ひろしこの夜 PART1

August 18 [Wed], 2010, 22:00

「サチコ!」

某ファミレス前で友人のサチコと待ち合わせをしていたマイは

振り向き様に見せたサチコの醜い笑みに少し苦笑いしながら彼女の手を引き店内で軽食を済ませる事にした。

「こうやってマイと話すのって久しぶりだね〜。中学以来?」

「南小の頃はよく遊んでたけど、なんか中学に入ってからサチコと距離が出来た気がして…。

ごめんね?」

「いいよそんな事。全然気にしてないから。」

そうは言ってみたものの彼女の瞳は何かを言いたげだった。

何かを訴えかけているように見えたがあえてそこには触れない事にした。

だが…。

「でもサチコが中学入った時のクラスびっくりしたよ?

ほんと南小の時、桐組に入ってなかった事が不思議なぐら…」

「マイ!」

わたしは言うつもりのない事を思わず口を滑らせてしまい、それをサチコに静止させられた。

わたしは最低な女だ。

こういう一言一言がサチコを傷つけるんだ。
そしてあの人にも…

【ひろしこの夜】
第一夜『足跡』

久しぶりの再会という事もあり当然話も
弾んだ。

そしていずれは触れるとは思っていたがサチコが恋愛の話をわたしに持ちかけてきた。

「マイ、彼氏とかいるの?」

「えっ?…なんで??」

「マイ彼氏とかどーせいないしょ!?こないださ〜山本君に会ったんだよね!!したら可愛い女の子紹介して〜って言われたからさぁ★」

山本君…ああ政光くんの事か。

遠い昔、私の妄想の彼氏だったヒトだ。

ずっと想いを寄せていたのにあの人は私なんかよりも野球を取る人だった。

最近夜の野球で活躍してるってもっぱらの噂だけど…

今はなにをしているんだろう。

「ごめんサチコ、わたし今彼氏いるんだ…。」
「はーッ!?マジで?マジガチで!?誰よ♪」

話は過去へさかのぼる。

きっかけは今から8年前、夏の始まりを告げたばかりの修学旅行の帰りのバスでの事だった…。

同時刻、マイの彼氏であるヒロシはとある書店で少年誌を立ち読みしていた。

そして背後から近寄る者の名は自称戦場カメラマンことリョウスケという男。

「…探したぜ?」

「!! …木全?」
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