キューバ音楽一口メモ21

November 28 [Sun], 2004, 11:19
Hasta Siempre Carlos Puebla y sus Tradicionales EGREM CD-0083
カルロス・プエブラはキューバの伝統的なトローバ音楽の吟遊詩人。
1952年頃ハバナのレストランバーのボデギータ・デル・メディオで
ロス・トラディシオナレスというバンドと歌いはじめ頭角を表していった。
そして当時のバティスタ政権の独裁と腐敗に対する民衆の抵抗運動
を歌を通じて結集、支援した。1959年そしてフィデルがやってきたと
歌った、その後1962年頃より新しい改革政策や法案を歌にして
発信するという、いわばお抱え歌手としての役割を担うようになった。
彼の覚えやすい歌とバリトンの朗々とした歌声はなかなかのもの
だが、ただ礼賛するだけの歌詞内容はいただけないものだと思う。
でも、チェ・ゲバラに捧げたアスタ・シエンブレなど純粋な名曲も
残しており、後のパブロ・ミラネスやシルビオ・ロドリゲスに代表
されるヌエバ・トローバ音楽へと繋ぐ先駆者として忘れられない。

世界の音楽さまざま

November 24 [Wed], 2004, 10:30
ポピュラー音楽の世紀 中村とうよう 岩波新書
中村とうよう氏 1932年京都生まれ
1960年代はじめより、音楽評論活動に携わる草分け的存在。
1969年ニューミュージック・マガジンを創刊し、最も早い時期
から世界の音楽を幅広く紹介してきた先達として知られている。
これは新書版というコンパクトサイズながら、世界のさまざまな
ポピュラー音楽・ルーツ音楽が縦横に語られ非常に中身が濃い。
アメリカ音楽にはじまってキューバ音楽・ラテン音楽におよび、
さらにアフリカ、アラブ、アジアまで、20世紀に起きた音楽の
重要な出来事や流れが俯瞰図のようにやさしく描かれている。
世界の音楽の成り立ち・影響・交感といった歴史やつながりを
知ることで、さまざまな音楽が身近になり、より自然に幅広く
楽しめるように誘ってくれる。キューバ・ラテン音楽好きのみ
ならず、全ての音楽好きにとって格好の愛すべき一冊だと思う。

キューバ音楽一口メモ20

November 21 [Sun], 2004, 11:44
Como un Milagro Orquesta Anacaona BISmusic CD-125
アナカオナはキューバ先住民の伝説的な王女の名前。
オルケスタ・アナカオナはその名にちなみ、1928年頃に
裕福なカストロ家の八人姉妹によって結成された演唱集団。
そしてそれはキューバ初の女性だけのバンドといわれている。
以後今日まで再編を繰り返し活躍し続けている稀有な存在で
キューバのトラディショナルな音楽である ダンソン、ボレロ、
ソン、チャチャチャ、マンボ、サルサなどをレパートリーにし、
プエルトリコ、メキシコ、パナマ、コロンビア、ベネズエラなどを
巡演して、キューバ・ラテン世界で最も有名な女性バンドとなった。
キューバ音楽の歴史を感じながら、その源流と発展の過程を
味わうにはもってこいの逸品だと思う。ただ少し退屈な面もあり。

キューバ音楽一口メモ19

November 17 [Wed], 2004, 10:01
Super Exitos Orquesta Original de Manzanillo FonoCaribe CD-110008
La Habana Quiere Guarachar Contigo Candido Fabre y su Banda TUMI-097
オルケスタ・オリヒナル・デ・マンサニジョは1970年代中ごろ結成され、
80年代の大活躍を通じ、アダルベルト・アルバレスのソン14、イ ス ソンや
ファン・デ・マルコス・ゴンザレスのシエラ・マエストラと並びソン再生を計った。
カンディド・ファブレはその中心をなす、たぐいまれな歌手兼作曲家であり、
千曲以上のオリジナル ソンやサルサを作ったことで知られる。また彼の歌は
ロス・バン・バン、オルケスタ・アラゴン、イサク・デルガド、ホセ・アルベルトなど
多くの優れたアーティストに歌われ、キューバの新しいスタンダード曲となる。
そして1993年には自身のバンドをより力強く流麗なチャランガ・スタイルにし
4年以上に渡るヨーロッパツアーを成功させ、各国にその名をとどろかせる。
その伝統を踏まえた上での新しいサウンドやハスキーな声質での
哀歓がにじむ歌唱が素晴らしく、愛され親しまれるゆえんだと思われる。

キューバ音楽一口メモ18

November 14 [Sun], 2004, 11:07
Papa Elegua Elio Reve y su Charangon EGREM CD-0078
1959年 エリオ・レベ・マトスが東部のサンティアゴ デ クーバで
オルケスタ・レベを結成し、やがて活躍の場をハバナへと広げる。
ソンのルーツの一つともなったグァンタナモのローカルリズムだった
チャングイをオルケスタ編成に織り込み、その速くて荒々しいリズム
と黒いグルーブで、キューバ中を熱狂させながら地歩を固めていった。
そしてキューバ音楽の60〜70年代の停滞期を乗り越え、80年代の
再生機運をもたらし、ロス・バン・バンやイラケレと並び称されるまでに。
後のティンパ系と呼ばれるキューバンサルサに多大な影響を与えた
先駆者の一人であったが、1997年交通事故により天に召された。
キューバ音楽の源流の一つが到達した極として、今も大切だと思う。

民族音楽紀行キューバ篇

November 10 [Wed], 2004, 10:03
MHK(みなさまの放送局)の放映だったが、
思いもかけずの珠玉の逸品でなかなかのものだった。
キューバの現在と原風景を、数々の名曲にのせて、
さりげなく映し出したもので、虚飾がないのがよかった。
わずか30分ほどの映像に熱くて切ないホロ苦さが凝縮。
ちなみに画面の風景に溶け込んだ名曲のラインアップは、
エル マニセロ(モイセス・シモン) マンボNO5(ペレス・プラード)
マンサニ−ジョ(カンディド・ファブレ) ソン デ ラ ロマ(ミゲル・マタモロス)
シボネー(エルネスト・レクオーナ) マンボ ディアボロ(ティト・プエンテ)
エル クァルト デ トゥラ(ブエナ・ビスタより)
オロミ(見当つかず) タブー(おそらくサビア・クガートかと)
わずか9曲ながら、キューバのいろいろな基幹音楽と
主要な音楽家を押さえていて、まずまず見事な選曲だと思う。

キューバ音楽一口メモ17

November 07 [Sun], 2004, 9:57
Alborada
Nico Saquito y sus Guaracheros de Oriente TUMBAO TCD-094
ニコ・サキート(本名アントニオ・フェルナンデス・オルティス)によって
1940年代はじめに結成されたグァラーチャ・ソンの名門グループ。
ニコはトリオマタモロスのミゲル・マタモロスやセプテートナシオナル
のイグナシオ・ピニェイロと並び称されるソンの名作曲家であったが
その認知度は貢献度に比べて余りにも低く忘れられた音楽家である。
彼のグァラーチャ音楽はグァヒーラ・トローバとソンの両方を繋ぎ合わ
せた香り高い趣きのもので、軽快なリズムにのせた演唱が特徴的。
そして弾けるような陽気さと爽やかさを兼ね備えた優雅な音楽である。
かのブエナ・ビスタの源流のひとつと言えるもので、いつまでも
忘れることのないように、受け継がれ聴き続けられたら、と思う。

キューバ音楽一口メモ16

November 04 [Thu], 2004, 10:03
Bongo de Monte Grupo Changui de Guantanamo EGREM CD-0356
チャングイ音楽はキューバ東部で、18世紀後半から200年以上
受け継がれてきた、ソン・プリミティーボと呼ばれるソン音楽の原型。
グルーポ・チャングイ・デ・ガンタナモは、その名の通り、1945年に
キューバ東部の農村地域・ガンタナモで結成された老舗のグループ。
固有のトレスギター、ボンゴ、マラカス、マリンブラに金属製のグィロ
などの特徴的な楽器が使われ、土の香りただよう歌唱が名高い。
旧い伝統スタイルだが、その素朴で哀歓あふれる演唱は時代を
越えて人々に親しまれ、今なお、その人気は衰えることはない。
基幹音楽のソンやキューバンサルサを深く知る上でも欠かせない。

ラテン音楽の楽園本

November 01 [Mon], 2004, 6:49
ラテン音楽パラダイス 竹村淳 講談社+α文庫
キューバ音楽中心にラテン音楽全般をめぐる水先案内書。
著者は先達の中村とうよう氏や後進の村上龍氏などと共に
ポピュラー音楽としてのキューバ・ラテン音楽を熱心に広めた
ことで名高い。草分け的存在で愛情溢れる丁寧な解説に定評。
これは1992年出版の単行本の待望久しい文庫版の復刊。
初版より音楽シーンの変化の解説や用語などで、その後の
新しいデータによる更新が図られている。そして名盤好盤を
あらたに選出し直しCDレビューを充実させたものになった。
その意味で<CD・バイ・ガイド>の役目を果たす入門書で
キューバ・ラテン世界のそうそうたるアーティストたちの
歴代の名演の魅力を余すところなく伝えてくれる好著である。
ただ全般ということでリッキ−・マーティン、フリオ・イグレシアス
など、そのバックグラウンドが感じられないラテン風ポップス
まで取り上げられているのがもうひとつだと思うのだが、
好みを排してのフェアな姿勢なので仕方ないかとも思う。
2004年11月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
最新コメント
アイコン画像ボン 大塚
» 謹賀新年 (2017年01月09日)
アイコン画像ジャム
» 謹賀新年 (2017年01月03日)
アイコン画像ボン 大塚
» 衆愚についての講話 (2016年04月13日)
アイコン画像ジャム
» 衆愚についての講話 (2016年04月13日)
アイコン画像ボン 大塚
» 良し悪しについての会話 (2016年02月26日)
アイコン画像ジャム
» 良し悪しについての会話 (2016年02月25日)
アイコン画像ボン 大塚
» 良し悪しについての会話 (2016年02月24日)
アイコン画像ボン 大塚
» 人の見方についての会話 (2016年02月24日)
アイコン画像ジャム
» 人の見方についての会話 (2016年02月23日)
アイコン画像ジャム
» 良し悪しについての会話 (2016年02月23日)
月別アーカイブ