の恩田陸さんはまるで自分も経験したかのようなリアルな描写をされています。だからなおさら臨場感があるのかな。イベントってこういう思いを味わうためにあるのかも!

グラスホッパー 

2006年11月21日(火) 22時50分
伊坂幸太郎作品のわりに読むのに時間がかかっちゃいました。殺し屋が主人公、という設定のせい?結末もハテナのままフェイドアウトしてしまったような・・・。読むときのテンションが低かったから、その影響もあるのかもしれませんが。奥さん想いの鈴木さん視点では(一応)ハッピーエンドでよかった。こんな職業ほんとにあるんですかねー。蝉と岩西氏の関係が意外性があって面白かった。岩西さん、意外と部下(蝉)を理解していたのですね。引用しまくりの彼は本当にいたのかなぁ。

alone together 

2006年11月09日(木) 0時29分
人って誰かに理解してもらいたがっているけれど、一方では知られたくない醜い想いを抱えていたりするわけで、それが開放されることは救済なのか罰なのか・・・。相変わらずの村上春樹調の文体のせいか(本多孝好さんから入った人にとっては村上春樹が本多調なのか?)読みやすいですが、それが逆に軽い読後感につながってしまっているようなー。グサッとくるようなセリフが多いのですが、「あなたに言われたくないよ」的な反感を持ってしまうのはナゼ??伊坂幸太郎だと素直に受け入れられるのですが・・・単に好みの問題なんでしょうかね。そして胸をえぐられたような感覚を一瞬味わうけれどすぐに忘れてしまうー。この感想読んでから5日後に書いてますが、「こんな感じだったかな」と頑張って思い出しています。ファンの方すみません(>_<)

のだめカンタービレ 

2006年10月28日(土) 14時28分
ドラマ化をきっかけに原作コミック読みました!!面白いと聞いてはいたけど、これほどはまるとは!!ヴァイオリン弾きのはしくれとしては、もっと上達したいっっと刺激受けまくりです。のだめちゃんカワイイですよね。私は不思議系の女の子ってどっちかというと苦手なのですが、のだめちゃんはふわふわっとしたところがなくたくましいので応援したくなります。(逆にハチクロのはぐちゃんはダメなんですよね・・繊細すぎる感じとか守ってあげなきゃみたいな雰囲気につかれちゃって・・あくまで個人的な好みの問題ですが)
千秋がヒコーキ乗れるようになったエピソードいいですよねーせっかく二人でパリに行ったのだから、これからはもっと恋人らしく過ごしてほしいなぁ。なんかいつまでもプラトニックなのも、少女漫画とはいえ不自然というか、千秋、そこまで照れ屋なのか??かえって不健全なんじゃ・・と余計なお世話ながらツッコミを入れたくなります。だって千秋せんぱいって(根本は)結構ふつーの人ですよね??そこがいいとこなのに、なんかリアリティ無くないですか??
このお話、恋愛ばっかりじゃなくてそれぞれのキャラクターがきちんと「自分」を持っているのがいいなって思います。のだめちゃんのことも、「先輩のために上手くなりたい」オンリーだったらちょっと興ざめしちゃうかも。「先輩だけが(自分のピアノを)好きでもしょうがない」って言えるのだめちゃんが大好きです。

ハリーポッター 謎のプリンス 

2006年10月28日(土) 14時06分
謎のプリンスって題名、未だにどうしても馴染めない・・・。
誰のことだったかは、さすがローリング女史、ひねりが効いています。
ハリーポッターシリーズはファンタジー小説とされることが多いと思いますが、私はすごくよくできた推理小説のように感じるんですよね。最後の数章で、はりめぐらされた伏線がぴたぴたっとはまっていくところにゾクゾクします。私は原書が出たときに頑張って読破し、相方Nぞう氏とは一年以上感想を言い合えなかったので、やっとお互い日本語版を読み終え「死んじゃうのは○○だったんだね・・・」と。今回分かって読んだとはいえ、改めてショックでした。
ファンの間では第7巻ではハリー以外の重要人物が二人死ぬ、と噂されているとか。ハリーはどうあっても悲劇的な運命には抗えないのでしょうか・・。謎のプリンスみたいな重い最後だったらいやだなぁ。やっぱり少しでもハッピーエンドがいい!!
今回感動したのは、フラーとモリーがビルの怪我をきっかけに心を通じ合わせるところかなー。モリーおばさんファンの私としては、ウィーズリー家にふさわしい「人を愛する気持ち」をちゃあんと持ったお嫁さんが来てくれてすごく嬉しいです。ハリーもようやく恋人ができてよかったね。前半やや女性不信みたいになっていたからまだ若いのに・・・と気の毒に思ったけど(笑)。でも次の巻ではデートみたいな浮かれたことはできそうにないですよね・・。それにしてもほんとにあと一巻で結末までいくんですか??今までで一番ピンチだと思うのですけれど・・・。ほんとにほんとに次巻がますます楽しみです。

邪魅の雫 

2006年10月01日(日) 17時38分
京極夏彦・京極堂シリーズ最新刊。榎木津探偵ファン(特に女性)の方は必読かも。破天荒な仮面の下の優しさがみえてよいですよー。今回も登場人物が多く、時系列も入り組んでいるので、途中で「メモしないとついてけないかも・・・」なんて思うほどでした。でも前作よりは犯人あても楽しめたし、さすが!!の一言です。中善寺敦子さんの出番が少なかったのが残念。